住友ゴム工業

住友ゴム工業の企業情報

住友ゴム工業株式会社は、兵庫県に本拠地を置く、自動車用タイヤを中心にスポーツ用品や産業品などを製造するメーカーです。
売上高の87.3%(2014年12月期)を占めるタイヤ事業では、Falken(ファルケン)とDunlop(ダンロップ)をメインブランドに商品を展開。現在、2020年までの長期計画「VISION2020」の実現に向けた取り組みを進めています。

住友ゴム工業は、イギリスのゴム・タイヤメーカー、ダンロップの日本工場として1909年に設立。創業当時は自転車用タイヤ・チューブをはじめ、人力車用タイヤを生産。1913年に、国産第1号となる自動車用タイヤを生産しました。

1917年に日本法人化。1930年代にはゴルフボールや硬式テニスボール、モーターサイクルタイヤの製造などを開始します。

1960年に住友グループが資本参加。1963年に正式に住友グループ傘下の子会社となり、現在の社名に変更しました。1966年、日本初のラジアルタイヤ(素材となるゴムの繊維がタイヤの中心から放射状に配置され、それをベルトで締め付ける構造のタイヤ)の生産を開始。

1984年にダンロップのイギリス、ドイツ、フランスの6工場とタイヤ技術中央研究所を買収。合わせて、1986年にはアメリカのダンロップを買収しました。1999年には、アメリカのタイヤメーカー、グッドイヤー(Goodyear)と、北米地域および日本における提携を発表。

2002年、ファルケンブランドで知られるタイヤメーカー、オーツタイヤと日本ダンロップを吸収合併します。同時に、スポーツ部門をSRI(Sumitomo Rubber Industry)スポーツ、産業品事業をSRIハイブリッドとして分社化。タイヤ事業の販売会社として、ダンロップタイヤ、SRIタイヤトレーディング、ファルケンタイヤ、ファルケンタイヤトレーディングなどを設立しました。

2005年、ダンロップタイヤがファルケンタイヤを吸収合併し、ダンロップファルケンタイヤに商号を変更。また、2010年にはダンロップファルケンタイヤ、SRIハイブリッドを統合しました。

2013年、100%石油外天然資源タイヤ「エナセーブ100」を発表。2014年には、50%転がり抵抗(タイヤが回転する際に生じる抵抗のこと)低減タイヤ「エナセーブNEXT」、次世代新工法「NEO-T01」を採用したプレミアムランフラットタイヤ「AZENIS FK453 RUNFLAT」「SP SPORT MAXX 050 NEO」を発表。

2015年、16年にわたって日本、アメリカ、ヨーロッパでの製造・販売で協力関係にあったグッドイヤーとの提携を解消。このことをきっかけに、2015年にはオーストラリアでの販売を開始するなど、海外での事業拡大を加速させています。

年収情報

平均年収669万円自動車業界内の年収順位 619

年収推移

  • 640.6万円

2016年度

  • 652.8万円

2017年度

  • 669.3万円

2018年度

自動車業界の平均年収 618万円
推定生涯賃金 2億1603万円

年齢別年収シミュレーション

  • 417万円

25歳

  • 498万円

30歳

  • 578万円

35歳

  • 652万円

40歳

  • 672万円

45歳

  • 659万円

50歳

平均年齢 40.7歳
平均勤続年数 15.9年

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 756,696百万円

2016年度

  • 877,866百万円

2017年度

  • 894,243百万円

2018年度

単独
  • 431,200百万円

2016年度

  • 461,538百万円

2017年度

  • 515,422百万円

2018年度

経常利益推移

連結
  • 74,581百万円

2013年度

  • 87,968百万円

2014年度

  • 78,894百万円

2015年度

単独
  • 53,193百万円

2016年度

  • 29,032百万円

2017年度

  • 36,314百万円

2018年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結
単独

住友ゴム工業の2015年1~9月の実績は以下のとおりです。

  • 売上高 5,901億円(前年同期比102%)
  • 営業利益 425億円(同87%)

同じく、タイヤ事業のみの実績は以下のとおりです。

  • 売上高 5,059億円(前年同期比101%)
  • 営業利益 409億円(同93%)

