住友理工
住友理工の企業情報
住友理工は愛知県に拠点を置く、防振ゴムやホースなどを製造する自動車部品メーカーであり、自動車用防振ゴムでは世界トップクラスのシェアを誇っています。
また、プリンタなどで用いられるクリーニング用の部材の精密クリーニングブレードなどのIT関連部品や産業資材なども手がけています。2014年、社名をそれまでの東海ゴム工業から住友理工に改称しました。
住友理工の前身となる昭和興業の創業は1929年。蒲田調帯を経て、1937年に住友グループに参入。社名を東海護膜(ごむ)工業(1961年、「護謨」を「ゴム」に変更)に改称しました。
1942年、ゴムホース業種に参入。1954年に防振ゴムの量産を開始します。1961年、社名を東海ゴム工業に改称。1971年に産業用大口径超高圧ホースの製造を開始。1984年に、事務機器(OA機器)用樹脂部品の製造を開始しました。
1988年、初の海外拠点となる現地法人DTRインダストリーズ(DTR Industries, Inc.)をアメリカに設立。続いて1995年にタイに現地法人、東海イースタンラバー(タイ)(Tokai Eastern Rubber (THAILAND) Ltd.、TER)を、中国・天津市に現地法人、東海橡塑(天津)有限公司(TOKAI RUBBER (TIANJIN) CO., Ltd)を設立します。1999年、初のヨーロッパの海外拠点としてポーランドに現地法人、TRI(ポーランド)有限会社(TRI (POLAND) Sp. z o.o、TRP)を設立。
2002年、海外初の開発拠点、TRIテクニカル・センター・アメリカ(TRI Technical Center USA, Inc.)をアメリカ・ミシガン州に開設。また、同年、韓国・金海市(きんかいし)に合弁会社、大興R&T(Daeheung Rubber & Technology Co., Ltd.、DRT)を設立するなど、グローバルでの展開をさらに進めます。
2014年、社名を現在の住友理工に改称。グローバルでの知名度の高い「住友」の名称を採用することで、ブランドイメージの向上を図る考えです。
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
住友理工は2016年3月期第3四半期連結決算(2015年4月~12月)を発表しました。
○全体
- 売上高 3,163億9600万円(前年同期比7.6%増)
- 営業利益 87億円(前年同期比75%増)
○自動車用品
- 売上高 2,749億1700万円(前年同期比9%増)
- 営業利益 77億7700万円(前年同期比5%増)
国内市場では、自動車販売台数が低迷したものの、2014年から量産を開始したFCV(燃料電池自動車)のFCスタック向けゴム製シール部材の販売などもあり、好調に推移しました。海外市場においては、北米で自動車の販売が好調に推移、また、中国で小型車優遇税制により販売が好転しました。
営業利益は、北米での増収効果や子会社、アンビス社における事業構造改善費用を計上したことで大幅増益となりました。
事業戦略
事業方針
住友理化は2011年度から2015年度の5年間の中期経営計画「2015VISION」を発表。2020年代初頭に連結売上高1兆円を目指す方針のもと、この5年間を変革と成長の時期として、以下の施策を定めました。
○数値目標(2015年度)
- 連結売上高 4,200億円(このうち海外売上高2,100億円)
- 営業利益 340億円(営業利益率8%)
- ROE(株主資本純利益率) 10%
- ROA(総資産利益率) 8%
○主要な施策(自動車関連のみ)
・海外での開発体制を強化することで海外メーカーとの取引を拡大
2013年に買収したイタリアの自動車用ホースメーカー、ダイテック社(Dytech)やドイツの自動車用防振ゴムメーカー、アンビス社(Anvis)との協業によって、イタリアの完成車メーカー、フィアット(Fiat)、ドイツのフォルクスワーゲン(Volkswagen)向けの製品開発や販売の強化を目指す。
・海外拠点の拡充によるグローバルでの供給体制の強化
2014年、メキシコやベトナム、中国などで新拠点を開設。
・次世代自動車向けなど新市場・新分野への参入
2014年、トヨタ自動車が発売した世界初の量産型FCV(燃料電池自動車)、「MIRAI(ミライ)」向けに、燃料電池内に使用するシール部材や水素タンクの水素を燃料電池に供給する水素ホースなどを開発。供給を開始した。
注力分野
住友理工は、今後需要の拡大が見込まれるEV(電気自動車)など次世代自動車向けの製品開発を推進するとともに、供給体制の強化に取り組んでいます。
○製品開発
