現代自動車(ヒュンダイ自動車)

現代自動車(ヒュンダイ自動車)の企業情報

現代自動車(Hyundai Motor Company)は、韓国最大手の完成車メーカーです。韓国第2位の自動車メーカーである起亜自動車(Kia Motors Corporation)を傘下に収め、現代自動車グループを形成しています。

現代自動車は1967年に創業しました。1968年にフォード・モーター(Ford Motor Company)と、1973年には三菱自動車と業務提携を締結(三菱自動車とは1982年に本格的な提携関係を結びますが、2002年に解消します)。
1974年に株式上場を果たし、1976年から輸出を開始しました。
1998年に起亜自動車を傘下に入れ、さらに、現代精工(現:現代モービス)の自動車部門を現代自動車に、亜細亜自動車(Asia Motors)を起亜自動車に吸収し、2社体制としました。
2000年には現代財閥から分離して現代自動車グループを形成。また、当時のダイムラー・クライスラー(DaimlerChrysler)と資本提携を結びますが、2004年には解消となりました。
2005~2009年にかけて、アメリカ、トルコ、中国、インドにおける生産能力を増強し、2010年以降はこれらの拠点に加え、ロシアやブラジルに工場を新設。2012年以降は、中国などの一部地域を除いた海外生産拠点の増強を保留にしていましたが、2014年以降、その動きを再開させています。

2013年時点では、現代自動車だけで世界8ヶ国14拠点に生産拠点を有しており、グループ企業も合わせた従業員数は約10万5千人にのぼります。
部品については主にグループ傘下の企業から調達していますが、中国やインドではコスト削減のため、現地メーカーから調達するケースも増えています。ただし、安定した調達を行うため、主要部品を扱うグループ企業を海外拠点の近辺に呼び寄せて調達するという体制を採っています。

また、現代自動車は基本的に技術面を補完するための事業提携を結ばない考えを示しており、本国韓国の自動車部品サプライヤーや電子系サプライヤーを多く利用しています。ただし、市場参入に規制のある中国やトルコなどでは合弁を結んでいる場合もあります。

現在は、次世代環境車の開発・市場投入、新型パワートレインの開発・搭載などによる燃費性能の向上に注力しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 8,774,913百万円

2016年度

  • 9,570,145百万円

2017年度

  • 9,710,305百万円

2018年度

単独
  • 433,041百万円

2014年度

  • 475,949百万円

2015年度

  • 390,856百万円

2016年度

経常利益推移

連結
  • 684,672百万円

2016年度

  • 440,748百万円

2017年度

  • 253,717百万円

2018年度

単独
  • 614,387百万円

2014年度

  • 715,434百万円

2015年度

  • 463,181百万円

2016年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結

2013年における売上高は、中国をはじめとする新興国市場での売上増、地域戦略車の拡充、マーケティング強化などが寄与し、前年比2兆8,379億1,500万ウォン増の87兆3,076億3,600万ウォンとなりました。
また、営業利益は8兆3,154億9,700万ウォン(前年比1,214億5千万ウォン減)、
税引前利益は11兆6,967億6百万ウォン(前年比10兆5,361億9,300万ウォン増)、
純利益は8兆5,418億3,400万ウォン(前年比199億9,100万ウォン減)
となりました。

事業戦略

事業方針

現代自動車は2010年頃まで量的成長に重きを置いていましたが、2012年以降は「質的成長」をスローガンに掲げた経営を推進しています。また、2014年から、世界各国の生産拠点を増強する動きも再加速しています。
「質的成長」の柱として、下記が推進されています。

  • 自主技術力の確保
  • 生産性の効率化
  • コスト削減
  • 収益性の改善(新技術導入による高付加価値製品の拡大など)

技術力確保に向け、2014年にはグループ史上最高額となる14兆9千億ウォンを投資し、そのうち約半分を研究開発向けに当てました。
2015年に発表した投資計画では、2018年までにグループ全体で約80兆7千ウォンを投資する方針を明らかにしています。このうち、68兆9千億ウォン(投資額の85%以上)を自動車部門に投入し、中国やメキシコといった成長市場で工場を新設するなど、現地での自動車生産能力を拡大するほか、パワートレインの研究開発を推進することで世界的な燃費規制に対応する考えです。
また、2018年までに、自動走行やIT技術の向上を目指したスマートカーの開発に2兆円を投資する方針で、下記の次世代環境車の開発にも11億3千ウォンを投資する予定です。

  • プラグインハイブリッド車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)
  • ハイブリッド車(HV:Hybrid Vehicle)
  • 電気自動車(EV:Electric Vehicle)
  • 水素燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)

世界の主要な市場における現地専用車の投入は2011年頃に完了していますが、現地でのシェアをより拡大させるため、ハッチバック、ワゴン、クーペといった派生車の展開も推進しています。
コンパクトSUV(Sport Utility Vehicle,スポーツ用多目的車)の世界的な需要増に対しては、インド、韓国、ブラジルなどに投入する方針です。
輸入車との競争が激化している本国韓国においては、国内専用ラグジュアリーセダンを投入することでイメージの高級化を図り、シェアを拡大させる考えを示しています。

製品の販売に関しては製品を全面更新したほか、2014年以降、ハイブリッド、ディーゼルエンジン、プラグインハイブリッドの各仕様を追加することで、販売を拡大させる考えです。

