ジョンソン・マッセイ
ジョンソン・マッセイの企業情報
ジョンソン・マッセイ(Johnson Matthey Plc)は、排気コントロールテクノロジーに強みを持ち、触媒に特化した事業を展開している自動車部品メーカーです。自動車部品以外にも、化学製品や貴金属製品などを扱っています。
1817年、パーシヴァル・ノートン・ジョンソンが金の分析者として働き始めたことが、ジョンソン・マッセイの歴史の始まりです。この時期に設立された金精製所は、後にプラチナやパラジュームを扱う拠点に拡張されました。
1851年、治金技術者のジョージ・マッセイとパートナーを組み、ジョンソン&マッセイ(Johnson & Matthey)が誕生。1891年、ジョンソン・マッセイ&カンパニー(Johnson Matthey & Company)が設立されました。
自動車部品関連事業については、1974年、世界初となる自己触媒の製造工場を開所しました。その後、アメリカやオーストラリア、ブリュッセルなど、海外にも大規模生産拠点を設置。1990年頃には、南アフリカ、メキシコ、マレーシア、アルゼンチン、インドなどの国々にも展開を拡大させました。
ジョンソン・マッセイは、世界30ヶ国で事業を展開しており、約12,000人の従業員を抱えています。
事業体制は、以下の4部門で構成されています。
・クリーンエアー(Clean Air)部門
・天然資源(Efficient Natural Resources)部門
・ヘルス事業(Health)部門
・新規事業(New Markets)部門
現在は主力製品である触媒のほか、バッテリー素材事業の強化にも注力しています。
- 01.売上等の推移(直近3年間)
- 02.事業戦略
- 03.部門構成・部門ごとの方針
- 04.会社概要
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
2017年におけるジョンソン・マッセイの全社の売上高は、2兆335億6,800万円で前年比17.3%増となりました。
また、営業利益は516億9,600万円で前年比27.1%減となりました。
自動車部品に関連する部品別の売上高は、
- クリーンエアー(Clean Air)部門が3,533億7,600万円で前年比16.3%増
- 貴金属製品(Precious Metal Products)部門が1,376億6,400万円で前年比4%増
- 新規事業(New Markets)部門が449億2,800万円で前年比1.2%増
となりました。
主力の触媒製品を扱うクリーンエアー部門に関しては、ライトビークル用触媒事業は、中国における自動車需要の増加、北米における製品・顧客ミックスの改善が影響し、全地域で前年から増収となりました。
大型ディーゼル車用触媒は、地域別では中国、欧州が好調なトラック市場が追い風となり増収。一方で北米では小型トラックの触媒需要が増えたことが影響し減収となりました。全体では前年から増収となりました。
事業戦略
事業方針
ジョンソン・マッセイはアジアでの触媒の売上高・利益の拡大を目指しており、同地域での触媒事業を担うECT Asiaは、2017年~2025年に利益を年率10%超のペースで拡大することを目標数値として掲げています。
注力分野
ジョンソン・マッセイは、世界的に強化されている排ガス規制に対応した触媒の需要増に対応するため、ヨーロッパ全体における自動車用触媒製造拠点の強化や、本国イギリスにおけるフィルター製造工場の能力増強などを推進しています。
こうした主力製品である触媒の売上増に向けた取り組みを行う一方で、ジョンソン・マッセイは現在、バッテリー素材事業の強化にも注力しています。
2014年10月、アメリカの電池メーカーであるA123システムズ(A123 Systems)が保有する、中国江蘇(こうそ)省の正極材工場を買収しました。従来、同工場ではA123システムズが酸鉄リチウムイオン(LFP)を生産していましたが、買収後はジョンソン・マッセイが生産を担当。A123に対する長期供給契約を締結し、A123システムズ向けのみの生産を行う方針を発表しました。
また、2015年にはスイスの化学品メーカーであるクラリアント(Clariant AG)の電池材料事業を90億7,500万円で買収しました。買収の対象となったのはクラリアントの電池材料事業の全内容で、カナダの工場のほか、ドイツの研究開発拠点やパイロットプラントなども含まれます。
2016年8月には3Mと特許ライセンス契約を締結しました。自動車用リチウムイオン電池に使用するニッケル・マンガン・コバルト(NMC)正極材料のライセンスを獲得したことで、拡大する電動車市場からグローバルでの需要増を見込んでいます。
技術動向
ジョンソン・マッセイは2017年3月時点で、世界各地域に研究開発拠点を有しています。
排気コントロールテクノロジー(Emission Control Technologies)ユニットは8ヶ国、バッテリーテクノロジー事業ユニットは3ヶ国に拠点を設置しています。また、燃料電池事業ユニットの研究開発活動は、本国イギリスの拠点で行われています。
ガソリン車に用いられている三元触媒(Three-Way Catalyst)は、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)をほぼ完全に浄化できるとしています。
また、ディーゼル車に用いられているディーゼル酸化触媒(DOC)は、一酸化炭素と炭化水素を酸化除去し、粒子状物質(PM)の削減に寄与するとしています。
下記はジョンソン・マッセイでの研究開発活動の一例です。
・研究プログラム「INSPIRE」に参加
