奇瑞汽車

奇瑞汽車の企業情報

奇瑞汽車股份有限公司(きずいきしゃこふんゆうげんこうし、Chery Automobile、奇瑞汽車)は、第一汽車、東風汽車、上海汽車、長安汽車と並ぶ中国5大自動車メーカーの一つです。中国国内では英語表記の「チェリー」ブランド車として知られています。

奇瑞汽車は、安徽省(あんきしょう)と同省蕪湖市(ぶこし)政府の出資によって1997年に設立。1999年から、スペインの自動車メーカー、セアト(SEAT)「Toledo」(トレド)のライセンス生産によって自動車の生産をスタートしました。

設立当初は自動車生産のライセンスがなかったため、2001年、自社株の20%を上海汽車(SAIC)に譲渡する代わりにSAICから生産のライセンスを取得する予定でしたが、その後、SAICは奇瑞汽車との関係を解消。2004年にようやく生産ライセンスを取得しました。

2001年のシリアへの輸出を皮切りに海外展開を開始。新興国や発展途上国へのKD生産(ノックダウン生産、他国などで生産した製品の部品を輸入して、現地で組立・販売する方法)などによって市場を拡大。2011年にはオーストラリアへの輸出を開始したほか、需要が拡大しているブラジルに、中国メーカーとしては初のKD工場を開設しました。

2007年以降は海外企業との合弁事業を推し進め、同年、イスラエル政府系のファンド、イスラエル・コーポレーション(Israel Corporation)との合弁会社、奇瑞量子汽車有限公司(Chery Quantum Auto Co. Ltd.)を設立。2011年に社名をクオロス・オートモーティブ(観致汽車有限公司、観致汽車)に変更し、新ブランド「観致」(Qoros)を発表しました。また、2012年にはイギリスの自動車メーカー、・ジャガー・ランドローバー(Jaguar Land Rover Automotive PLC)との合弁、奇瑞ジャガー・ランドローバー(奇瑞捷豹路虎汽車有限公司)の設立を発表しました。

◯主な合弁会社
・奇瑞ジャガー・ランドローバー
2012年にイギリスの高級車メーカー、ジャガー・ランドローバーとの合弁を発表。2014年には中国で合弁工場を開業し、SUV「Evoque」(イヴォーク)の生産をスタート。2016年までに、他のランドローバー車の組み立ても開始する予定。

・クオロス・オートモーティブ
2007年に合弁設立後、2011年に社名を現在の名称に変更。2015年のモーターショーで新型SUV「クオロス5」を発表した。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 519,712百万円

2013年度

  • 573,508百万円

2014年度

  • 539,117百万円

2015年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

奇瑞汽車の2014年の自動車販売台数は、45.5万台(前年比4.2%増)となりました。このうち、中国国内販売台数が35.3万台(同16.2%増)を占め、国内での強さをアピールする形となりました。

事業戦略

事業方針

奇瑞汽車は2013年、新たな企業戦略「技術の奇瑞」を発表。
これには、発足当初は他社の製品やプログラムなどを分析して模倣する「リバースエンジニアリング」という手法によって、低価格の製品を生産してきたという背景があります。一方で、市場の発展とともにユーザーからは高い品質への欲求が高まり、2010年以降はこの手法を転換。「リバースエンジニアリング」から求めた仕様などをもとに、自社で新らたなシステムを開発する手法「フォワードエンジニアリング」を開始しました。
今後は、「フォワードエンジニアリング」をさらに推し進めるとともに、「技術の奇瑞」として3段階の目標を掲げています。

  • 2013~2016年、低価格かつ手軽なエントリーモデル市場においてリーダー的地位を維持する。
  • 2016~2020年、製品のコア技術と性能をグローバルレベルに高める。
  • 2020年以降、製品のコア技術と性能をグローバルトップレベルまで高める。

