愛知製鋼

愛知製鋼の企業情報

愛知製鋼は、トヨタグループに属す日本の特殊鋼メーカーです。
鋼材、鍛造品、電磁品の製造・販売を行っています。

1940年、豊田自動織機製作所から分離独立した豊田製鋼が、愛知製鋼の前身です。
1954年、愛知工業所(現:愛鋼)を子会社化。
1971年には、非鉄金属製品および機械、装置、器具の製造販売を事業内容に追加しました。

1987年、アイコーサービスを設立。
1991年、シー・エス・エイ(現:アイチ情報システム)を設立。

1995年、フィリピンのPhilippine Forge, Inc.の株式を取得し、Aichi Forging Company of Asia, Inc.に社名を変更。同年、同社を子会社化。
1997年、アメリカにAichi U.S.A., Inc.を設置したほか、LFG,Inc.と合弁会社のLouisville Forge and Gear Works, LLCを設立。
1998年、近江鉱業を子会社化。

1999年、東京白煉瓦(現:アイチセラテック)を連結子会社に追加。
同年、Aichi U.S.A., Inc.がLouisville Forge and Gear Works, LLCの全出資持分を取得したことに伴い、同社を子会社化。

2000年、ドイツにAichi Europe GmbHを設置。

2002年、タイにAichi International Thailandを設立。
同年、アスデックスを設立。
さらに同年、中国に上海愛知鍛造有限公司(Shanghai Aichi Forging Co., Ltd.)を設立。

2006年、深海金属を子会社化し、アイチテクノメタルフカウミに社名を変更。
2007年、チェコにAichi Magfine Czech s.r.o.を設置。
2008年、台湾に愛旺科技股份有限公司を設立。

2012年、中国に愛知磁石科技(平湖)有限公司(Aichi Magnet Technology(Pinghu)Co., Ltd.)を設立。

2016年3月末時点では、トヨタ自動車、連結子会社19社、非連結子会社1社、関連会社2社で構成されており、4,654人の従業員を抱えています。
事業体制は以下の部門で構成されています。

・鋼材事業
・鍛造品事業
・電磁品事業
・その他の事業

現在は、日本国内における生産体制の改革を推進しており、生産性向上に関する取り組みと、生産能力の拡大に関する取り組みに注力しています。

年収情報

平均年収710万円自動車業界内の年収順位 849

年収推移

  • 723.1万円

2016年度

  • 691万円

2017年度

  • 710.1万円

2018年度

自動車業界の平均年収 618万円
推定生涯賃金 2億6505万円

年齢別年収シミュレーション

  • 511万円

25歳

  • 611万円

30歳

  • 710万円

35歳

  • 800万円

40歳

  • 825万円

45歳

  • 809万円

50歳

平均年齢 39.4歳
平均勤続年数 18.4年

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 212,837百万円

2016年度

  • 236,837百万円

2017年度

  • 257,315百万円

2018年度

単独
  • 165,015百万円

2016年度

  • 184,595百万円

2017年度

  • 203,070百万円

2018年度

経常利益推移

連結
  • 6,863百万円

2016年度

  • 11,774百万円

2017年度

  • 11,324百万円

2018年度

単独
  • 5,122百万円

2016年度

  • 8,731百万円

2017年度

  • 7,342百万円

2018年度

従業員数推移

連結
単独

2015年度における売上高は、愛知県の知多工場で発生した爆発事故などが影響し、2,141億2,000万円で前年度比11.0%減となりました。
また、営業利益は58億8,300万円で前年度比44.6%減、経常利益は58億3,500万円で前年度比47.6%減、当期純利益は2,000万円で前年度比99.7%減となりました。

2015年度における売上高は、愛知県の知多工場で発生した爆発事故などが影響し、2,141億2,000万円で前年度比11.0%減となりました。
また、営業利益は58億8,300万円で前年度比44.6%減、経常利益は58億3,500万円で前年度比47.6%減、当期純利益は2,000万円で前年度比99.7%減となりました。

  • 鋼材事業が943億2,100万円で前年度比17.8%減
  • 鍛造品事業が1,022億4,800万円で前年度比6.2%減
  • 電磁品事業が134億9,500万円で前年度比6.6%増
  • その他の事業が40億5,500万円で前年度比3.4%減

となりました。

現在、愛知製鋼は経営方針「ZZZ(トライゼット)200」において、2020年までに連結売上高を3,000億円に、営業利益を200億円以上に引き上げる目標を掲げています。