次世代の自動車用燃料電池スタックの検証および高性能な燃料電池車の実用化の加速を目指すプロジェクト。ジョンソン・マッセイを含む燃料電池サプライヤーや学術機関のほか、完成車メーカーとしてはBMW Group(ビー・エム・ダブリュー グループ)が参加。高性能・長寿命の膜電極接合体(MEA)の開発や、高出力燃料電池スタックへの統合を担当。
・電子物理科学イメージセンター(ePSIC:electron Physical Science Imaging Centre)を開設
ナノケール材料の研究や、窒素酸化物排出を削減する自動車用触媒コンバーター向けの新たな材料の開発プロジェクトを開始。またEVの駆動や太陽エネルギーの利用を可能にする材料の開発もサポートする。2014年に開始されたジョンソン・マッセイ、オックスフォード大学、シンクロトン施設Diamond Light Sourceの提携の流れから同センターを開設。
グローバル展開
ジョンソン・マッセイは世界30ヶ国で事業を展開しています。
自動車部品に関連する部門・事業ユニットの製造拠点の内訳は、以下のとおりです。
・排ガスコントロールテクノロジーユニット
イギリス、ドイツ、マケドニア、ロシア、アメリカ、メキシコ、アルゼンチン、南アフリカ、日本、マレーシア、インド、中国、韓国
・貴金属事業ユニット
イギリス、アメリカ、オーストラリア
・先端ガラステクノロジーユニット
アメリカ、欧州、アジア(6ヶ所)
・燃料電池事業ユニット
イギリス
・バッテリーテクノロジー事業ユニット
イギリス、ポーランド、中国、カナダ
また、研究開発拠点の内訳は以下のとおりです。
・排気コントロールテクノロジーユニット
ブラジル、中国、ドイツ、日本、韓国、スウェーデン、イギリス、アメリカ
・バッテリーテクノロジー事業ユニット
イギリス、ドイツ、ポーランド
・燃料電池事業ユニット
イギリス
海外における取り組み
■中国での取り組み
- 2013年から2015年3月期にかけて、継続的に中国における製造拠点の拡張を実施。
2020年までの排ガス規制強化に対応するため、生産能力拡大に向けてさらに拡張を実施。
■マケドニアでの取り組み
- 2014年、触媒工場の生産能力の増強が完了。将来的にヨーロッパで強化される排ガス基準の達成に寄与する商品の需要増に対応するのが目的。
■ドイツでの取り組み
- 2016年3月期、排気コントロールテクノロジーユニットに含まれる大型ディーゼル車用触媒の生産能力拡大プロジェクトを開始。
■ポーランドでの取り組み
- 2016年10月、Gliwiceにバッテリーの生産・開発を行う新拠点を設置。将来的にバッテリーの生産品目拡大に向け拡張する計画。
部門構成・部門ごとの方針
ジョンソン・マッセイは5部門で事業体制を構成しています。このうち自動車部品に関連するのが下記の部門で、それぞれいくつかの事業ユニットに細分化されています。
・クリーンエアー(Clean Air)部門
「ライトビークル用触媒事業ユニット」が乗用車・小型車向け触媒を、「大型ディーゼル触媒事業ユニット」が商用車・大型ディーゼルエンジン向け触媒を手がけています。
・天然資源(Efficient Natural Resources)部門
「先端ガラステクノロジーユニット」が掩蔽ガラスや自動車用途エナメルなどを生産しています。
・新規事業(New Markets)部門
「燃料電池事業ユニット」が燃料電池車向け触媒と関連部品を、「バッテリーテクノロジー事業ユニット」がEV(Electric Vehicle,電気自動車)やHV(Hybrid Vehicle,ハイブリッド自動車)向けリチウムイオン電池システムを扱っています。
会社概要
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
- イリノイ・ツール・ワークス
- インフィニオンテクノロジーズ
- ヴァレオ
- 濰柴動力股份
- エバースペッシャー
- MRF
- マザーソン・スミ・システムズ
- オートリブ
- クーパー・スタンダード・ホールディングス
- クーパー・タイヤ・アンド・ラバー
- クノールブレムゼ
- クムホタイヤ
- グルーポアントリン
- ラインメタル・オートモーティブ
- コンチネンタル・オートモーティブ
- CIEオートモーティブ
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- ジョンソンコントロールズ
- ZF/ZF TRW
- ソルベイ
- 星字(ソンウ)ハイテック
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- TIオートモーティブ
- TEコネクティビティ(タイコエレクトロニクスジャパン)
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- ドラクスルマイヤー
- イートン
- SKF
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- ネクスティア・オートモーティブ
- ネマク
- ハリタ・シーティング・システムズ
- ビステオン
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- ピレリ
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- フレックスエヌゲート
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- ベバスト
- ヘラー
- ベントラー
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- ランクセス
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