注力分野

現代自動車は「次世代環境車」「新型パワートレイン」に注力しています。

○次世代環境車

世界的な燃費規制や二酸化炭素排出量規制、韓国国内での企業平均燃費規制(CAFE:Corporate Average Fuel Efficiency)への対応策として、以下のような環境対応車の開発・市場投入を拡大しています。

  • ガソリンハイブリッド車(GE-HEV)
  • プラグインハイブリッド車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)
  • 電気自動車(EV:Electric Vehicle)
  • 水素燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)

○新型パワートレイン

ガソリンとディーゼルエンジンを組み合わせた、ガソリン直噴圧縮点火(GDCI:Gasoline Direct Compressor Injection)エンジンの開発を進めています。また、LPガスエンジンの直噴ターボ化(T-LPDI)など、一部地域の需要にも対応することで、燃費性能の向上を訴求していく方針です。

技術動向

現代自動車は、自国韓国のほかにアメリカやドイツ、日本などに研究開発拠点を有しています。
現在は韓国の南陽総合技術研究所で開発した製品を、海外現地の需要に合わせて変更する程度ですが、現地の需要に応えるべく、新興国(特にインドや中国)では研究開発拠点の強化を推進しています。

下記は、現代自動車の研究開発活動の一例です。

・新型直噴ターボガソリン(T-GDI)エンジンを公開

従来の1.0リッターMPIに直噴システムと小型シングルスクロールターボチャージャーを組み合わせた「1.0リッターKappa T-GDI」と、従来の1.4リッターGamma MPIをベースに開発された「1.4リッターGamma T-GDI」を、パリ・モーターショーで公開。

・新型ガソリンエンジン(GDCI:Gasoline Direct Compressor Injection)を開発中

アメリカの自動車部品メーカーであるデルファイ・コーポレーション(Delphi Corporation)と共同で、ガソリン直噴圧縮点火(GDCI:Gasoline Direct Compressor Injection)エンジンを開発中。新型ソナタ(Sonata)で試験を実施。

・LPガス直噴ターボエンジン(T-LPDI)を公開

2014国際環境技術グリーンエネルギー展(ENVEX2014)で、世界で初めて1.4リッターLPGターボ直噴エンジン(T-LPDI)を公開。従来のLPGエンジンに比べ、燃費が10%向上し、排ガスが低減。

・7速DCTを搭載

アメリカで展開したソナタのダウンサイジングモデルに7速DCTを搭載。従来の6速AT車と比較し、燃費を約10%改善。

・FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)コンセプトカーを公開

ジュネーブ・モーターショーで、36kW次世代リチウムイオン電池を搭載した水素燃料電池車(FCEV)を、世界で初めて公開。

・「OAA(Open Automotive Alliance)」の立ち上げに参加

グーグル(Google)、半導体メーカーのエヌディビア(NDIVIA)、ホンダ、アウディ(Audi)、ゼネラル・モーターズ(GM:General
Motors)と提携し、OAAの立ち上げに参加。OAAは、アンドロイドOSの自動車への搭載を促進するアライアンス。

・軽量化アラミドバンパービームが韓国新技術認証に認定

韓化(ハンファ)先端素材と共同で開発した、鉄板と比較して50%程度軽量化した自動車用アラミドバンパービームが韓国新技術認証(NET)に認定。

グローバル展開

現代自動車は2010年頃まで海外生産拠点の規模拡大を行っており、2012年頃からは生産効率化などに重点を置くなど、一部地域を除いて生産拠点の増強を保留としていましたが、2014年以降は再加速させる方針です。

また、2012年のブラジル新工場の稼働に伴い、世界の主要な市場における生産ネットワークを確立しました(2013年時点では8ヶ国13拠点)。

○新興国をはじめとした海外における取り組み

■中国での取り組み
  • 2014年、中国における第4、第5工場の新設計画を発表。計画通りに進めば、2018年には現代自動車と起亜自動車(Kia Motors Corporation)を合わせた中国での生産能力が270万台規模になる見通し。
■インドでの取り組み
  • 2014年、インドの自動車市場の回復への対応と、トルコ工場のヨーロッパ戦略拠点化を目的とし、インド工場で行っていたヨーロッパ向けコンパクトカーi10と、サブコンパクトカーのi20の生産をトルコ工場に移管。
■ブラジルでの取り組み
  • 2014年、人気が上昇したブラジル市場戦略車、HB20の供給不足を受け、ブラジル工場における年間生産台数を増強、ディーラー数を拡大。将来的に年間生産能力を30万台規模に拡大することも検討。
■トルコでの取り組み
  • 2013年、イズミット工場を拡張し、ヨーロッパ向けコンパクトカーi10の新型モデルの生産を開始。6億7,700万ドルを投資し、生産能力を10万台から20万台に拡大。
  • 2014年、イズミット工場で、ヨーロッパ向けサブコンパクトカーi20の新型モデルの生産を開始。搭載されるエンジンはすべて、2015年9月から本格実施されたEUの排出ガス規制「ユーロ6」の基準をクリア。

会社概要

社名 現代自動車ジャパン株式会社
設立年 2000年1月7日
本社所在地 〒107-0052 東京都港区赤坂一丁目11-30赤坂一丁目センタービル12F
代表取締役 Won-Hee Lee
資本金 100百万円

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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