上海汽車工業集団
上海汽車工業集団の企業情報
上海汽車工業(集団)総公司(上海汽車、SAICモーター)は、第一汽車、東風汽車と並ぶ中国3大自動車グループの一つです。フォルクスワーゲン(Volkswagen)やゼネラルモーターズ(General Motors、GM)との合弁会社を設立するなど、海外企業との合弁に注力しています。現在は、他企業との提携を通じたパワートレインの開発や新エネルギー車事業の強化などを進めています。
上海汽車の前身は、1958年に上海市内燃機配件(しゃんはいしないねんきはいけん)と上海市動力設備製造(しゃんはいしどうりょくせつびせいぞう)が合併して設立された上海市動力機械製造(しゃんはいしどうりょくきかいせいぞう)。同年、傘下の上海汽車装修が上海市初の乗用車「鳳凰」(フンホウアン)ブランド車の試作に成功しました。1975年には年間5000台の生産能力を整備。
1980年代以降は海外メーカーとの提携を進め、1985年に中国で初の合弁会社であり、フォルクスワーゲンとの合弁でVW上海を、1997年にはアメリカの自動車メーカー、GMとの合弁で上海GMを設立しました。2002年にGM、五菱汽車(ウーリンきしゃ)との3社合弁で上汽GM五菱を設立。五菱ブランド車を生産し、中国最大の乗貨両用車 (軽自動車のワンボックスタイプ)メーカーとなりました。さらに、GM、上海GMと共同で2つの完成車メーカーを買収し、上海GM東岳(とうがく)、上海GM北盛(ほくせい)に再編。
その一方で自社ブランドも展開。2006年に、イギリス・ローバー(Rover)の技術をベースにした乗用車「栄威」(ロエベ)を投入し、2007年にはMGローバーの資産を持つ南京汽車を子会社化しました。
また、海外事業においては、タイやエジプトなどの現地企業とともに合弁の生産拠点の設立を進めています。
○主なグループ企業
・栄威
中国向け高級車ブランド。2006年に最初のモデルとして旧MGローバー「75」をベースにした「750」を発表した。
・上海GM
GMとの合弁会社。2015年、インドネシアに共同で生産工場を設立することを発表。2017年から低価格車を生産する計画。
・上汽GM五菱汽車
上海汽車が50.1%、GMが34%、五菱汽車が15.9%出資する合弁会社。2017年から稼働する上海GMのインドネシア工場で、五菱ブランド車を組み立てる計画。
・上海フォルクスワーゲン(上海VW)
フォルクスワーゲンとの合弁会社。タクシーとして利用される「サンタナ」をはじめ、「ポロ」「パサート」などを生産している。
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
上海汽車集団の2014年の実績は以下のとおりです。
- 売上高 6300億元(前年比11.35%増)
- 純利益 279.7億元(前年比12.78%増)
- 自動車販売台数 562万台(前年比10.1%増)
メーカー別では、合弁企業の上海GMは173万台(同11.74%増)、上海VWは173万台(13.11%増)。ミニバン部門も180万台(同10%増)と好調に推移しました。一方、自社ブランドの乗用車「栄威」の販売台数はの18万台(前年比21.7%減)と不調でした。
2015年の販売目標はグループ全体で620万台(前年比10%増)、自主ブランド乗用車の販売目標を50万台としています。
また、2015年1~9月期の実績は以下のとおりです。
- 売上高 4761億元(前年同期比1.0%増)
- 純利益 213億元(同4.2%増)
- 自動車販売台数 413万台(1.4%減)
事業戦略
事業方針
上海汽車は、グループ全体として、「十二・五」期間(5年の期間で達成すべき目標とその手法について、中国が定めている長期的な計画のこと)に年間生産台数600万台体制を構築する計画を発表しました。
この計画に向け、2014年下半期以降、以下の事業強化に取り組んでいます。
- 合弁企業による新たな海外市場の開拓および新エネルギー車事業の強化。
- 自主ブランド車の生産・販売拡大の推進および完成車・パワートレインの開発。
- 自主ブランド商用車のラインナップ強化。
- 生産拡大に向け、主要サプライヤーなどからの部品調達力を高めると同時に技術導入も進める。
