住友電気工業

住友電気工業の企業情報

住友電気工業(通称「住友電工」)は、日本に本社を置く、自動車電装部品の大手サプライヤーです。住友電気工業が焼結部品・切削工具・電気自動車向け製品を、子会社の「住友電装」が主力のワイヤーハーネスを、「住友理工」が防振ゴム・ホースを手がけており、総合自動車部品サプライヤーを目指しています。

1897年に開設された住友伸銅場から1911年に分離した住友電線製造所が、住友電気工業の前身です。1920年、住友総本店から分離独立し、住友電線製造所に改組しました。現社名に改称したのは1939年です。
1900年代前半から後半にかけて、電線ケーブル以外の製品分野に参入。1980年代に入ると、製造・販売拠点の海外進出を加速させました。
2000年代に入ってからも引き続き、海外拠点の増設や国外企業の買収を行うなど、グローバル展開の強化を推進しています。
2007年には、現在ワイヤーハーネス事業を担っている住友電装を完全子会社化しました。

2015年の3月末時点で、世界30ヶ国以上に事業拠点を有し、約24万人(自動車関連事業は約18万人)を抱えています。
住友電気工業の事業体制は、以下の5部門で構成されています。
・自動車関連事業(Automotive Business)
・情報通信関連事業(Infocommunications Business)
・エレクトロニクス関連事業(Electronics Business)
・環境エネルギー関連事業(Environment and Energy Business)
・産業素材関連事業(Industrial materials Business)
2015年3月末時点で、全売上高に占める自動車関連事業の割合は5割を超えています。

現在は、中期経営計画「17Vision」で示した2017年度の目標(売上高3.3兆円、営業利益2千億円など)の達成を目指し、「製品の軽量化・モジュール化」「エレクトロニクス製品の拡充」「HEV(Hybrid Electric Vehicle,ハイブリッド電気自動車)およびEV(Electric Vehicle,電気自動車)向け製品の開発」などに注力しています。

年収情報

平均年収804万円自動車業界内の年収順位 337

年収推移

  • 788万円

2016年度

  • 764万円

2017年度

  • 804万円

2018年度

自動車業界の平均年収 618万円
推定生涯賃金 2億6607万円

年齢別年収シミュレーション

  • 513万円

25歳

  • 613万円

30歳

  • 712万円

35歳

  • 804万円

40歳

  • 828万円

45歳

  • 812万円

50歳

平均年齢 42歳
平均勤続年数 17.3年

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 2,814,483百万円

2016年度

  • 3,082,247百万円

2017年度

  • 3,177,985百万円

2018年度

単独
  • 901,892百万円

2016年度

  • 1,084,165百万円

2017年度

  • 1,142,621百万円

2018年度

経常利益推移

連結
  • 173,872百万円

2016年度

  • 195,010百万円

2017年度

  • 188,649百万円

2018年度

単独
  • 49,367百万円

2016年度

  • 65,523百万円

2017年度

  • 65,847百万円

2018年度

従業員数推移

連結
単独

2014年度における自動車関連事業の売上高は、アメリカをはじめとする海外市場でワイヤーハーネス需要が増加したことなどが影響し、1兆4,861億8,300万円で前年度比10.1%増となりました。
また、自動車関連事業の営業利益は892億5,200万円で前年度比24.3%増となりました。

住友電気工業は中期経営計画「17Vision」において、2017年度の目標売上高を3.3兆円、営業利益を2千億円に設定しています。

事業戦略

事業方針

住友電気工業は2013年5月に発表した中期経営計画「17Vision」を2015年に見直し、2017年度を目標年度として、各指標で以下の具体的数値を設定しました。

  • 売上高3.3兆円
  • 営業利益2千億円
  • ROA(総資産利益率)9%以上
  • ROE(自己資本利益率)8%以上
  • 整備投資累計8千億円
  • 研究開発費累計4,800億円
  • 海外売上高比率60%台
  • 海外生産高比率60%台
  • 新規製品売上高比率30%

売上高については、当初2015年度の売上高を2.6兆円と設定していましたが、2014年度に前倒しで達成したため、上方修正されています。
上記のほか、2014年度時点で66%を占める自動車事業の営業利益比率を、エレクトロニクス関連事業と情報通信事業の回復・伸長により、2017年度には50%に引き下げたい考えです。

また、日系以外の完成車メーカーのシェア拡大、新製品の開発の加速、コストダウンの推進、主力であるハーネス以外の製品の拡大などに取り組む方針です。

なお、他社との提携、M&Aに関する動向は以下のとおりです。

  • 2014年11月、デンソーおよびトヨタ自動車とともに実施していたアドヴィックス(自動車部品サプライヤー)へのブレーキ事業の集約をさらに推進し、同事業の競争力を強化することで合意。
  • 2014年8月、子会社の住友電装が出資しているインドの機会部品メーカー、マザーサン・スミ・システムズ(Motherson Sumi Systems Limited)が、アメリカのワイヤーハーネスメーカーであるストーンリッジ(Stoneridge)の買収を完了。

注力分野

2017年度を目標年度とする中期経営計画「17Vision」に掲げられた目標(売上高3.3兆円、営業利益2千億円など)を達成するため、住友電気工業は「製品の軽量化・モジュール化」「エレクトロニクス製品の拡充」「HEV(Hybrid Electric Vehicle,ハイブリッド電気自動車)およびEV(Electric Vehicle,電気自動車)向け製品の開発」などに注力しています。

○製品の軽量化・モジュール化

主力であるワイヤーハーネス事業に関して、子会社の住友電装は、銅電線と比較して約半分ほどの重さのアルミ電線を用いた製品の量産体制を整備しています。2017年度までに同製品の販売を、ハーネス全体の1割まで引き上げたい考えです。主に新興国における生産体制の強化を図っています。

