ZF(ゼット・エフ)

ZF(ゼット・エフ)の企業情報

ゼット・エフ(ZF Friedrichshafen AG)(以下、ゼット・エフ(ZF))は、ドイツに本社を置く、ヨーロッパ最大の駆動系自動車部品サプライヤーです。トランスミッション、ステアリングシステム、アクスル、シャシー部品・システムなどを手がけています。

1915年に設立された、飛行船用の歯車メーカーであるLuftschiffbau Zeppelin GmbHがゼット・エフ(ZF)の前身です。1992年に現在の社名に変更されました。
1990年代から2000年代にかけて、アメリカや日本、インド、南アフリカ、イタリア、中国、韓国、アルジェリアなどの完成車メーカーや自動車部品サプライヤーと合弁会社を設立するなど、他社との協業関係を強めました。
2014年に子会社のAuto Industrial Brake & Chassis Holding Johannesburg(AIBC)と、防振ゴム&プラスチック事業(Rubber & Plastics business unit)を売却。
同年、主にアクティブ/パッシブセーフティシステムを手がけていたアメリカの自動車部品サプライヤーであるTRWオートモーティブ(TRW Automotive)(現:ゼット・エフTRW(ZF TRW))を124億ドルで買収し、アクティブ&パッシブセーフティテクノロジー部門(Active & Passive Safety Technology)の子会社としました。

旧TRWオートモーティブをグループ傘下に収めたことにより、ゼット・エフ(ZF)は、ロバート・ボッシュ(Robert Bosch GmbH)、デンソー、マグナインターナショナル(Magna International Inc.)に次ぐ売上高の自動車部品サプライヤーとなりました。

2014年末の時点では、世界各地域に113ヶ所の製造拠点、8ヶ所の主要研究開発拠点を有し、約71,400人の従業員を抱えています。
事業体制は、以下の4部門により構成されています。
・パワートレインテクノロジー部門(Car Powertrain Technology)
・シャシーテクノロジー部門(Car Chassis Technology)
・商用車テクノロジー部門(Commercial Vehicle Technology)
・インダストリアルテクノロジー部門(Industrial Technology)

※ゼット・エフTRW(ZF TRW)統合後の従業員数は13万人超となり、事業体制は上記4部門にアクティブ&パッシブセーフティテクノロジー部門を加えた5部門となります。

現在は、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)分野での開発能力の強化や、アジア地域での事業拡大などに力を入れています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 2,256,158百万円

2013年度

  • 2,467,610百万円

2014年度

  • 3,906,636百万円

2015年度

従業員数推移

連結

2014年における売上高は、北米と中国でのAT(Automatic Transmission,自動変速機)とアクスルシステムの需要の増加が寄与し、184億1,500万ユーロ(前年比9.4%増)で過去最高となりました。
また、EBITDAは20億4,400万ユーロで前年比20.0%増、EBITは10億9,800万ユーロで前年比36.1%増、純利益は6億7,200万ユーロで前年比45.5%増となりました。

部門別の売上高は、

  • パワートレインテクノロジー部門(Car Powertrain Technology)が67億4,200万ユーロで前年比18%増
  • シャシーテクノロジー部門(Car Chassis Technology)が58億8,500万ユーロで7%増
  • 商用車テクノロジー部門(Commercial Vehicle Technology)が30億3,600万ユーロで前年比7%減
  • インダストリアルテクノロジー部門(Industrial Technology)が20億5,200万ユーロで前年比8%増

となりました。

事業戦略

事業方針

ゼット・エフ(ZF)は2015年に旧TRWオートモーティブ(TRW Automotive)の買収を完了しており、3~5年かけてゼット・エフTRW(ZF TRW)を統合させる計画です。今後ゼット・エフTRW(ZF TRW)は、ゼット・エフ(ZF)のアクティブ&パッシブセーフティテクノロジー部門(Active & Passive Safety Technology)に分類されます。

このほかの事業方針については、2015年10月にショックアブソーバーの生産に関する基本計画が示されています。コスト削減を目的に、これまでドイツの3拠点で行っていたショックアブソーバー生産の大部分をスロバキアとトルコの工場に移管する計画です。ドイツ拠点の1つであるシュヴァインフルト工場では、すべてのショックアブソーバーの生産を中止する方針で、段階的に機能を縮小します。

