TPR
TPRの企業情報
TPRは、ピストンリングやシリンダーライナー、バルブシートといったパワートレイン製品のほか、自動車外装部品、自動車用品、自動車検査・整備用機械などの製造・販売を行う、独立系の自動車部品メーカーです。
自動車関連以外にもアルミ製品や工業用プラスチック製品、産業用ゴムシール部品などを手がけています。
1939年に大阪で設立された、主に航空機・船舶用ピストンリングを製造していた田中ピストンリングが、現在のTPRの前身です。
1943年に社名を帝国ピストンリングに変更。
1945年には民需転換許可により、各種ピストンリング、シリンダスリーブ、シリンダーライナー、グリッド、抵抗器、一般鋳物の生産を開始しました。
1990年にはアメリカにテーピ・コーポレーション・オブ・アメリカ(TP Corporation of America)を、1991年にはTeikoku Europe GmbHを設立。
1996年、T&Nおよび安慶活塞環廠と、ピストンリングの製造・販売を行う合弁会社、安慶帝伯格茨活塞環有限公司(Anqing TP Goetze Piston Ring Co., Ltd.)を設立。
1999年にはフェデラル・モーグル(Federal-Mogul Holdings Corporation)と、シリンダーライナーを製造・販売する合弁会社、Federal-Mogul TP Liners Inc.をアメリカに設置しました。
2000年、安慶活塞環廠および安慶帝伯格茨活塞環有限公司と、焼結バルブシートを製造・販売する合弁会社、安慶帝伯粉末冶金有限公司(Anqing TP Powder Metallurgy Co., Ltd.)を設立。
2001年、中国におけるエンジン用シリンダーライナーの生産を開始。
2002年、アルミ製品事業のテーピアルテックに資本参加。
2005年、マノヨントおよびみずほグループのコンサルティング会社と、ASEAN地域でグループ製品を販売する合弁会社、TPRアジアンセールス(タイランド)(TPR Asian Sales(Thailand)Ltd.TPR)を設置。
2011年、岡谷電機産業と研究開発を行う合弁会社、TOCキャパシタを設立。
同年、樹脂製品を製造・販売するTPRエンプラを設立。
同年、帝国ピストンリングからTPRに社名を変更。
2012年、樹脂製品を手がけていたファルテックに資本参加。
2015年3月末時点では、子会社46社、関連会社7社を有し、6,062人の従業員を抱えています。
事業体制は以下のセグメントで構成されています。
・TPRグループ
(主要製品:パワートレイン部品、足回り部品、内装樹脂部品)
・ファルテックグループ
(主要製品:樹脂外装部品、ドアサッシュ・メタル部品、モールディング、電子電装用品)
上記のうちTPRグループについては、さらに「日本」「アジア」「北米」「その他地域」と地域ごとに細分化されています。
現在は、主力であるエンジン部品を除く製品事業の強化に注力しており、事業の多角化を推進しています。
年収情報
平均年収736万円 / 自動車業界内の年収順位 30/236位
年収推移
自動車業界の平均年収 | 618万円 |
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推定生涯賃金 | 2億4360万円 |
年齢別年収シミュレーション
平均年齢 | 43.4歳 |
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平均勤続年数 | 20.2年 |
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
従業員数推移
2014年度における売上高は、1,658億4,900万円で前年度比11.2%増となりました。
また、営業利益は193億9,300万円で前年度比43.1%増、経常利益は230億6,300万円で前年度比48.3%増、当期純利益は126億5,800万円で前年度比98.9%増となりました。
セグメント別の売上高は
- 日本が452億8,600万円で前年度比7.1%増
- アジアが262億円で前年度比34.2%増
- 北米が121億6,500万円で前年度比34.0%増
- その他が26億5,100万円で前年度比22.6%増
- ファルテックグループが795億4,600万円で前年度比4.6%増
となりました。
TPRは、2017年度に連結売上高1,933億円、営業利益260億円を達成することを、中期経営計画の目標として掲げています。
また長期的には、2020年度までに連結売上高2,000億円、経常利益220円を目標に設定しています。
事業戦略
事業方針
TPRは2015~2017年度を対象期間とした中期経営計画で、下記の数値目標を掲げています。
- 連結売上高1,933億円(うちTPRは1,050億円、ファルテックは883億円)