事業戦略

事業方針

愛知製鋼は現在、経営方針「ZZZ(トライゼット)200」を掲げており、2020年までに下記の数値目標の達成を目指しています。

  • 連結売上高3,000億円
  • 営業利益200億円以上

また、コア事業である鍛造分野と鋼材分野の競争力を強化するため、下記の取り組みを実施する方針です。

○鍛造分野での取り組み

トヨタ自動車の新設計手法であるTNGA(Toyota New Global Architecture,トヨタニューグローバルアーキテクチャー)に対応した取り組み(顧客との定期的な技術連絡会の開催や、開発初期段階からの協働など)を実施。

また、IMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle,多目的世界戦略車)の重要拠点であるタイの子会社を、ASEANの鍛造拠点として強化する方針です。

日本をマザー拠点とし、フィリピン、インドネシア、中国、アメリカを含めたサプライチェーンを確立し、グローバル生産体制の充実を図っています。

○鋼材分野

「4S(シンプル・スリム・ショート・ストレート)リエンジ」と名付けた生産改革を実施中。国内拠点の生産ラインの効率化を図っています。

また、エネルギー消費量の低減を重要課題に位置付け、対策として、電気炉の排出ガスの見える化と活用を行い、熱効率の改善に取り組んでいます。

さらに、インドのウッシャー・マーティン(Usha Martin Ltd.(UML))と共に鋼材のグローバル調達を実施。技術提携により、グローバルで鍛鋼を一貫して行うためのプロジェクトを推進しています。

上記のほか、独自の技術・商品を増やすことで、強みをさらに磨く方針。
具体的には、ステンレス鋼と電磁品を成長分野に位置付けています。

○ステンレス鋼

トヨタ自動車のFCV(Fuel Cell Vehicle,燃料電池自動車)への採用を受け、今後はさらに良質で廉価な製品の開発を実施し、技術・レパートリーを拡大する方針です。

○電磁品

特殊鋼、ステンレス鋼、鍛造品に続く第4の収益の柱として電磁品を位置付けています。
自動車モーターへの展開が期待できる磁石事業や、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle,プラグインハイブリッド自動車)、EV(Electric Vehicle,電気自動車)、FCVなどの普及に伴いますますボリュームゾーン化していく電子部品事業を強化する考えです。

愛知製鋼のM&Aや他社との提携に関する動向は以下のとおりです。

・2013年5月、インドのウッシャー・マーティンと技術支援契約を締結したと発表。

愛知製鋼が特殊鋼の生産技術を指導することで品質向上を図るほか、両社で特殊鋼のグローバル調達を実施する。

為替変動の影響を受けない地産地消の基盤をつくり、競争力を高めるのが狙い。

・2015年2月、ユニチカからの金属繊維(アモルファスワイヤ)事業の譲り受けに関して、基本合意書を締結したと発表。

成長分野である「MI(小型高性能磁気)センサー」を素材から一貫して生産できる体制を構築し、供給の安定化とコスト競争力の強化を図るのが狙い。

なお、2016年5月に製造設備の移管と工場建設が完了し、製造を開始したと発表。これにより愛知製鋼はアモルファスワイヤの自社生産が可能になった。

注力分野

愛知製鋼は現在、日本国内での生産体制の改革を推進しています。
生産性向上と生産能力拡大に注力しており、下記のような取り組みを実施しています。

・2014年12月、本社の鍛造工場で建設していた4,500トンプレス機を本格稼働すると発表。

これまで国内ではV型8気筒と直列6気筒向けの大型製品に対応した6,000~6,500トンクラスのクランクシャフト用プレス機を使用してきた。

老朽更新に合わせ、直列4気筒向けなどの軽量・小型のクランクシャフトに適した4,500トンプレスに切り替えた(タイの生産子会社にも同じプレス機を導入)。

また、4,500トンプレス機のほかスクリュープレスなどの最新鋭機も導入し、鍛造ラインを85本から80本に集約。

・2015年6月、愛知県の知多工場と岐阜県の岐阜工場におけるめっき品の生産能力を拡大すると発表。当初の予定では2016年に稼働開始。

生産量を増加させるのはインバーターの冷却部品に使用される金めっき品。
トヨタ自動車のHV(Hybrid Vehicle,ハイブリッド自動車)の設定車種拡大に伴う、HV用部品としてのめっき品の需要拡大に対応する。

・2015年10月、鋼材の生産改革である「4S(シンプル・スリム・ショート・ストレート)リエンジ」で、検査工程の改善に着手したと発表。

「4Sリエンジ」は全5段階が予定されており、同フェーズは3段階目。

検査工程の流れを改良するとともに、鋼材のサイズ域を増やすなどして受注の増加に対応し、検査能力を向上させる。

・2015年11月、CVT(Continuously Variable Transmission,無段変速機)用熱間鍛造プレスラインを、本社の鍛造工場に2本新設すると発表。