なお、M&Aや他社との合弁に関する動向は、以下のとおりです。

  • 2015年5月、ロバート・ボッシュ(Robert Bosch GmbH)グループの産業機器テクノロジー分野を担うボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth AG)から、産業機器・風力発電向け変速機事業を買収。中国やヨーロッパの風力発電に関する需要の取り込みと、自動車向け変速機の技術を向上させるのが狙い。
  • 2015年7月、ドイツのエンジニアリングコンサルタント会社であるHalla DAS Lab Europe(HDLE)の開発部門を買収。半自動運転分野のソフトウェア開発の強化が目的。
  • 2015年1月、ロバート・ボッシュとの合弁会社であるZF Lenksysteme GmbHの全持株をロバート・ボッシュに売却。
  • 2014年10月、乗用車用シャシーシステムの開発と組み立てを行う会社の設立を発表。北京汽車工業(BAIC)との合弁で、投資額は1千万ユーロ(ゼット・エフ(ZF)はうち51%を出資)。
  • 2014年9月、防振ゴム&プラスチック事業(Rubber & Plastics business unit)を株洲時代新材料科技股?有限公司(Zhuzhou Times New Material Technology(TMT))に売却。
  • 2014年1月、子会社であるAuto Industrial Brake & Chassis Holding Johannesburg(AIBC)を南アフリカのTrinitasに売却。

注力分野

ゼット・エフ(ZF)は、「先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)分野での開発能力強化」と「アジア地域での事業拡大」に注力しています。


○先進運転支援システム分野での開発能力強化

ゼット・エフ(ZF)は、旧TRWオートモーティブ(TRW Automotive)のECU(Electronic Control Unit,電子制御ユニット)やブレーキコントロールシステム、カメラ、センサーなどの技術を組み込むことにより、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)分野での優位性を獲得したい考えです。
このほか、半自動運転分野のソフトウェア開発能力を強化するため、ドイツのHalla DAS Lab Europe(HDLE)の開発部門を買収しています。

○アジア地域での事業拡大

2014年10月に北京汽車工業(BAIC)との合弁会社を北京経済技術開発区に設置すると発表しました。
また、2015年2月にはインドに乗用車・商用車用のパワートレインを製造する工場を新設するなど、ゼット・エフ(ZF)はアジア地域への投資を積極的に行っています。

技術動向

2014年末時点で、ゼット・エフ(ZF)が世界各地域に有する研究開発拠点では、6,500人以上が勤務しています。そのうち、本国ドイツのフリードリヒスハーフェンの研究開発本部には約1千人が従事しており、将来的には同地域に点在している研究開発関連オフィスを本部に集約する計画を示しています。
ゼット・エフ(ZF)は海外における研究開発拠点の強化も進めており、2015年には横浜での新拠点の設置と、アメリカとチェコにある拠点の拡張を発表しました。
さらに同年、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)に関する技術力向上を狙い、ドイツのHalla DAS Lab Europe(HDLE)の開発部門を買収しています。

下記は、ゼット・エフ(ZF)の研究開発活動の一例です。


・プラグインハイブリッド車向けハイブリッドシステムを開発

ゼット・エフ(ZF)の最新8速AT(Automatic Transmission,自動変速機)に小型電気モーターを組み合わせたシステム。電気モーターだけで、時速120kmまでで最長31kmの走行が可能。

・ガラス繊維強化プラスチックが用いられたリーフスプリングの前輪駆動車向けトーションビーム式リアサスペンションを開発

性能やコストはマルチリンク式サスペンションと変わらないが、13%の軽量化に成功。2018年までに実用化したい考え。

・先進運転支援システム搭載のコンセプトカーを公開

グーグル(Google)と共同開発したクラウドが活用されたコンセプトカー。クラウドデータによる危険回避と予測運転が可能。ゼット・エフTRW(ZF TRW)の多機能ステアリングホイールも使用。

・狭い場所に駐車できるシャシーと自動駐車を統合した新システムを開発

小回り性能が向上したほか、ドライバーの乗降が不要。スマートフォンなどの端末から遠隔操作できる完全自動車駐車機能も装備。小型車向けのシステムとしての需要を期待。

・完全自社製のEVコンセプトカー「Advanced Urban Vehicle」を開発

トラクションバッテリーが動力源で、これをフロントとリアアクスルに搭載されたモジュールに格納。電動リアアクスルドライブ「eTB(electric Twist Beam)」を搭載している点が特徴。スマートパーキングアシスト(Smart Parking Assist)システムにより狭い駐車場への誘導が可能なほか、クラウドによるアシスト機能である「PreVision Cloud Assist」により高い快適・効率性を実現。

・9速ATがベースのハイブリッドシステムを開発

横置きエンジン搭載車向け。モーターをトルクコンバーターの代わりに搭載しているため、大きさは従来の9速ATと同等。9速AT用のハイブリッドシステムをラインナップに加えることで、ATの受注を増加させたい考え。

