武蔵精密工業
武蔵精密工業の企業情報
武蔵精密工業は、日本に本社を置く東証一部上場の機関・伝動部品メーカーです。
デファレンシャル部品、プラネタリー部品、エンジン吸排気道弁系部品、サスペンション・ステアリング系部品、カムシャフト、ワンウェイクラッチなどを主要製品としています。
四輪車用部品以外にも、二輪車用のトランスミッションギア部品やカムシャフト、ワンウェイクラッチなどを手がけています。
筆頭株主であるホンダと同社子会社の売上高が全体の約7割を占めています。
1938年、大塚美春氏が東京都品川区に大塚製作所を創業したことが、武蔵精密工業の歴史の始まりです。当時は航空発動機用気化器の部品を製造・販売していました。
1944年、個人経営を法人化し、東京都北多摩郡武蔵野町に大塚航空工業を設立。
1946年、本社を愛知県豊橋市に移転し、社名を武蔵産業株式会社に変更。
1963年、社名を武蔵精密工業に変更。
1980年、アメリカのミシガン州にムサシユーエスエー・インコーポレーテッド(現:ムサシオートパーツミシガン・インコーポレーテッド(Musashi Auto Parts Michigan Inc.))を設立。
1987年、タイにエー・ピー・ホンダカンパニー・リミテッド(A.P. Honda Co., Ltd.)と、合弁会社のムサシオートパーツカンパニー・リミテッド(Musashi Auto Parts Co., Ltd.)を設立。
1990年代に入ると、イギリス、インドネシア、カナダ、ブラジルに拠点を設立し、グローバル展開を推進。
2000年代以降もアメリカ、ハンガリー、ドイツ、ブラジル、インド、中国、タイ、ベトナム、メキシコなどに拠点を増設するなど、積極的な海外展開を継続。
2014年には、中国に武蔵精密汽車零部件 (南通) 有限公司と武蔵精密企業投資 (中山) 有限公司を設立しています。
2016年3月末時点では、子会社など21社でグループを構成しており、10,172人の従業員を抱えています。
事業体制は以下3つの事業部で構成されています。
・PT(パワートレイン)事業部
・L&S(リンケージ&サスペンション)事業部
・二輪事業部
年収情報
平均年収618万円 / 自動車業界内の年収順位 49/101位
年収推移
自動車業界の平均年収 | 618万円 |
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推定生涯賃金 | 2億3093万円 |
年齢別年収シミュレーション
平均年齢 | 39.2歳 |
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平均勤続年数 | 14.8年 |
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
従業員数推移
2015年度における売上高は、1,643億9,700万円で前年度比3.9%増となりました。
また、営業利益は133億9,800万円で前年度比15.6%増、経常利益は114億4,900万円で前年度比3.6%減、当期純利益は68億900万円で前年度比6.7%増となりました。
事業部別の売上高は、
- PT(パワートレイン)事業部が847億4,800万円で前年度比14.7%増
- L&S(リンケージ&サスペンション)事業部が208億8,200万円で前年度比2.6%増
- 二輪事業部が587億6,700万円で前年度比8.2%減
となりました。
なお、2020年を目標年とする長期的な数値目標として、売上高2,000億円以上、営業利益率10%を掲げています。
事業戦略
事業方針
武蔵精密工業は、長期ビジョンとして「ムサシ・グローバル・ビジョン2020」を策定しています。「Be Unique!!~ユニークで行こう~」をキーワードに、「創違(Differentiation)」「融合(Integration)」「成長(Growth)」の3つを基本コンセプトに設定しています。
- 創違(Differentiation)
多様な個性・アイディアを尊重し、他との違い、過去との違いを創りだす。 - 融合(Integration)
個々の力や技術を結集し、新たな価値を創りだす。 - 成長(Growth)
常に高い志を持ち、夢に向かって挑戦を続ける。
なお、長期ビジョン「ムサシ・グローバル・ビジョン2020」の具体的な数値目標としては、2020年に売上高2,000億円以上、営業利益率10%の達成を目指しています。
武蔵精密工業は「ムサシ・グローバル・ビジョン2020」 を具現化するため、2016年を最終年度とした第 12 次中期経営方針を設定しています。
「MS-Innovationで未来への基盤を創る~共に未来を描き、カタチにし、喜びを分かち合おう~」をスローガンに掲げ、「事業」「しくみ」「人」の3領域で下記のような方針を示しています。
- 事業
「ものづくり」の探究で商品競争力を強化し、世界で最適・最強の事業構造を目指す。 - しくみ
グループ総合力を最大化するしくみを構築し、グローバル最適オペレーションを目指す。 - 人
