デーナ

デーナのハイライト

デーナ(Dana Holding Corporation)は、ドライブトレインやシーリング、熱交換器などを手がけているアメリカの自動車部品メーカーです。
電動部品では北米の大手メーカーの1社に数えられており、小型自動車(乗用車、小型トラック)、中大型商用車、建機・農機向けに製品を供給しています。
また、ドライブトレインシステム製品の「SPICER」、シーリング製品の「VICTOR REINZ」、熱交換器システム製品の「LONG」といったブランドを展開しています。

1904年に誕生したバージニア州の会社を継承するかたちで1916年に設立されたSpicer Manufacturing Corp.がデーナの前身です。1946年にDana Corp.に社名が変更されました。

1995年、イギリスのドライブライン大手であるGKN Plcの3事業を、1997年にSPXコーポレーション(SPX Corporation)のピストンリング事業とシリンダーライナー事業を、1998年にアメリカの自動車部品メーカーであるイートン・コーポレーション(Eaton Corp.)の傘下に属すGeneral Automotive Specialty Co.の重量アクセル事業とブレーキ事業を、2000年にはGKN Plcのcardan-jointedプロペラシャフト事業を買収するなど、積極的なM&Aで業容を拡大しました。

買収を推進した一方、2000年にはGKN PlcにブラジルのCV共同事業を、2007年にはHendrickson USA, LLCとその関係会社にトレーラーアクスル製造事業を、マーレ(Mahle GmbH)にエンジン用部品部門を、Orhan Holding, A.Sにヨーロッパのカップルドフルイド事業を、Coupled Products Acquisition LLCに北米のカップル事業を売却しました。

2008年にはアメリカ連邦破産法第11条(Chapter11)から脱却し、現在のDana Holding Corporationが後継登録者となりました。
2010年代に入ってからもM&Aを進め、2010年には主要車両構造部品事業をGrupo Proezaの傘下のMetalsa, S.A. de C.V.に、2015年にはベネズエラ子会社のC.A. DanavenをManufacturing and Logistics Solutions Ltd.(MLS)に売却しました。

2014年末時点では、世界25ヶ国に90ヶ所の拠点(製造拠点は78ヶ所)を有し、約22,600人の従業員を抱えています。
事業体制は以下の4部門で構成されています。
・小型車(Light Vehicle Driveline)
・商用車(Commercial Vehicle Driveline)
・オフハイウェイ(Off-Highway Driveline)
・パワーテクノロジー(Power Technologies)

現在は、アジア・オセアニア地域における売上高の増加を目指した取り組みに注力しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 819,049百万円

2013年度

  • 800,657百万円

2014年度

  • 733,260百万円

2015年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結

2014年における売上高は、南米やアジア太平洋地域の外国通貨安が影響し、66億1,700万ドルで前年比2.2%減となりました。
また、EBITDAは7億4,600万ドルで前年比0.1%増となりました。

部門別の売上高は、

  • 小型車(Light Vehicle Driveline)が24億9,600万ドルで前年比2.1%減
  • 商用車(Commercial Vehicle Driveline)が18億3,800万ドルで前年比1.2%減
  • オフハイウェイ(Off-Highway Driveline)が12億3,100万ドルで前年比7.4%減
  • パワーテクノロジー(Power Technologies)が10億5,200万ドルで前年比2.1%増

となりました。

事業戦略

事業方針

デーナのM&Aや他社との提携に関する動向は以下のとおりです。

  • 2015年1月、ベネズエラのバレンシアとグアカラに生産工場を持っていた子会社、C.A. Danavenを、現地の独立系企業のManufacturing and Logistics Solutions Ltd.(MLS)に売却。売却後はMLSがC.A. Danavenの事業を引き継ぎ、デーナが2次請けとしてアクスル部品を供給。

注力分野

デーナは、アジア・オセアニア地域における売上高を増加させるための取り組みに注力しています。
2015年4月には中国の江蘇(こうそ)省無錫(むしゃく)市の工場で、「VICTOR REINZ」ブランドのメタル積層(MLS:Multi-Layer Steel)シリンダーヘッドガスケット、エキゾーストガスケット、トランスミッションバルブボディセパレータープレートの生産を開始しました。