事業戦略

事業方針

住友ゴム工業は、2020年までの経営長期ビジョン「VISION2020」を2012年に策定しました。

○数値目標

  • 連結売上高 1.2兆円(うちタイヤ事業1兆円)
  • 営業利益 1,500億円
  • ROE(自己資本利益率、株主の持分である株主資本がどれだけの利益を上げているかを示す指標) 15%以上
  • ROA(総資本利益率) 14%以上
  • D/Eレシオ(企業の資金源泉のうち負債が資本の何倍に当たるかを示す数値) 0.5以下

○主要な施策(タイヤ事業のみ)

  • 新興市場(中国、ロシア、中近東、アフリカ、中南米、インド)での販売拡大
  • タイを中心としたASEAN地域に農機用タイヤでの進出
  • 市場ニーズに合わせた商品開発や、新技術の開発
  • 環境対応商品の拡充

これらの達成に向け、現在は以下の取り組みを行っています。

  • 2015年、トルコに新工場を設立するなど、新興国での能力増強、販売網拡充を進める
  • 2015年に最新の新材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」(アドバンスド4Dナノデザイン)を確立するなど、技術革新を進める
  • 海外自動車メーカーへの納入比率を15%(2015年)から35%(2020年)に拡大

技術動向

住友ゴム工業は、自動車業界で存在感が増す高付加価値製品のさらなる開発と販売拡大に注力しています。

○超高精度の新工法「NEO-T01」(ネオ・ティーゼロワン)採用の新製品投入

「NEO-T01」では、
(1)タイヤ内側の形状をした実寸サイズの金属に各種部材を貼り付けていく「メタルコア工法」、(2)製造工程をコンピュータ制御システムでコントロールすることで、大幅な軽量化を実現する「全自動連結コントロール」、(3)強靭な素材を補強部材に採用した「高剛性構造」
この3つの技術を使うことで、従来工法と比較して高速走行時のユニフォミティ(走行時のタイヤの振れ方や剛性、重量バランスなどの均一性を示す値)70%低減、軽量化、高速走行時の形状変化抑制を実現。2014年、「NEO-T01」によって開発された、パンクして空気が抜けた後も一定距離を所定のスピードで走行できるランフラットタイヤ、ファルケン「AZENIS FK453 RUNFLAT」、ダンロップ「SP SPORT MAXX 050 NEO」を発売した。

○高性能バイオマス材料の開発

2013年、100%石油外天然資源から製造されたタイヤ「エナセーブ100」を発売。さらにバイオマス材料開発を推し進め、2015年には、既存のバイオマス材料を用いた軟化剤入りのタイヤよりも、グリップ力、耐摩耗性と乗り心地の良さを長時間維持できる軟化剤「しなやか成分」入りのゴムを開発。2016年の製品化に向け研究を進めている。

○タイヤの耐摩耗性を2倍に向上する新素材開発技術の確立

ゴムの構造解析を大型放射施設で、ゴムの運動解析を大強度陽子加速器施設で行い、それらから得たデータで詳細なモデルを作成。そのモデルをスーパーコンピュータでシュミレーションすることで、ナノからミクロンのレベルでタイヤの構造や運動を解析する技術「アドバンスド4Dナノデザイン」を確立。これによって、大幅に性能が向上したタイヤの開発が実現した。開発されたタイヤは2016年以降順次市場に投入していく計画。

・「エナセーブPREMIUM」

低燃費性能と、濡れた路面で路面と捉える性能であるウエットグリップ性能を両立させることができる「両末端マルチ変性ポリマー」を使用。従来の製品に比べ、タイヤの回転時に起こる抵抗を抑える性能である転がり抵抗性能が39%低減、燃費性能が6%向上した。

・「WINTER MAX」(ウィンターマックス)

高密度シリカと新開発の軟化剤を配合し実現した、ゴム全体は硬く、接地面だけがやわらかい「ナノフィットゴム」を使用。摩耗に強いため、従来製品に比べて氷上でのブレーキ性能が11%向上、ライフ(寿命)性能が1.5倍に向上した。

・「エナセーブNEXT」

低燃費、耐摩耗性能に優れた高純度天然ゴム、「UPNR」(Ultra Pure Natural Rubber)使用。JATMA(日本自動車タイヤ協会)が定める、転がり抵抗性能と、ウェットグリップ性能を判定する制度で、最高グレード「AAA-a」を獲得。