世界のムサシマンを育てるしくみ、活かすマネジメントで、フィロソフィーでつながる「One Musashi」を目指す。
さらに、下記の6つを戦略テーマとして重点的に取り組むとしています。
- 次世代ムサシブランドの創出
- グローバルプラットフォームの構築
- グローバル人財活用の基盤構築
- 二輪事業の再構築
- 四輪事業の再構築
- M-FLO(※1)・M-QCD(※2)の融合と進化
※1:武蔵精密工業の受注展開から量産立上に至る一連の業務フローを独自に標準化したしくみ。
※2:武蔵精密工業の生産拠点の体質を品質システム、生産システム、工程管理の3領域から評価・改善するしくみ。
なお、第12次中期経営方針の具体的な数値目標としては、2016年度末までに売上高1,700億円以上、営業利益率8%の達成を目指しています。
武蔵精密工業のM&Aに関する動向は以下のとおりです。
- 2016年5月、ハイ・グループ(Hay Group)の持ち株会社であるハイ・ホールディング(Hay Holding GmbH)の株式すべてを取得することでゴアズ・グループThe Gores Groupと合意したと発表。取得金額は3億6,100万ユーロ(約440億円)。
- 2016年8月、同社が買収していたドイツの部品メーカー、ハイ・ホールディングに住友商事が資本参加することで合意したと発表。
武蔵精密工業がハイ・ホールディングの全株式を保有しており、その25%を住友商事に売却する。
当初の報道によれば、武蔵精密工業の技術開発力と住友商事の営業力を組み合わせることで、ハイ・ホールディングの事業基盤を強化する方針としていた。 - 2016年12月、タイのサイアム・セメント・グループ(SCG:Siam Cement Group)から自動車部品事業を取得すると一部で報道。
サイアム・セメント・グループが保有していたMusashi Auto Parts Co., Ltd.の株式21%を取得する。
当初の報道によれば、取得額は9億7,000万バーツ(約32億円)になる見込みであった。
技術動向
武蔵精密工業は、長期ビジョン「ムサシ・グローバル・ビジョン2020」を主題に掲げ、提案型の開発とスピードを重視した商品・技術開発を推進しています。 研究開発活動は、武蔵精密工業の開発部、生産技術・塑型技術部と子会社の九州武蔵精密で実施しています。
下記は、武蔵精密工業の研究開発活動の一例です。
○駆動系製品に関する研究開発活動
- デファレンシャル
自社の小型・高精度ベベルギアを用いた、軽量デファレンシャルアッセンブリ―の量産開発および適用拡大を図った研究開発活動を実施しています。
今後も軽量化開発および現地調達化開発に継続して取り組む方針です。
○エンジン系製品に関する研究開発活動
品質工学や最新のシミュレーション技術を積極的に導入して、効率的な商品開発を実施しています。
環境ニーズの高まりに対応できる次世代ラインの開発にも取り組んでいます。
○先進技術に関する研究開発活動
電気自動車向け新機構製品、電動パーソナルモビリティ向け電動ユニットの研究を推進しています。
要素技術領域では、トライボロジーをベースとした表面改質の研究開発活動を実施しています。
研究開発レベルを向上・効率化するために、シミュレーション技術の基礎研究にも取り組んでいます。
○生産技術に関する研究開発活動
- 加工技術
自社ブランド製品の現地調達化に向けて、最適工程設計の確立を図っています。 - 塑型技術
ロボット化を積極的に推進し、搬送時の打痕を撲滅するなど品質改善および人的コストの低減に取り組んでいます。
異形部品の自動化に関する研究開発や、解析技術の開発にも取り組んでいます。
グローバル展開
2016年3月末時点で、武蔵精密工業はアメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、ハンガリー、ドイツ、イギリス、タイ、インドネシア、インド、中国、ベトナムの12ヶ国に21ヶ所の拠点を有しています。
○海外における取り組み
■メキシコでの取り組み
- 2012年2月、メキシコのサンルイスポトシにムサシオートパーツメキシコ(Musashi Auto Parts Mexico, S.A. de C.V.)を設立すると発表。資本金は1億6,000万メキシコペソ(約10億円)。
新会社は武蔵精密工業の完全子会社で、ボールジョイント、カムシャフト、プラネタリー部品を生産する。
当初の発表によれば、2016年度に従業員数を100人まで引き上げる方針で、同年度までに約24億円を投資する計画としていた。 - 2014年4月、2015年をめどにメキシコでユニット部品の生産を開始し、足回り用部品のデファレンシャル、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)用のプラネタリーギアを生産すると一部で報道。