無錫拠点ではエンジニアリングから生産までを一貫して行っているため、同拠点での「VICTOR REINZ」ブランドのシーリング製品の開発・生産が可能になりました。
完成車メーカーなどの納入先が保有する中国拠点だけでなく、アジア・オセアニア地域の顧客にもサービスを提供する方針です。

技術動向

2014年末時点で、デーナは世界各地域に8ヶ所の独立組織としての研究開発拠点と、7ヶ所の工場内研究開発拠点を有しています。


下記は、デーナの研究開発活動の一例です。


・「Masters of Quality Award」を受賞

ダイムラー(Daimler)グループのダイムラートラックスノースアメリカ(Daimler Trucks North America)に「SPICER」ブランドのドライブアクスル、ステアアクスル、ドライブシャフト、セントラルタイヤインフレーションシステムを納入しているアメリカオハイオ州のライマ工場が、品質・納入・技術・コストパフォーマンスを評価され、同賞を受賞。

・16ヶ所目のグローバルテクニカルセンターを設置

アメリカテキサス州のシーダーパークに、16ヶ所目のグローバルテクニカルセンターを設置。面積は4万平方フィートで、エンジニアリングステーション、動力計のある試験室、プロトタイプ組立、冶金・計測研究室、機会室などを設置。
同拠点の機能は、ライトビークルとオフハイウェイ車向けの連続可変遊星(CVP)システムを用いたトランスミッション設計「VariGlide」のエンジニアリングと生産。

・「Gold World Excellence Award」を受賞

フォード・モーター(Ford Motor Company)の「Explorer」と「Lincoln MKS」向けにドライブアクスルを納入しているアメリカミズーリ州のコロンビア工場が、フォード・モーターから同賞を受賞。

・技術コンセプト「Spicer AdvanTEK Dual Range Disconnect」を発表

クラス8の大型車に搭載するタンデムアクスルの新たな技術のコンセプト「Spicer AdvanTEK Dual Range Disconnect」を「Mid-America Trucking Show(MATS)」で発表。
エンジンの回転数を低減させ、従来のタンデムアクスルと比較してパワートレイン効率を2~5%向上させる技術。

・シングルリダクションドライブアクスルの新製品を発表

同製品は北米仕様の商用車向けシングルリダクションドライブアクスル。デーナの「AdvanTEK」技術や「SPICER」のアクスル技術を利用することで、軽量化、燃費・耐久性の向上を実現。クラス7、クラス8の大型車向け。

・「Excellence in Quality Improvement Award」を受賞

日野自動車グループのHino Trucksから同賞を受賞。デーナはアメリカのオハイオ州ライマの工場とインドのカルナータカ州Jodalliの工場から日野自動車にドライブシャフトを納入。

・「Quality Excellence Performance Award」を受賞

トヨタ自動車の「Hilux」のピックアップトラックとSUV(Sport Utility Vehicle,スポーツ用多目的車)向けに供給したリアアクスル部品が評価され、デーナのブラジル工場がトヨタ自動車から同賞を受賞。

・「Supplier of the Year」を受賞

ゼネラル・モーターズ(GM:General Motors Company)へのドライブシャフトやアクスル、モジュールの納入と、カスタマーサービスなどが評価され、デーナのコロンビア工場がパワートレイン・シャシー部門で同賞を受賞。

・インドに技術センターを設置

インドと周辺諸国の乗用車・商用車・オフハイウェイ車メーカー向けにエンジニアリングサービスを提供する技術センターを、インドのプネーに設置。面積は8千平方メートル。全製品の設計・有限要素解析・試験を同拠点のみで実施することが可能。
また、製品開発のための電子制御実験室、試験エリア、材料開発ラボ、試作品開発室、性能分析室など内包。

・新たなアルミ製冷却技術を発表

「LONG」ブランドのバッテリー冷却プレートにアルミを採用した、EV(Electric Vehicle,電気自動車)とHV(Hybrid Vehicle,ハイブリッドカー)向けのアルミ製冷却技術を、PCIM Europe(Power Conversion and Intelligent Motion)で発表。
冷却プレートは絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)スイッチを冷却するもので、カナダのオンタリオ州ケンブリッジにある工場が生産を担当。

