日清紡ホールディングス
日清紡ホールディングスの企業情報
日清紡ホールディングスは、エレクトロニクス、ブレーキ、精密機器、化学品、繊維、不動産、その他の7つの事業を展開している日系メーカーです。
自動車関連ではブレーキ製品やエンジンパーツなどを扱っており、自動車ブレーキ摩擦材に関しては世界第1位のシェアを持っています。
1907年に高級綿糸の大量生産を行う会社として創業した日清紡績が、現在の日清紡ホールディングスの前身です。
1940年代から1960年代にかけて、ブレーキ、紙製品、化学品などの非繊維部門の業容が拡大しました。
1960年代後半から1980年代にかけてブレーキ事業が急速に拡大。
また、精密機器事業や化学品事業などの非繊維部門では、新工場の設置や設備増強などの投資を実施しました。
1990年代に入ると、海外展開を活発化させました。
1995年、Nisshinbo Automotive Corporationをアメリカに設立。
1996年、Nisshinbo Somboon Automotive Co., Ltd.をタイに設立。
1999年、Saeron Automotive Corporationを韓国に設立。
同年、Continental Teves AG & Co, oHGとの合弁でコンティネンタル・テーベスを設立しました。
2000年代以降は生産拠点の海外シフトを加速させた一方、エレクトロニクス事業をコア事業にすべく、2006年には日本国内の新日本無線を子会社化。
2009年、社名を日清紡ホールディングスに変更し、繊維、ブレーキ、紙製品、精密機器、化学品の5事業を分社化。
2011年、連結子会社の日清紡ブレーキが韓国のSAERON AUTOMOTIVE CORPORATIONとの合弁で、日清紡賽龍(常熟)汽車部件有限公司(Nisshinbo Saeron Automotive Changshu Corp.)を設立。
同年、当時世界第2位のブレーキ摩擦材メーカーだったルクセンブルクのTMD Friction Group S.A.を買収し、完全子会社化しました。
2016年3月末時点では、子会社129社、関連会社19社でグループを構成しており、23,055人の従業員を抱えています。
現在は、アジア地域での生産能力の増強や、ブレーキ事業における開発力向上・積極投資などに注力しています。
年収情報
平均年収762万円 / 自動車業界内の年収順位 3/58位
年収推移
自動車業界の平均年収 | 618万円 |
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推定生涯賃金 | 2億4486万円 |
年齢別年収シミュレーション
平均年齢 | 45.5歳 |
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平均勤続年数 | 21.9年 |
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
従業員数推移
2015年度における売上高は、5,339億8,900万円で前年度比2.0%増となりました。
また、経常利益は170億3,400万円で前年度比17.5%減、当期純利益は107億7,500万円で前年度比21.3%減となりました。
セグメント別の売上高は、
- エレクトロニクスが2,053億6,700万円で前年度比1.8%減
- ブレーキが1,650億3,700万円で前年度比1.9%増
- 精密機器が295億2,500万円で前年度比3.2%増
- 化学品が82億8,500万円で前年度比1.8%増
- 繊維が575億300万円で前年度比19.4%増
- 紙製品が325億8,400万円で前年度比9.6%減
- 不動産が83億5,700万円で前年度比9.6%減
- その他が273億2,700万円で前年とほぼ同額
となりました。
日清紡ホールディングスは現在、2017年度に売上高を6,000億円に、ROE(自己資本利益率)を9%に引き上げることを目指しています。
また、長期経営戦略目標として、2025年度に売上高1兆円、ROE12%超の達成を掲げています。
事業戦略
事業方針