当初の報道によれば、デファレンシャル、プラネタリーギアともに生産量を大幅に増加させる計画で、付加価値の高いユニット部品の販売を拡大することにより、収益力の向上につなげる方針としていた。 - 2016年4月、2016年度中にメキシコでオートマチック・トランスミッション(AT:Automatic Transmission)用プラネタリーギアを生産すると一部で報道。
サンルイスポトシの工場では、ボールジョイントやデファレンシャル、無段変速機用のプラネタリーギアを生産。
当初の報道によれば、メキシコでの売上高を年間100億円以上に引き上げる方針で、生産能力の増強とともに工程の現地化も推進して競争力を高める計画としていた。
■インドでの取り組み
- 2012年6月、インドのハリアナの生産拠点で四輪車用部品の生産を開始すると一部で報道。
エンジン、マニュアル・トランスミッション(MT:Manual Transmission)、サスペンション用の鍛造部品を生産し、ホンダの現地工場へ納入することで新興国における同社の現地調達ニーズに対応する。
当初の報道によれば、生産量は輸出分も含め年間15万台分を見込んでいた。 - 2013年11月、ハリアナのバワル工場の生産能力を増強すると一部で報道。
当初の報道によれば、主要取引先であるホンダの生産拡大に伴い、生産量を年間12万台分から2倍の24万台分に引き上げホンダの現地調達ニーズに対応するとしていた。
■タイでの取り組み
- 2012年7月、タイでの洪水を踏まえ、同国での生産体制を見直すと一部で報道。
当初の報道によれば、水害を受けたナワナコンの第1工場は生産設備や金型の生産に特化させ、部品の生産はバンコクのプラチンブリにある第2工場に集約し、今後の水害に備えるとしていた。
■中国での取り組み
- 2014年6月、中国の江蘇(こうそ)省にデファレンシャルやボールジョイント部品を生産する子会社を設立すると発表。資本金は6,000万元(約10億円)で、武蔵精密工業が全額出資して設立する。
同国内での生産能力を強化し、欧米完成車メーカーとの取引拡大につなげる方針。
当初の発表によれば、2016年度までに1億2,200万元(約20億円)を投資し、従業員数は250人を予定。さらに、2015年度に売上高9,400万元(約14億円)の達成を目指すとしていた。 - 2014年7月、中国の連結子会社の統括会社として武蔵精密企業投資(中山) 有限公司を広東(かんとん)省に設立すると発表。
当初の発表によれば、資本金は約6,000万元(約10億円)で、2014年8月に設立する予定としていた。
会社概要
関係会社一覧
武蔵精密工業の関係会社一覧
- 九州武蔵精密株式会社
- ムサシオートパーツミシガン・インコーポレーテッド
- ムサシオートパーツカンパニー・リミテッド
- ピーティー・ムサシオートパーツインドネシア
- ムサシオートパーツカナダ・インコーポレーテッド
- ムサシドブラジル・リミターダ
- ムサシハンガリーマニュファクチャリング・リミテッド
- ムサシダアマゾニア・リミターダ
- ムサシオートパーツインディア・プライベートリミテッド
- 武蔵精密汽車零部件(中山)有限公司
- ムサシオートパーツベトナムカンパニー・リミテッド
- ムサシオートパーツメキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ
- 本田技研工業株式会社
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
- イリノイ・ツール・ワークス
- インフィニオンテクノロジーズ
- ヴァレオ
- 濰柴動力股份
- エバースペッシャー
- MRF
- マザーソン・スミ・システムズ
- オートリブ
- クーパー・スタンダード・ホールディングス
- クーパー・タイヤ・アンド・ラバー
- クノールブレムゼ
- クムホタイヤ
- グルーポアントリン
- ラインメタル・オートモーティブ
- コンチネンタル・オートモーティブ
- CIEオートモーティブ
- GKN
- シェフラー
- ジョンソンコントロールズ
- ジョンソン・マッセイ
- ZF/ZF TRW
- ソルベイ
- 星字(ソンウ)ハイテック
- デーナ
- TIオートモーティブ
- TEコネクティビティ(タイコエレクトロニクスジャパン)
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- ドラクスルマイヤー
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- 日本精工
- 日本電産
- 日本特殊陶業
- 日本発条(NHKニッパツ)
- 日本プラスト
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- フタバ産業
- ブリヂストン
- 古河電気工業
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- 三井金属鉱業
- ミツバ
- 三菱電機
- 村田製作所
- 矢崎総業
- 八千代工業
- ユーシン
- ユタカ技研
- ユニプレス
- 横浜ゴム
- ヨロズ
- リョービ