○新たな天然ゴム資源の実用化検討

2015年、住友ゴム工業は従来のパラゴムノキ由来の天然ゴムに代わる新たな天然ゴム資源として「ロシアタンポポ」に着目。アメリカのバイオ企業Kultevat(カルテヴァット)と共同開発を進め、今後、世界各地のタイヤ製造拠点での安定的・効率的な原材料調達を図る計画。

○「ファルケン」ブランドの再構築

これまで「ダンロップ」の使用権を持たないヨーロッパを中心に販売を強化してきた「ファルケン」ブランド。今後は、日本や中国でも商品ラインナップを拡充、露出を高めることでグローバルで販売拡大を目指す。2020年にはファルケンの世界販売本数を2014年度比2倍に、構成比を2割から3割に引き上げる計画。

グローバル展開

住友ゴム工業は2015年にアメリカの大手タイヤメーカー、グッドイヤーとの提携を解消。このことで事業展開の自由度が増した同社は、海外事業の拡大を加速させています。現在24ある生産・販売拠点における主な展開は以下のとおりです。

○南アフリカ

  • 2013年、南アフリカのタイヤメーカー、アポロ・タイヤ・サウス・アフリカから、レディスミスの工場を買収。2014年に稼働し、2017年までに生産能力を増強する計画。

○タイ

  • 2014年、タイ・ラヨーン県に農業機械用のタイヤ工場を設立。

○インド

  • 現地の販売会社、Falken Tyre India(ファルケンタイヤインディア)の販売店数を、2014年の800から2015年中に1000に拡大。

○ブラジル

  • 2013年、ブラジル・ファゼンダ・リオ・グランデ市で新工場が稼働。
  • 2015年、乗用車タイヤ旗艦店を、ブラジル国内に120カ所、トラックセンターを20カ所設置。

○オーストラリア

  • 2015年、新販売会社Sumitomo Rubber Australiaを設立。2020年までに同国でのタイヤ市場でシェア5%を目指す。

○中国

  • 2015年、中国・常熟市(じょうじゅくし)と湖南市(こなんし)にある2工場の生産能力を増強。
  • 2015年、中国国内でファルケンブランドの販売を開始。ダンロップブランドの市販用タイヤの旗艦店の数を850から1000に拡大。

○トルコ

  • 2015年、トルコ・チャンクル県で、中東や北アフリカ、ロシア、ヨーロッパへの重要な輸出拠点と位置づける新工場が稼働。

会社概要

社名 住友ゴム工業株式会社
設立年 1917年
本社所在地 〒651-0072 兵庫県神戸市中央区脇浜町3-6-9
市場名 東証一部
代表取締役 山本 悟
資本金 42,658百万円

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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拠点一覧

住友ゴム工業の拠点(研究開発・テストセンター含む)

国内拠点一覧
  • 名古屋工場(愛知県豊田市)
  • 白河工場(福島県白河市)
  • 泉大津工場(大阪府泉大津市)
  • 宮崎工場(宮崎県都城市)
  • 加古川工場(兵庫県加古川市)
  • 本社(神戸市中央区)
  • タイヤテストコース(岡山県美作市)(北海道名寄市)(北海道旭川市)
海外拠点一覧
  • P.T.Sumi Rubber Indonesia(インドネシア ジャカルタ)
  • 住友橡膠(常熟)有限公司(中国 江蘇省)
  • 住友橡膠(湖南)有限公司(中国 湖南省)
  • Sumitomo Rubber(Thailand) CO.,Ltd.(タイ ラヨーン県)
  • Sumitomo Rubber Do Brasil Ltda.(ブラジル パラナ州)
  • Sumitomo Rubber South Africa (Pty) Limited(クワズール ナタール州)

関係会社一覧

住友ゴム工業の関係会社一覧

  • ダンロップグッドイヤータイヤ㈱
  • ダンロップスポーツ㈱
  • P.T.Sumi Rubber Indonesia
  • 住友橡膠(常熟)有限公司
  • 住友橡膠(湖南)有限公司
  • 住友橡膠(中国)有限公司
  • Sumitomo Rubber (Thailand) CO.,Ltd.
  • Sumitomo Rubber Do Brasil Ltda.
  • Sumitomo Rubber AKO Lastik Sanayi ve Ticaret A.S.
  • ㈱ダンロップモーターサイクル
  • コーポレーション
  • ㈱ダンロップリトレッドサービス

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