日清紡ホールディングスは現在、「車載・機器」「無線・エレクトロニクス」「生活・素材」「新エネルギー・スマート社会」の4領域を中心に事業強化を実施する方針です。
中長期的な経営目標として、2017年度に売上高6,000億円、ROE(自己資本利益率)9%の達成を目指しています。
また、長期経営戦略目標としては、2025年度に下記の達成を掲げています。
- 売上高1兆円
- ROE12%超
日清紡ホールディングスのM&Aや他社との提携に関する動向は以下のとおりです。
- 2013年11月、ドイツのContinental AGの子会社、Continental Automotive Holding Co., Ltd.との合弁で、中国の江蘇省に日清紡大陸精密機械(揚州)有限公司を設立すると発表。
同合弁会社では、電子制御ブレーキシステムの部品であるバルブロックを製造・販売する。資本金は約3,200万円で、日清紡ホールディングスの出資比率は70.0%。 - ・2014年11月、電気二重層キャパシター事業からの撤退を発表。これに伴い、同事業の製造設備や販売権を、自動車用ピストンリングなどを手がけるTPRの子会社、TOCキャパシタに譲渡する。
この撤退により、日清紡ホールディングスは炭素複合素材技術を用いた新たな大容量デバイスの開発に資源を投入する方針。
なお、同事業に関する特許などの知的財産権については、引き続き日清紡ホールディングスが保有する。 - 2015年10月、自動車関連事業の拡大を目的に南部化成を買収すると発表。買収額は非公開。これにより日清紡ホールディングスはグローバル拠点の相互活用のほか、コスト削減などの効果を見込む。
南部化成は自動車用ワイヤーハーネスやヘッドランプなどのプラスチック製品を扱っていた会社で、国内5ヶ所、海外5ヶ所に生産拠点を有していた。
注力分野
日清紡ホールディングスは長期経営戦略目標として、2020年度の売上高を1兆円、ROE(自己資本利益率)を9%超と設定。
これらを達成するために、日清紡ホールディングスは収益力の改善やグローバル競争力の強化に注力しています。
ブレーキ事業に関しては、開発力の向上と積極的な投資により、世界トップメーカーの地位を強化する考えです。
地域別ではアジアに注力しており、特に中国とタイ拠点を活用した生産能力の増強を図っています。
また、戦略的事業領域の1つに定められている「車載・機器」については、将来的に売上高1,000億円の達成を目指しています。
技術動向
日清紡ホールディングスは「環境・エネルギー」を重点課題とし、各事業領域において下記のような研究開発に取り組んでいます。
○エレクトロニクス
交通の安全と高度化への貢献をキーワードに、ミリ波レーダやETC2.0車載器、車車間/路車間通信機などの自動車関連製品の開発などを推進。
○ブレーキ
摩擦材については、銅規制などに対応した環境負荷物質低減材質の開発、海外子会社への開発支援体制の強化・連携などを推進。
また、ブレーキアッセンブリーに関しては、海外子会社に対する開発支援体制の強化、海外技術提携先との協業の推進を実施しているほか、部品の標準化や開発の効率化による低コスト化を図っている。
○精密機器
プラスチック製品事業では、成形・金型技術を活用した自動車部品の開発を実施。
また、技術の向上や生産設備の改善、原材料の開発による品質向上や低コスト化を推進。
○化学品
カーボンの特長を生かした燃料電池セパレーターの高性能化に関する研究開発を実施。
下記は、日清紡ホールディングスの研究開発活動の一例です。
・バックライト用LEDドライバー「NJW4605」を開発
「NJW4605」はカーナビやリアエンターテインメントモニターなどの車載機器向け小型LCDパネルに使用するドライバーICで、子会社の新日本無線が開発。
3チャンネルの定電流ドライバーと昇圧スイッチングレギュレーターから成り、最大で24個のLEDを駆動できる。
・スイッチングレギュレーターIC「NJW4132」を開発
子会社の新日本無線が開発したもので、カーアクセサリやOA機器、産業機器などの昇圧回路やLED向けの製品。
開発を発表した2014年3月時点で、すでに量産を開始している。
グローバル展開
2016年7月1日時点で、日清紡ホールディングスは日本を含む世界24ヶ国に開発・製造・販売・サービス拠点を有しています。
