NOK

事業方針

NOKは現在、主力製品であるシールの電動化自動車向け製品の開発と、柔らかいプリントタイプの回路基板であるフレキシブルサーキット（FPC）の技術力の強化に力を入れています。

2020年3月期を最終年度とする中期経営計画では、売上高8000億円、営業利益560億円（営業利益率7.0％）を目標に掲げています。しかし、スマートフォン向けの需要減少で、電子部品事業が落ち込んだことから、2020年3月期は売上高6700億円、営業利益310億円（営業利益率4.6％）にとどまる見通しです。

他社との提携状況

2018年2月に、子会社の日本メクトロンが中国の蘇州にある日東電工の子会社を買収すると発表。FPCの重要市場である中国で競争力の強化を図ります。

2018年11月には、NOKとフロイデンベルグの合弁会社「フロイデンベルグNOKシーリングテクノロジーズ」が、約1090℃の熱から部品を保護できる電気自動車（EV）向けシールを開発。EVの需要拡大に合わせて生産を増やしていきます。

注力分野

NOKは、次世代自動車向け製品や自動運転向け技術の開発に力を入れています。

FPCの分野では、子会社の日本メクトロンが開発・生産体制を強化中。自動車向けの売上高を、2022年半ばまでに現在の約2倍の1000億円にすることを目標に掲げています。電気自動車向けには、シール製品とFPCが一体となった電子機器・電動ユニット用製品や、放熱をサポートする熱伝導性ゴムを開発。自動運転をサポートする先進運転支援システムでは、眠気や疲労といった運転者の生体信号を測定できるゴム電極を開発しています。

技術動向

主要製品であるオイルシールでは、2017年に、低摩擦技術を用いた新ブランド「Le-μ’s（レミューズ）」を開発し、駆動力の低減と使用電力の削減、低燃費を実現。現在、更なる低摩擦化を目指したコーティングの開発とラインナップの拡充を図っています。2018年には、従来品に比べ摩擦を90％低減する電動車部品向けシール製品を開発。電気自動車用の減速機やモーターの高回転を受ける部品での採用を予定しており、数年以内の実用化を目標としています。

NOKは、2005年に開設した「湘南開発センター」（神奈川県藤沢市）を拠点とし、新製品の設計から量産化技術の構築までを行う「自己完結型」の開発体制を整えています。2019年中には、二本松事業場（福島県二本松市）に新たな工場棟が完成する予定です。福島事業場（福島市）も段階的に整備していきます。

グローバル展開

NOKの海外拠点は62ヶ所あります（2019年3月末時点）。インドには、2019年稼働予定の工場を新設しています。ハンガリーではリチウムイオン電池の監視用FPCの工場を集約し、中国やベトナムには前工程と後工程を一貫でできる拠点を設ける予定です。

2019年3月期の地域別売上高は、中国が2408億円、タイが710億円、その他が1148億円となっています。売上高に占める海外の割合は64％です。