- 営業利益260億円(うちTPRは204億円、ファルテックは56億円)
また、長期目標では2020年度までに下記の数値目標の達成を目指しています。
- 連結売上高2,000億円
- 経常利益220億円
TPRのM&Aや他社との提携に関する動向は以下のとおりです。
- 2012年1月、日本ピストンリングと共同出資の合弁会社、NTピストンリングインドネシア(PT NT Piston Ring
Indonesia(NTRI))におけるピストンリング事業に関して、合弁関係を解消することで基本合意したと発表。
同合弁会社は日本ピストンリングが完全子会社化し、TPRは新たにTPRインドネシアを設置。
なお、2013年7月に解消で合意。TPRは日本ピストンリングに対して同合弁会社のすべての保有株式を約15億4,000万円で売却。 - 2012年3月、ファルテックを子会社化すると発表。買収額は81億円。エンジン部品以外の製品の獲得により、長期的に安定した経営を実施するのが目的。
同年4月、TPRは同社を子会社化。なお、ファルテック傘下のイギリスと中国の完全子会社についても特定子会社化。 - 2012年4月、アメリカのテネシー州にフェデラル・モーグルとの合弁会社、TPRフェデラル・モーグルテネシー(TPR Federal-Mogul Tennessee, Inc.)を設立すると発表。同合弁会社ではシリンダーライナーを生産。
資本金は2,000万ドルで、TPRの出資比率は53.9%。 - 2014年11月、日清紡ホールディングスが電気二重層キャパシター事業からの撤退を発表し、TPRの子会社であるTOCキャパシタが同事業の製造設備と納入先への販売権を譲り受けた。
なお、特許などの知的財産権については引き続き日清紡ホールディングスが保有する。
注力分野
TPRは、中期経営計画および長期目標で掲げた数値目標を達成すべく、主力のエンジン部品以外の製品強化に注力。特に下記製品を育成事業と定めています。
○カーボンスクレーパリング
シリンダーの上部に取り付ける同製品はピストンに付着するカーボンを掻き落とすもので、シリンダーライナーの鏡面化防止、オイル消費量の増加の抑制に効果を発揮する。
ヨーロッパのメーカーが採用し始めていることから、TPRは2020年度に同製品の年間生産量が200万本になると想定している。
○パワートレイン用シール材
TPRはゴムや樹脂を素材に同製品を製造する。高性能化が進む中国の現地系メーカーを主なターゲットに拡販を狙う方針。
これまでエンジン部品分野で構築した販売網やシェア率の高さを活用し、受注を増加させる計画。
○EGR(Exhaust Gas Recirculation,排気再循環)・過給機向け部品
既存の鋳造技術を応用して開発を進めているが、2015年初頭の段階で、製品化には2~3年かかる予定。
なお、納入対象は日本国内のディーゼル車になる見通し。
○ブレーキドラムおよびキャパシター
いずれの製品も2020年度までに売上高100億円規模の事業に成長させる方針。
ブレーキドラムは既存製品の加工技術を活用したもの、キャパシターは低燃費化に貢献する製品を展開する方針。
技術動向
TPRは、「機能面」「製造面」「EV(Electric Vehicle,電気自動車)化への対応」について、下記のような研究開発活動を行っています。
○機能面
低フリクション化、熱制御、軽量化、排気ガスクリーン化、バイオやCNG(Compressed Natural Gas,圧縮天然ガス)などの代替燃料に対応した製品の開発を実施。
○製造面
製品の高精度化に対応するインラインでの計測自動化、革新的コストダウン、生産エネルギーの極小化に対応した新工法の開発を実施。
○EV化への対応
パワートレイン部品以外の製品開発を強化し、アルミや樹脂を中心とした軽量化複合製品や、ゴムを中心としたシール製品への新技術の導入を実施。
なお、下記は自動車部品に関する研究開発活動の主な成果です。
○パワートレイン部品
▼ピストンリング
- 超低フリクション&低LOCリングの製品化
- 高機能オイルリングの製品化
- ピストンリング革新的コストダウン製造ラインの構築
▼シリンダーライナー
- 小型エンジン用小径薄肉、高熱伝導ライナーの製品化
- 高耐腐食磨耗ライナー材料の製品化
- 高強度ライナーの製品化
▼バルブシート、バルブガイド
- 高耐摩耗バルブシート材料の製品化
- バルブシート革新的コストダウン製造ラインの構築
- 焼結バルブガイドの製品化
○非パワートレイン部品
▼アルミ製品
- 新鋳造方案構築および設備導入実施によるEVモーター用モーターフレームの製品化
- 遠心鋳造スパイニ形状FC材の応用によるアルミブレーキドラムの製品化
▼焼結機械部品
- ターボチャージャー用小径シールリングの製品化
- ショックアブソーバー、カップリング部品の精度改善および高強度化工法の開発
▼樹脂、ゴム製品
- 変速機用樹脂シールリングの製品化