国外拠点の地域別の内訳は、ヨーロッパ・アフリカが11ヶ国34社、アジアが9ヶ国51社、アメリカが3ヶ国10社です。
○海外における取り組み
■中国での取り組み
- 2012年3月、上海に管理会社の日清紡企業管理(上海)有限公司(Nisshinbo Business Management(Shanghai)Co., Ltd.)を設立。
資本金は200万ドル。
■ブラジルでの取り組み
- 2013年11月、ブラジルでブレーキ摩擦材を生産する子会社、TMDブラジル(TMD Friction do Brazil S.A.)を移転し、生産能力を増強すると発表。
投資額は約64億円。サンパウロ州インダイアトゥーバ市からサウト市に移転し、2020年までに2013年比で売上高を倍増させる計画。
■ドイツでの取り組み
- 2014年10月、TMD Frictionのドイツ拠点を再編し、設備投資を行うと発表。同社のドイツ拠点4ヶ所のうち2ヶ所を集約する。
自動車ブレーキ用摩擦材の銅使用規制への対応を強化することを目的に、生産設備に約74億円を投入。ヨーロッパをはじめとする銅規制対応材の需要増に対応する。
■タイでの取り組み
- 2014年3月、ラヨーン県にあるNisshinbo Somboon Automotive Co., Ltd.の第2工場が生産を開始。同拠点ではファウンデーションブレーキを専門的に生産する。
第2拠点の設置に伴い、第1拠点をライニング・パッドなどの摩擦材専用工場とした。 - 2015年1月、ラヨーン県にあるNisshinbo Commercial Vehicle Brake Ltd.の新工場が竣工したと発表。投資額は約15億円。
同拠点ではトラックなどの商用車用ブレーキを生産し、同時点から3年間で売上高を10億バーツ(約30億円)に引き上げる方針。
部門構成・部門ごとの方針
日清紡ホールディングスは、以下7つのセグメントで事業体制を構成しており、グループ傘下の子会社が各事業を担当しています。
- エレクトロニクス
- ブレーキ
- 精密機器
- 化学品
- 繊維
- 紙製品
- 不動産
- その他
上記のうち、主にエレクトロニクス、精密機器、化学品が自動車関連製品を扱っています。
○エレクトロニクス
子会社の日本無線や新日本無線が、ITSスポット対応車載器、VICS(Vehicle Information and Communication System,道路交通情報通信システム)ビーコン送受信機などを手がける。
○ブレーキ
子会社の日清紡ブレーキやTMD Friction Group S.A.が、自動車ブレーキ用摩擦材、ブレーキアッセンブリーなどの製品を手がける。
○精密機器
子会社の日清紡メカトロニクスやコンチネンタル・オートモーティブなどが、電子制御ブレーキシステム(EBS:Electronic Brake System)や自動車用精密加工部品を手がける。
○化学品
子会社の日清紡ケミカルが燃料電池セパレーターなどを手がける。
会社概要
拠点一覧
日清紡ホールディングスの拠点(研究開発・テストセンター含む)
国内拠点一覧 |
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海外拠点一覧 |
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関係会社一覧
日清紡ホールディングスの関係会社一覧
- 日清紡テキスタイル㈱
- CHOYA㈱
- PT.NIKAWA TEXTILE INDUSTRY
- 日清紡ブレーキ㈱
- TMD FRICTION HOLDING SASU
- TMD FRICTION DO BRASIL
- TMD FRICTION HOLDINGS (UK) LIMITED
- NISSHINBO AUTOMOTIVE MANUFACTURING INC.
- 日清紡ペーパー プロダクツ㈱
- 日清紡メカトロニクス㈱
- 日清紡大陸精密機械(揚州)有限公司
- 日清紡ケミカル㈱
- 日本無線㈱
- 新日本無線㈱
- 長野日本無線㈱
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