ゼネラル・モーターズ
ゼネラル・モーターズの企業情報
ゼネラル・モーターズ(GM:General Motors Company)は、フォード(Ford)、クライスラー(Chrysler)とともにアメリカの「ビッグスリー」に数えられる自動車メーカーです。事業体制は自動車事業と金融・保険事業を展開していますが、売上高の95%以上は自動車事業による収入で賄われています。
ゼネラル・モーターズは1908年に創業し、以降10年以内にキャデラック(Cadillac)やシボレー(Chevrolet)を買収。
1920年代頃から海外生産拠点の設置を加速させ、1931年にはフォードを上回り世界自動車販売台数で首位となりました。アメリカの好景気などが影響し、1995年には過去最高益となる68億8千万ドルを計上。この頃、いすゞやスズキといった日本企業との提携を強めました。
2000年代に入ってから北米事業の業績が悪化、2005年には13年ぶりに最終利益が赤字となり、2009年にはアメリカ事業を対象にChapter11(連邦倒産法第11章)を申請するも、アメリカ政府の支援を受け、2010年には再上場を果たしました。
現在は世界396拠点に20万人を超える従業員を擁し、120ヶ国以上で自動車の販売を実施。ホールデン(Holden)、韓国GM(GM Korea)、オペル(Opel)、ボクスホール(Vauxhall)などの自動車メーカーをグループの傘下に収めています。
また、スズキ、いすゞ、ホンダ、日産、ルノー(Renault)、PSAプジョーシトロエン(PSA Peugeot Citroen)、フィアット(Fiat)、ガズ(GAZ)、アフトワズ(AvtoVAZ)、上汽集団、中国一汽などと業務提携関係にあります。
なお、現在は特にテレマティクスサービス(情報通信サービス)や安全運転支援システムの開発と搭載モデルの販売、低燃費パワートレインの開発・改良などに注力しています。
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
2013年における売上高は1,554億2,700万ドルで、前年比31億7,100万ドル増となっています。
また、営業利益は51億3,100万ドルで前年比252億3,200万ドル減、純利益は53億3,100万ドルで前年比8億5百万ドル減となりました。
部門別の売上高は、
- 自動車部門が1,520億9,200万ドルで前年比17億9,700万ドル増
- 金融部門が33億3,500万ドルで前年比13億7,400万ドル増
となりました。
ゼネラル・モーターズは2020年の初め頃までに、9~10%まで利益率を引き上げることを目指しています。
事業戦略
事業方針
ゼネラル・モーターズは2016年までに黒字化し、2020年代初めまでに世界全体での連結の利益率を9~10%に引き上げる方針です。具体的には、北米での利益率10%への引き上げ、中国での利益率9~10%の維持、不振が続くヨーロッパでの黒字化などを目標としています。販売増が見込まれる新興国においては、高級車に力を入れる方針です。
最大の収益源である北米では、4、5年の周期で新型車を投入することにより新製品の比率を高め、安全運転支援システムや情報通信サービスといった機能の充実、低燃費パワートレインの搭載などによって製品価値を向上させ、販売拡大を図る方針です。
生産コストを抑えるための施策としては、韓国やオーストラリア、ヨーロッパ諸国でのリストラを推進しています。
本国アメリカでは生産車種を増やす計画です。ゼネラル・モーターズが注力しているキャデラック(Cadillac)事業に関しては、メキシコ工場をスプリングヒルに移管させ、3.5億ドルを投資してミドルクラスの2モデルを生産する考えを示しました。2014年にはすでに、シボレー(Chevrolet)とGMCの新型の生産が開始されています。
また、製品力の強化や調達コストの削減を目的に、サプライヤーの実力を評価する「Strategic Supplier Engagement」というプログラムを開始し、関係性の強化を図っています。
さらに、パワートレイン関連で提携を結んでいるいすゞとの合弁工場DMAXで、新型エンジンの生産を開始する計画です。いすゞとは次世代ピックアップトラックの共同開発を実施することでも合意しています。
注力分野
ゼネラル・モーターズは「テレマティクスサービス(情報通信サービス)」「安全運転支援システム」「低燃費パワートレイン」に注力しています。
○テレマティクスサービス(情報通信サービス)
AACN(自動衝突通報システム)や4GLTEの高速無線通信( 車両がWi-Fiのホットスポットになる)の搭載など、「オンスター」というテレマティクスサービスの充実を図っています。
オンスターとは、ゼネラル・モーターズが提供するテレマティクスサービスのことです。ナビゲーションシステムをはじめ、AACNのような事故時の警察や消防への自動連絡、車両が盗難された場合の位置情報の提供、遠隔操作でのエンジン停止などの機能がサービスに含まれます。
○安全運転支援システム
ACC(アダプティブクルーズコントロール)や車線変更支援システム、自動パーキングアシストシステムといった安全運転支援システムを集約することで、将来的に半自動運転、全自動運転の実用化を目指しています。
取り組みとしては、シボレー・EN-V(Electric Networked-Vehicle,ネットワーク化された電動車両)を用いて、全自動化に向けた実証試験プログラムを実施しています。