- トヨタ自動車が発売した世界初の量産型FCV(燃料電池自動車)、「ミライ」。2014年、同製品向けに、水素と酸素の化学反応を利用して電気を作る発電装置向けのセルガスケット(燃料電池内で電気を生み出す際に発生する水の流路を確保し、水の排水性を高めるシール部材)や水素ホース(水素タンクの水素を発電装置に供給する)などを開発し、供給すると発表。
- 2015年、軽量で、燃料低透過性の樹脂を使用した燃料ホースモジュール(燃料タンクからガソリンなど燃料を送る部品)を発表。軽量化による燃費の向上や、従来のホースに比べ、環境に負荷となる炭化水素の蒸散を抑える低透過性で、蒸散抑制に対応するとしている。
○供給体制強化
- 2015年、FCV(燃料電池自動車)向けの部材の製造・販売を手掛ける子会社、住理工FCシールを設立。
将来的なFCV(燃料電池自動車)の受注増加に備え、部材を安定的に供給できる体制を整える計画。
グローバル展開
住友理工は現在、海外での自動車の生産拡大に対応するため、現地での供給体制の強化を進めています。近年における取り組みは以下のとおりです。
○中国
- 2014年、中国・天津市の自動車用内装品・制遮音材の製造・販売会社、東海化成(天津)汽車部品有限公司(TCT)で新工場が完成。
同会社は、ウレタンを使用したエンジンカバーなどの制遮音材やヘッドレストなどの内装品を手掛けるメーカー。同工場の稼働によって、従来の日系自動車メーカーに加えて現地完成車メーカーに本格的な供給を開始するとしている。 - 2014年、中国・無錫市(むしゃくし)にある、自動車用防振ゴム製造・販売会社、安維斯(無錫)橡膠减震器有限公司(Anvis Wuxi社、アンビス・ウーシー社)の事務所と工場を新設したと発表した。
アンビス・ウーシー社は、1994年にアンビス社が設立。今回の新設により、中国市場の需要増大に伴う増産を図るとしている。 - 2015年、韓国の自動車用防振ゴムの大手メーカー、大興 R&Tと合弁契約を締結。中国・江蘇省(こうそしょう)に練りゴム製造・販売会社の大興住理工橡塑材料(塩城)有限公司(DSRM)を設立したと発表。
これによって、中国の各生産拠点へ高品質で競争力のある練りゴムを安定供給できる体制を構築し、現地での事業展開をより効果的に進める計画。
○韓国
- 2015年、韓国の持分法適用会社(投資会社が対象会社の資本および損益のうち、持ち株の比率に応じて純資産のみを取り込む方式のこと)大興R&T(DRT)の出資比率を20%から30%に引き上げた。
住友理工はDRTを通じて韓国の自動車メーカー、現代自動車(ヒュンダイ)などに防振ゴムを供給している。
出資比率引き上げによって、DRTとの連携を強化し、グローバルでの韓国自動車メーカーの増産に対応する狙い。
○メキシコ
- 2014年、メキシコ・ケレタロ州にある自動車用防振ゴム製造子会社、TRI Anvis México, S.A.P.I. de C.V.(TRAM)に第 2 工場を建設することを発表。
TRAM は、東海理化が設立した現地子会社と、2013年に子会社化したドイツの自動車用防振ゴムメーカー、アンビス社の現地子会社とが合併し同年発足。
今後もさらなる拡大が見込まれるメキシコ市場での需要増に対応する生産能力の拡充とともに、北中南米を含むアメリカ州全域の自動車市場をターゲットに、高品質の製品を効率的に供給する体制を構築するとしている。
○ポーランド
- 2016年、ポーランド・シロンスク県に自動車用ホース製造・販売の新会社、SumiRiko Automotive Hose Poland Sp. z o. o.(SRK-HP)設立。
2016 年から稼働。2020年度に2400万ユーロの売り上げを見込む。
会社概要
拠点一覧
住友理工の拠点(研究開発・テストセンター含む)
国内拠点一覧 |
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海外拠点一覧 |
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関係会社一覧
住友理工の関係会社一覧
- ㈱TRI九州
- Dytech-Dynamic Fluid Technologies S.p.A.
- 東海橡塑(天津)有限公司
- 東海橡塑(嘉興)有限公司
- 東海橡塑技術中心(中国)有限公司
- 東海橡塑(合肥)有限公司
- 東海橡塑(広州)有限公司
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
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