- 海外の重点拠点での合弁会社設立を推進する。
また、2015年、2020年までに200億元を超える投資を行い、新エネルギー車事業を推進する計画を発表しました。
合わせて、私募増資によって150億元を調達すると発表。新エネルギー車・省エネルギー車の研究開発をはじめ、燃料電池車(Fuel Cell Vehicle、FCV)や自動運転車など次世代自動車のプロジェクトを進める計画です。
注力分野
上海汽車は、2015年、「NetBlue(藍芯)」と「NetGreen(緑芯)」という2大技術ブランドを立ち上げると発表しました。「NetBlue」はこれまでのパワートレイン技術、「NetGreen」は新エネルギー技術をラインナップしていくというものです。これによって、2020年までに年間生産分の乗用車の平均燃費を5.0L/100kmに向上する計画です。
その他の取り組みは以下のとおりです。
○パワートレイン開発
- 2014年のモーターショーで、GMとの共同開発によるSGEシリーズエンジンと、自主開発したMGEシリーズエンジンの2種類を採用した次世代パワートレインシステム「CUBE-TECH」を発表。同システムを通して、2015~2020年の5年間で、栄威・MGブランドモデルの動力性能と燃費を20%向上、CO2排出量を20%削減する計画。
○新エネルギー車の開発
- 2014年に「栄射950」のプラグイン式燃料電池車を発表。2015年に量産開始予定。
- 2015年までに、国内の新エネルギー車市場における上海汽車のモデルの販売台数シェア20%を目指す。このため、今後MGブランドの新エネルギー車も投入予定で、将来的には、栄威、MGのすべてのモデルで、HEVシステム搭載のモデルを開発する計画。
- 2014年、上海汽車はフォルクスワーゲンとともに燃料電池の共同開発について提携することを発表。PHEVの製品化に向けた準備を加速するとした。
- 2015年までに80台の燃料電池を市場投入する計画。
- 2020年までに新エネルギー車の通年販売を60万台に拡大。そのうち20万代は自社ブランド製品とする。
○EV車の充電施設増強
- 2015年、充電システム・施設ネットワークの投資と建設、充電およびリースの管理、新エネ車の販売などの事業を展開する上汽安悦充電科技有限公司(じょうきあんえつじゅうでんかぎ)を設立。2020年までに自社および他社メーカーのEV車に対応する充電ポールを、全国で5万基設置する計画。
技術動向
2014年に、それまでの新エネルギー・技術管理部をベースに先進技術研究部を設置。燃料電池や、通信やGPS機能を備えた端末などを搭載するテレマティクス事業を進める次世代車の開発と普及の強化が目的です。
テレマティクス事業の強化に向け、2014年に中国IT業界大手のAlibaba(アリババ)との戦略的提携を締結。同社のOSであるYunOS、ビッグデータ、位置情報サービスなどの提供を受ける計画です。
グローバル展開
上海汽車は2015年の海外販売目標を80万台に設定。中でもタイへの進出を積極的に行っています。各拠点における取り組みは以下のとおりです。
○タイ
- 2014年、チャロン・ポカパングループとの合弁会社、上汽正大(しゃんきせいだい)で生産第1弾モデルである「MG6」の販売をスタート。
- 2015年以降、MGブランドのSUVを含む2モデルを市場投入。生産台数を年間5万台に引き上げるとともに、2016年末までにタイでの市場シェアを10%に引き上げる計画。
- 2018年にチョンブリ県で第2工場を稼働予定。
- 将来的に、タイの工場をマレーシア、シンガポール、インドネシアなどへの車両の輸出拠点とする計画。
○アメリカ
- 2014年、サンフランシスコのシリコンバレーに投資会社の設立を発表。
○アフリカ
- 2014年、「宝駿630」がシボレーブランドとしてアルジェリア向けに輸出された。今後はインドやエジプトにも輸出される見通し。
会社概要
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
- イリノイ・ツール・ワークス
- インフィニオンテクノロジーズ
- ヴァレオ
- 濰柴動力股份