月間生産能力の合計は30万個で、既存ラインと合計すると、月間で36万個になる見込み。同段階と比較すると、約2割の生産能力増強となる。

技術動向

下記は、愛知製鋼の研究開発成果の一例です。

○鋼材事業

自動車部品用の新しい特殊鋼やステンレス鋼の研究・製造方法の開発を実施している。

▼特殊鋼の製造プロセスの革新
  • 新連続鋳造機活用による品質ロス低減活動の深化
  • 分塊大形圧延工程のリエンジ実施
  • 精整検査工程の物流改善に着手
▼自動車向け特殊鋼の開発
  • エンジンの軽量化や燃費向上に貢献するクランクシャフトやコンロッド用鋼の研究開発
  • 駆動伝達ユニットの軽量化や高出力化に貢献する高強度歯車用鋼および低コスト化に貢献する省合金歯車用鋼の研究開発
▼ステンレス鋼の開発と市場創出
  • 将来の需要増が見込まれるエネルギー・インフラ分野を狙ったステンレス鉄筋バーや二相系ステンレス形鋼の商品レパートリーの拡大およびステンレス部材ビジネスの強化
  • 水素社会に対応する高圧水素用ステンレス鋼「AUS316L-H2」の省合金化、低コスト化を図る高圧水素用ステンレス鋼のさらなる研究開発

○鍛造品事業

自動車部品用の鍛造品製造プロセス開発・製造方法の開発を実施している。

▼鍛造プロセスの高校率製造・低コスト化
  • CVT(Continuously Variable Transmission,無段変速機)シャフトのショットブラスト工程および機械加工工程の改善による生産性向上
  • 小型クランクシャフト専用4,500トンプレスでの適用拡大と大型クランク用6,000トンプレスの集約
  • グローバル展開を見据えた、アップセッタ代替工法であるスクリュー成形によるリアアクスルシャフトの適用拡大
  • 熱処理炉の炉内断熱強化による省エネルギー・低CO2化
▼鍛造品の高精度・低コスト化
  • 高精度パーキングロックギヤ成形のラインナップ拡大
  • 鍛造金型の長寿命化を目的とした表面処理技術開発と適用部品拡大

○電磁品事業

MIセンサーの開発、モーター用磁石の開発、車載電子機器用放熱部品の開発などを実施している。

  • 次世代自動車向け高効率モーター用磁石性材料技術開発に参画
  • MI素子の販売拡大やMIセンサーの特長である高精度・省電力を活かした次世代に向けた商品開発(ロームとの技術提携の一環)

グローバル展開

2016年3月末時点で、愛知製鋼は本国日本のほか、アメリカ、ドイツ、チェコ、中国、韓国、フィリピン、タイ、インドネシアに拠点を有しています。

○海外における取り組み

■タイでの取り組み
  • 2015年1月、タイにおけるトランスミッション向け鍛造部品の生産能力を増強すると発表。
    1,600トン、3,000トン、4,500トンのプレスマシンとスクリュープレスの計4つの新設備を稼働させて増産を行う。

なお、同製品はトヨタ自動車のIMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle,多目的世界戦略車)向けに供給。

部門構成・部門ごとの方針

愛知製鋼は、以下のセグメントで事業体制を構成しています。

  • 鋼材事業
    熱間圧延鋼材や鍛造用金型加工品の製造・販売などを実施。
  • 鍛造品事業
    自動車部品粗形材や機械部品粗形材といった型打鍛造品などの製造・販売などを実施。
  • 電磁品事業
    電子機能材料・部品、磁石応用製品などの製造・販売などを実施。
  • その他の事業
    ステンレス構造部材・植物活性材などの製造・販売などを実施。

会社概要

社名 愛知製鋼株式会社
設立年 1940年3月8日
本社所在地 〒476-8666 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地
市場名 東証一部,名証一部
代表取締役 藤岡 高広
資本金 25,016百万円

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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拠点一覧

愛知製鋼の拠点(研究開発・テストセンター含む)

国内拠点一覧
  • 知多工場(愛知県東海市)
  • 刈谷工場(愛知県刈谷市)
  • 鍛造工場(愛知県東海市)
  • 東浦工場(愛知県知多郡東浦町)
  • 岐阜工場(岐阜県各務原市)
  • 関工場(岐阜県関市)
  • 電子部品工場(愛知県東海市)
  • 本社ほか(愛知県東海市ほか)
  • 愛鋼㈱
海外拠点一覧
  • アイチフォージ ユーエスエイ㈱
  • アイチ インターナショナル(タイランド)㈱
  • 上海愛知鍛造有限公司

関係会社一覧

愛知製鋼の関係会社一覧

  • アイチフォージユーエスエイ㈱
  • 上海愛知鍛造有限公司

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