・「Spicer E-Series」の新製品を発表

同製品は、高い耐久性と性能を持った、最大35ポンド軽量化されたステアアクスル。アクスルの総重量が1万~1万3,200ポンドのオンハイウェイ車・配達車両・バイス向けシャシー部品に採用。

・「Spicer D-Series」の新製品を発表

同製品はエアディスクブレーキによる重量の増加を抑え、制動力を向上させるほか、メンテナンスを軽減させるアクスル。アクスルの総重量が1万~1万4,600ポンドの車両向け。

・次世代シリンダーヘッドガスケット「Victor 500」を発表

同製品は、燃焼シールの安定性と半径方向強度を向上させるために、従来のヘッドガスケットと比較して厚さが3倍のスチールコア層を採用したもの。「Mid-America Trucking Show(MATS)」で展示。

グローバル展開

2014年末時点で、デーナは世界25ヶ国に90ヶ所の拠点を有しています。製造拠点は78ヶ所に設置されており、その地域別の内訳は北米が35ヶ所、ヨーロッパが19ヶ所、南米が8ヶ所、アジア太平洋が16ヶ所です。


○新興国をはじめとした海外における取り組み

■中国での取り組み
  • 2014年5月、江蘇(こうそ)省の無錫(むしゃく)市の工場で、「VICTOR REINZ」ブランドのメタル積層(MLS:Multi-Layer Steel)シリンダーヘッドガスケット、エキゾーストガスケット、トランスミッションバルブボディセパレータープレートの生産を開始。
■タイでの取り組み
  • 2015年9月、タイ国内だけでなくアジア太平洋地域におけるライトビークル市場の需要に対応するため、ラヨーン県にギアの生産工場、Dana Spicer Thailand Gear Plantを設置。面積は6,450平方メートルで、既存の2拠点と合わせた総面積は2万2千平方メートル。ラヨーン工場では「Spicer AdvanTEK」のハイポイドギア、スパイラルベベルリング、ピニオンギアなどを生産。
■ハンガリーでの取り組み
  • 2014年7月、ハンガリー政府から4億9千万フォリント(約2億円)の助成金を受け、ジェール工場を拡張すると発表。同工場の生産設備を刷新し、従業員30人を追加雇用。

部門構成・部門ごとの方針

デーナは、以下の4部門で事業体制を構成しています。

  • 小型車(Light Vehicle Driveline)
  • 商用車(Commercial Vehicle Driveline)
  • オフハイウェイ(Off-Highway Driveline)
  • パワーテクノロジー(Power Technologies)

エンドユーザー別の売上高比率は、小型車向けが5割、中型・大型車向けが3割、オフハイウェイが2割を占めています。

また、小型車部門では以下の製品分野を扱っています。

  • ドライブトレイン製品(主要製品:アクスル、ディファレンシャル、トルクカップリング、ドライブシャフト、プロペラシャフト、ドライブトレインシステム)
  • シーリング製品(主要製品:エアダクト、シリンダーヘッドカバー、ガスケット、断熱材、メタル積層(MLS:Multi-Layer Steel)トランスミッションセパレータープレート、トランスミッションシーリングパンモジュール、バルブステムシール)
  • 熱交換器システム製品(主要製品:アクティブウォームアップ製品、HV(Hybrid Vehicle,ハイブリッドカー)用バッテリークーラー、インタークーラー、燃料クーラー、オイルクーラー、パワーステアリングオイルクーラー、小型エンジン用クーラー製品、トランスミッションオイルクーラー)
  • 燃料電池関連製品(主要製品:熱交換器用周辺部品、水素リフォーマー、スタック部品)

デーナの報道ニュース一覧

会社概要

社名 デーナ・ジャパン株式会社
設立年 1984年1月
本社所在地 〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2丁目14番10号 アーバンネット日本橋ビル4階
代表取締役 渡辺 信也
資本金 200百万円

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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