- エバースペッシャー
- MRF
- マザーソン・スミ・システムズ
- オートリブ
- クーパー・スタンダード・ホールディングス
- クーパー・タイヤ・アンド・ラバー
- クノールブレムゼ
- クムホタイヤ
- グルーポアントリン
- ラインメタル・オートモーティブ
- コンチネンタル・オートモーティブ
- CIEオートモーティブ
- GKN
- シェフラー
- ジョンソンコントロールズ
- ジョンソン・マッセイ
- ZF/ZF TRW
- ソルベイ
- 星字(ソンウ)ハイテック
- デーナ
- TIオートモーティブ
- TEコネクティビティ(タイコエレクトロニクスジャパン)
- テネコ
- ドラクスルマイヤー
- イートン
- SKF
- ハネウェル
- IAC
- ネクスティア・オートモーティブ
- ネマク
- ハリタ・シーティング・システムズ
- ビステオン
- 現代WIA(ヒュンダイダブリュアイエー)
- 現代モービス(ヒュンダイモービス)
- ピレリ
- プラスチックオムニウム
- フレックスエヌゲート
- ブローゼ
- 北京海納川
- ベバスト
- ヘラー
- ベントラー
- ボエスト・アルパイン
- ボッシュ
- ボルグワーナー
- マーティンレア・インターナショナル
- マーレベーアジャパン
- マグナインターナショナル
- マニエッティ・マレリ
- マン・ウント・フンメル
- メリトール
- ランクセス
- レオニ
日系自動車部品メーカー情報
- アーレスティ
- IHI
- 愛三工業
- IJTテクノロジー
- アイシン・エィ・ダブリュ
- アイシン精機
- アイシン高丘
- 愛知機械工業
- 愛知製鋼
- 曙ブレーキ工業
- アドヴィックス
- アルプスアルパイン(株)
- イーグル工業
- 市光工業
- イノアック
- 今仙電機製作所
- AGC
- エイチワン
- エクセディ
- NOK
- NTN
- エフ・シー・シー
- オムロン
- 河西工業
- ダイセル
- カルソニックカンセイ
- 関西ペイント
- 鬼怒川ゴム工業
- キャタラー
- クラリオン
- ケーヒン
- KYB(カヤバ工業)
- 小糸製作所
- 小島プレス工業
- 三桜工業
- サンデン
- GSユアサ
- ジーテクト
- JVCケンウッド
- ジェイテクト
- ジヤトコ
- ショーワ
- シロキ工業
- スタンレー電気
- 住友ゴム工業
- 住友電気工業
- 住友理工
- セントラル硝子
- 大同特殊鋼
- 大同メタル工業
- 太平洋工業
- 大豊工業
- タチエス
- 中央精機
- 中央発條
- 椿本チエイン
- TPR
- テイ・エステック
- ティラド
- デンソー
- デンソーテン
- TOYO TIRE
- 東海理化
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- 豊田自動織機
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- 西川ゴム工業
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- 日清紡ホールディングス
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- 日本精工
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- 日本特殊陶業
- 日本発条(NHKニッパツ)
- 日本プラスト
- 日本ペイントホールディングス
- パイオニア
- ハイレックスコーポレーション
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- 富士機工
- 不二越
- フタバ産業
- ブリヂストン
- 古河電気工業
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- マルヤス工業
- 三井金属鉱業
- ミツバ
- 三菱電機
- 武蔵精密工業
- 村田製作所
- 矢崎総業
- 八千代工業
- ユーシン
- ユタカ技研
- ユニプレス
- 横浜ゴム
- ヨロズ
- リョービ