グローバル展開

2014年末時点で、ゼット・エフ(ZF)は世界各地域に113ヶ所の製造拠点と8ヶ所の主要な研究開発拠点を有しています。主な研究開発拠点の国別の内訳は、本国ドイツに3ヶ所と、チェコ、中国、日本、アメリカにそれぞれ1ヶ所ずつです。

売上高の50%以上はヨーロッパが占めている状況ですが、北米とアジアでそれぞれ20%ずつと、比較的地域別の均衡が取れている構成です。
なお、ゼット・エフ(ZF)は特にアジア地域への投資を積極的に行っています。


○新興国をはじめとした海外における取り組み

■中国での取り組み
  • 2015年11月、江蘇省にブレーキシステム工場と乗員安全システム工場を設置。ブレーキシステム工場では電動パーキングブレーキ(EPB:Electric Parking Brake)やフロントブレーキキャリパーなどを、乗員安全システム工場では運転席・助手席エアバッグ、サイドエアバッグなどを生産。
  • 2014年10月、北京経済技術開発区に北京汽車工業(BAIC)との合弁会社を設置すると発表。投資額1千万ユーロのうち、ゼット・エフ(ZF)は51%を出資。新工場では乗用車用シャシーシステムの開発と組み立てが行われ、当初の年間生産能力は20万ユニット。
  • 2014年7月、上海にある中国本社・アジア太平洋地域本社の拡張を発表。利用可能スペースを従来の4倍に増やし、オフィスや実験室、試験台などを追加。2014年からの5年間で約5千万ユーロを投資する方針で、新たに建設された建物ではドライブラインやシャシーシステム、トランスミッションなどの試験が可能。
  • 2014年1月、武漢江夏経済技術開発区金港新区で、電動ステアリングコラムや油圧式ステアリングなどを生産する子会社、上海采埃孚転向系統(武漢)有限公司(ZF Shanghai Steering Systems(Wuhan)Co.,Ltd.)の建設を開始。
■日本での取り組み
  • 2015年10月、横浜に研究開発拠点を設置し、Eモビリティ(E-Mobility)中心の研究開発を行うと発表。日本市場への適合開発を行い、完成車メーカーとの連携も強化する方針。また、パワーエレクトロニクスとドライブラインの完全自動化を目的とした研究開発も実施。
■チェコでの取り組み
  • 2015年6月、約400万ユーロを投じ、プルゼニの研究開発拠点の増強を完了。建物を増設するなど、利用スペースを従来の2倍となる約7千平方メートルに拡張。
■インドにおける取り組み
  • 2015年2月、プネーに新工場を設置し、インドの乗用車パワートレインテクノロジー部門(Car Powertrain Technology)と商用車テクノロジー部門(Commercial Vehicle Technology)、インドのゼット・エフ・サービス(ZF Services)を集約。投資額は約2千万ユーロ。
ロシアでの取り組み
  • トラックやバスなどを手がけるロシアのカマズ(Kamaz)との合弁会社であるZF Kamaと、タタールスタン共和国に商用車用トランスミッションの生産を行う新工場を設置。投資額は9千万ユーロで、ゼット・エフ(ZF)はうち51%を出資。

部門構成・部門ごとの方針

2014年末の時点で、ゼット・エフ(ZF)の事業体制は以下の4部門で構成されています。


・パワートレインテクノロジー部門(Car Powertrain Technology)

(事業内容:AT(Automatic Transmission,自動変速機)、MT(Manual Transmission,手動変速機)/DCT(Dual Clutch Transmission,デュアルクラッチトランスミッション)、アクスルドライブ、パワートレインモジュール、エレクトリックドライブテクノロジー、ダイカスト)

・シャシーテクノロジー部門(Car Chassis Technology)

(事業内容:シャシーシステム・部品、サスペンションテクノロジー)

・商用車テクノロジー部門(Commercial Vehicle Technology)

(事業内容:トラック&バン用ドライブラインテクノロジー、バス&コーチ用アクスル&トランスミッションシステム、商用車シャーシモジュール、商用車ダンパーテクノロジー、商用車パワートレインモジュール)

・インダストリアルテクノロジー部門(Industrial Technology)

(事業内容:オフハイウェイシステム、テストシステム、特殊ドライブラインテクノロジー、舶用推進システム、航空テクノロジー、風力テクノロジー)

これらに加え、2015年に買収したゼット・エフTRW(ZF TRW)が、新たに「アクティブ&パッシブセーフティテクノロジー部門(Active & Passive Safety Technology)」を担います。
また、2016年からすべての電動モビリティ関連事業を「Eモビリティ(E-Mobility)」部門に統合すると発表されています。

ZF(ゼット・エフ)の報道ニュース一覧

会社概要

社名 ZF(ゼット・エフ)
本社所在地 〒 105-0021東京都港区東新橋 2-8-1パラッツォアステック 7、8 階

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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