- 電磁弁スプール樹脂化およびゴムシール部品の高精度化
グローバル展開
2015年3月末時点で、TPRは海外に子会社29社、関連会社5社を有しています。
TPRは現在、アメリカ・中国・東南アジアなどの地域における事業の強化を推進しています。
このうち東南アジアでは、主要な納入先である日系完成車メーカーが同地域での生産を拡大させているため、四輪車向け事業を拡大する方針。
具体的には、東南アジアでのエンジン部品売上高のうち、四輪車向け製品事業の割合を、2020年度をめどに50%以上に引き上げたい考えです。
○海外における取り組み
■中国での取り組み
- 2012年4月、天津(てんしん)市に帝伯愛爾(天津)企業管理有限公司を設立すると発表。総投資額は約2億2,850万円。
同社では、企業管理・財務管理サービス、技術研究開発、技術コンサルティング、製品の卸売り・輸出入、アフターサービス業務を担当する。 - 2013年11月、安慶環新集団有限公司(Anqing Huanxin Group Co., Ltd.)との合弁で、エンジニアリングプラスチック工業製品を製造・販売する会社を、安徽(あんき)省安慶(あんけい)市に設立すると発表。
同合弁会社では、現地の自動車部品メーカーへのプラスチック部品の供給、工業用樹脂製品などの生産を行う。 - 2014年1月、シリンダーライナーを生産する安徽省安慶市の工場のラインを増設し、生産能力を3割増強(月産190~200万本から250万本に引き上げ)。
日本だけでなく、ヨーロッパや現地系のメーカーに対して製品を供給するのが狙い。
■インドネシアでの取り組み
- 2013年6月、ピストンリングの生産拠点であるTPRインドネシアでの量産を開始すると発表。
同時点では、2014年の生産能力を2,400万本(四輪車・二輪車用のピストンリングの合計)に設定。 - 2014年1月、2016年度までにTPRインドネシアの四輪車向け製品の生産量を倍増させる(月産40~50万本から90~100万本まで引き上げる)と発表。
インドネシアやタイにおける環境関連政策の影響で、ASEANでの小型車向けピストンリングの需要が拡大すると予想し、生産能力の増強を図った。
■ベトナムでの取り組み
- 2014年1月、ホーチミン市の工場でバルブシートの量産体制を整備し、ASEAN向けに供給を開始すると発表。日系完成車メーカーからの大口受注などがあったことから、当初の計画では月間生産能力を300万本とした。
■ブラジルでの取り組み
- 2014年2月、サンパウロ州のポルトフェリス市にシリンダーライナーの製造子会社を設置すると発表。同時点で予想されていたブラジルにおける自動車用アルミブロックエンジンの需要増に対応するのが目的。
当初の発表によれば、同社は2016年1月からシリンダーライナーの生産を開始し、2018年の生産規模は年間で300万本となる予定。
■アメリカでの取り組み
- 2016年2月、アメリカにおいて自動車用エンジンのアルミ化が進んでいることを受け、現地メーカーに対するシリンダーライナーの販売を強化する方針を示した。
TPR独自の鋳肌技術によって信頼性をアピールし、新機種向けの受注を増やしたい考え。
会社概要
拠点一覧
TPRの拠点(研究開発・テストセンター含む)
国内拠点一覧 |
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海外拠点一覧 |
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関係会社一覧
TPRの関係会社一覧
- TPR工業㈱
- フェデラル・モーグル テーピ ライナーズ社
- ユナイテッド ピストンリング社
- TPRフェデラル・モーグルテネシー社
- フェデラル・モーグル テーピ ライナ ヨーロッパ社
- PT.TPRインドネシア社
- TPRベトナム社
- TPRオートパーツMFG.インディア
- 安慶帝伯粉末冶金有限公司
- 安慶帝伯格茨缸套有限公司
- ㈱ファルテック
- ファルテック ヨーロッパ リミテッド
- 佛山発尓特克汽車零部件有限公司
- ファルテック SRGグローバル(タイランド)社
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
- イリノイ・ツール・ワークス
- インフィニオンテクノロジーズ
- ヴァレオ
- 濰柴動力股份
- エバースペッシャー
- MRF
- マザーソン・スミ・システムズ
- オートリブ
- クーパー・スタンダード・ホールディングス
- クーパー・タイヤ・アンド・ラバー
- クノールブレムゼ
- クムホタイヤ
- グルーポアントリン
- ラインメタル・オートモーティブ
- コンチネンタル・オートモーティブ
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