○低燃費パワートレイン
燃費性や静寂性が高いとされる、小排気量のEcotecエンジンの搭載拡大を推進しており、世界6工場で2017年までに新型の生産開始を計画しています。2017年からアメリカの排ガス規制が厳格になるため、いすゞとの合弁工場DMAXで新しい規制に対応したエンジンの製造を行う方針です。
また、二酸化炭素排出量の削減を目指し、ガソリンの代替となる水素燃料電池やバッテリー式電気自動車の開発・改良も継続的に行っています。
技術動向
ゼネラル・モーターズは本国アメリカのほかに、カナダ、メキシコ、ブラジル、ドイツ、イタリア、ロシア、南アフリカ、韓国、中国、インド、オーストラリアなどに主要な研究開発拠点を設置しています。
開発面におけるコストを抑えるためのアーキテクチャ削減を進めており、「VSS(Vehicle Set Strategy)」という新たなプラットフォームの開発を行っています。将来的に従来のアーキテクチャを廃止し、2025年までにはVSSベースの製品開発に切り替える計画です。
VSSは、以下の4種類が想定されています。
- FWD(Front Wheel Drive,前輪駆動)車のベースとなるVSS-F
- RWD(Rear Wheel Drive,後輪駆動)車のベースとなるVSS-R
- SUV(Sliort Utility Vehicle)のベースとなるVSS-S
- トラックのベースとなるVSS-T
また、車両間での会話が可能となるV2V(車両間)通信技術の開発も推進しており、2017年発売のキャデラックCTS(Cadillac CTS)に初搭載する予定です。
ほかにも、半自動運転システムである「スーパークルーズ(Super Cruise)」を2017年発売の新型キャデラックに搭載する考えを示しています。
スーパークルーズとは、高速道路を走行する際のスピードの自動制御や、走行レーンの識別により自動走行を行う半自動運転システムです。
グローバル展開
ゼネラル・モーターズは中国での利益率9~10%の維持を目指しています。2018年までに180億ドルを投資して完成車の生産能力を年間で約540万台に引き上げ、60車種を全面(部分)改良したモデルを投入し、ラインナップを増やす計画です。なおオペル(Opel)の販売を中止しており、今後はキャデラック(Cadillac)とビュイック(Buick)を中心に販売していく方針を示しています。
赤字が続いているヨーロッパにおいては、製品開発への投資による競争力の強化と、リストラ策などによって、2016年までの黒字化を目指しています。
韓国ではシボレー(Chevrolet)のヨーロッパ向け輸出が減少しており、約15万台の余剰能力が発生するとされているため、リストラや生産移管を行うなど、2016年までに生産能力の2割を削減する方針です。
また、2018年までに73億ドルを投資し、小型車の開発拠点である韓国のエンジニアリングセンター、デザインスタジオ、完成車工場をリニューアルする計画を示しました。
2013年に新自動車産業政策が施行されたブラジルでは、2018年までに29億ドルを投じ、新製品と新技術の開発を実施する予定となっています。
会社概要
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
- イリノイ・ツール・ワークス
- インフィニオンテクノロジーズ
- ヴァレオ
- 濰柴動力股份
- エドシャ
- エバースペッシャー
- MRF
- オートリブ
- クーパー・スタンダード・ホールディングス
- クーパー・タイヤ・アンド・ラバー
- クノールブレムゼ
- クムホタイヤ
- グルーポアントリン
- ラインメタル・オートモーティブ
- ゲトラグ
- コンチネンタル・オートモーティブ
- CIEオートモーティブ
- GKN
- シェフラー
- ジョンソンコントロールズ
- ジョンソン・マッセイ
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- ソルベイ
- 星字(ソンウ)ハイテック
- デーナ
- TIオートモーティブ
- TEコネクティビティ(タイコエレクトロニクスジャパン)
- テネコ
- ドラクスルマイヤー
- IAC
- イートン
- SKF
- デルファイ・オートモーティブ
- ネクスティア・オートモーティブ
- ネマク
- ハネウェル
- ハリタ・シーティング・システムズ
- ビステオン
- 現代WIA(ヒュンダイダブリュアイエー)
- 現代モービス(ヒュンダイモービス)
- ピレリ
- フェデラル・モーグル
- プラスチックオムニウム
- フレックスエヌゲート
- ブローゼ
- 北京海納川
- ベバスト
- ヘラー
- ベントラー
- ボエスト・アルパイン
- ボッシュ
- ボルグワーナー
- マーティンレア・インターナショナル
- マーレベーアジャパン
- マグナインターナショナル
- マザーソン・スミ・システムズ
- マニエッティ・マレリ
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- ランクセス
- リナマー
- レオニ
日系自動車部品メーカー情報
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- 横浜ゴム
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- リョービ