○エレクトロニクス製品の拡充

PD(Power Distributor)などのエレクトロニクス機器や半導体デバイス、ボディ系ECU(Electronic Control Unit,電子制御ユニット)、次世代車載LAN(Local Area Network)の開発などを進めています。

○HEV・EV向け製品の開発

HEV・EV用の高圧ハーネス、コネクター、バッテリー内配線モジュールなどの開発に注力しています。

このほか、ワイヤーハーネスに関して、次世代車載システムに対応するハーネスアーキテクチャーの構築と、その要素技術の開発を推進しています。

技術動向

ワイヤーハーネスと車載エレクトロニクス機器については、住友電気工業・住友電装・オートネットワーク技術研究所の3社を中心に、研究開発活動を行っています。
オートネットワーク技術研究所は、住友電気工業と住友電装の共同出資による会社です。

下記は、住友電気工業の研究開発活動の一例です。

・「V溝型金属-酸化膜-半導体構造トランジスタ (VMOSFET)」を開発

炭化ケイ素を材料とする独自の構造を持ったパワートランジスタ。電子の流れのオンとオフを切り替えるチャネル部分に特殊な面方位が用いられているため、十分な低オン抵抗と高安定性を確保。

・ホンダのステーションワゴンのガソリンエンジン車に製品が採用

ホンダ「シャトル(Shuttle)」に搭載されたキャパシターシステムの充放電コントローラーに、住友電気工業製品が採用。アイドリングストップ専用鉛バッテリーを併用することで、JC08モードでは発電せずにすべての電装システムをカバーできる蓄電容量を確保。

・ゴムシール材「セル用ガスケット」を開発

セル用ガスケットは、高機能ゴムと精密加工技術を組み合わせた、燃料電池自動車に搭載される燃料電池スタック向けのゴムシール材。子会社の住友理工が開発。

グローバル展開

2015年3月末時点で、住友電気工業は世界30ヶ国以上に約350の法人を有しています。自動車関連事業における海外拠点数の地域別の内訳は、北米が11ヶ所、中国を除くアジアが37ヶ所、中国が36ヶ所、ヨーロッパが22ヶ所、アフリカ・中近東が6ヶ所、南米が2ヶ所です。
住友電気工業は現在、軽量化アルミハーネスの量産体制整備を推進しており、特にタイ、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ロシアなどで生産体制の強化を行っています。

○新興国をはじめとした海外における取り組み

■タイでの取り組み
  • 2014年9月、日系完成車メーカーの需要拡大に対応するため、子会社のSEIタイエレクトリックコンダクター(STEC:SEI Thai Electric Conductor)が、ラヨーン県でアルミ電線とアルミ棒材の生産を開始。投資額は73億円。アルミ電線は中国やASEANでワイヤーハーネスに加工され、主に日本へ輸出。
  • 2014年10月、SEIタイエレクトリックコンダクターで、鋳造圧延工程からアルミ線材を一貫生産することを発表。アルミ線材の材料となるアルミ荒引線の月間生産能力は1,440t。
  • 2015年4月、SEIタイエレクトリックコンダクターで銅荒引線の生産を開始。月間生産能力は1.7万t。将来的に東南アジア最大の銅荒引線生産拠点に強化する方針。
■フィリピンでの取り組み
  • 2015年4月、2014年に完成したSumi Philippines Wiring Systemsの工場で、銅線の量産を開始。月間生産能力は300t。投資額は20億円。
■カンボジアでの取り組み
  • 2015年3月、Sumi (Cambodia) Wiring Systemsをフル稼働させるため、従業員数を増強。レクサス(Lexus)などにインパネハーネスを生産し、全量日本へ輸出。
■ロシアでの取り組み
  • 2014年8月、エカテリンブルクにZavod Radioapparaturyとの合弁でワイヤーハーネス生産拠点を新設。年間生産能力は10万セット以上で、ロシアの完成車メーカーであるアフトヴァース(AvtoVAZ)に納入。投資額は1千万ドル。
■メキシコでの取り組み
  • 2014年8月、子会社の住友電工焼結合金がアグアスカリエンテス州に、製造・販売拠点としてSumitomo Electric Sintered Components Mexicoを設立。投資額は約30億円。2016年7月から自動車向けエンジン部品や変速機部品などを生産し、メキシコ市場に供給。2017年度には売上高を約20億円とする計画。

住友電気工業の報道ニュース一覧

会社概要

社名 住友電気工業株式会社
設立年 1897年4月1日
本社所在地 〒541-0041 大阪市中央区北浜4-5-33 住友ビル
市場名 東証一部,名証一部,福岡
代表取締役 井上 治
社債格付け AA-
資本金 99,737百万円

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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拠点一覧

住友電気工業の拠点(研究開発・テストセンター含む)

国内拠点一覧
  • 大阪製作所(大阪市此花区)
  • 伊丹製作所(兵庫県伊丹市)
  • 横浜製作所(横浜市栄区)
海外拠点一覧
  • スミトモ エレクトリック ワイヤリング システムズ インク
  • スミトモ エレクトリック ボードネッツェ ゲーエムベーハー
  • スミトモ エレクトリック ワイヤリング システムズ (ヨーロッパ) リミテッド
  • 住友電工電子製品(深セン)有限公司
  • ディーティーアール テネシー インク

関係会社一覧

住友電気工業の関係会社一覧

  • 住友電装㈱
  • 住友理工㈱
  • 住友電工デバイス・イノベーション㈱
  • 北海道住電精密㈱
  • 住友電工焼結合金㈱
  • 日新電機㈱

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