合わせて、「一つの奇瑞ブランド戦略」も発表。これまで展開してきたマルチブランド体系によって低下した販売台数を回復させるため、ブランドを「奇瑞」のみに絞るというもので、車種は「QQ」、「瑞虎」(Tiggo)、「艾瑞沢」(ARRIZO)、「風雲」(Windcloud、Fulwin)の4シリーズで構成。モデル数も、2013年の20から2017年までに11~12モデルに絞る予定です。

注力分野

○EV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)の開発推進

  • 奇瑞汽車は、2015年のモーターショーで、EVとPHEVを公開。いずれも2015年内に発売する見通し。
  • 2015年、奇瑞汽車は韓国の総合化学メーカー、LG化学とEV用の電池供給において契約。このバッテリーは、2015年から生産される次世代EVに搭載される予定。

技術動向

奇瑞汽車は、2013年に新たな戦略「技術の奇瑞」を発表しました。
2010年に、発足当初の、他社の製品などを分析して模倣する「リバースエンジニアリング」から、その手法で求めた仕様などをもとに、自社で新たなシステムを開発する「フォワードエンジニアリング」への転換を開始。現在は新たな研究開発体系をさらに推し進め、下記のような品質を高めた新世代車両の自社開発を行っています。

  • 2014年、新型ハッチバック「QQ」を発表。中国政府推奨の省エネモデル。
  • 2013年のモーターショーで、新型セダン「A4」のコンセプトカーを発表。自社開発したプラットフォーム「iAUTO」(intelligence Auto)を初めて採用した。また、ソフトやデータなどを、ネットワーク上で利用するクラウド・コンピューティング技術を取り入れた新型システムを搭載。動力システムは自社製のターボ付ガソリンエンジンと自主開発したトランスミッションを採用。
  • 2013年、小型セダン「E3」を発表。パワートレインには自主開発した「Acteco」シリーズの1.5Lエンジンを搭載。
  • 2013年、新モデルのSUV「瑞虎5」(Tiggo5)を発売。2011年に中国メーカーとして初めて自主開発したCVT(Continuously Variable Transmission、変速ギヤを使わずに無段階で変速するトランスミッションのこと)を搭載している。
  • 2015年、セダン「艾瑞沢7」(ARRIZO 7)を発表。自主開発した1.5Lターボエンジン搭載。

グローバル展開

奇瑞汽車は2007年以降、新興国や発展途上国を中心に海外での生産・販売に注力し、現在では世界15カ国に生産拠点を置いています。主な拠点における活動は以下のとおりです。

○インドネシア

2012年、ジャカルタに自社モデルの輸出販売を行う合弁企業、奇瑞印尼汽車(PT Chery Mobil Indonesia)を設立。これに伴い、MPV「東方之子」(Eastar Cross)、SUV「瑞虎」(Tiggo)、ピックアップ「開瑞優勁」(Transcab)の3モデルを発表した。

○マレーシア

2014年、現地企業と合弁で組み立て工場Chery Alado Holdingsを開設。ここで生産した車両はタイ、インドネシア、インド、スリランカ、パキスタンに輸出される。

○フィリピン

2017年までに組み立て工場の建設を計画。生産モデルは他のアジア諸国へも輸出される見通し。

○ミャンマー

2011年、ミャンマー政府と組み立て工場建設で合意。同年からノックダウン生産をスタート。

○ロシア

2014年、現地企業Derways(ダーウェイズ)と提携し、現地で販売する乗用車の委託販売を開始。

○ウクライナ

2011年、ウクライナ最大の自動車メーカーであるUAC傘下のAwtoZAZに生産を委託。

○トルコ

2012年、奇瑞汽車の現地ディーラー、ドイツ・FEV社との提携によって、完成車、エンジンの2工場の建設を発表。

○ベネズエラ

現地国有企業と合弁工場を設立。2011年に稼動を開始。

○アルゼンチン

2011年、アルゼンチンの現地企業、Socma(ソクマ)グループとの合弁、Chery Socmaによる新工場が稼働を開始。

○ブラジル

2018年までの目標として掲げる、ブラジル市場における自動車販売台数10万~12万台、市場シェアを3%の達成に向けた取り組みの一貫として、2014年、サンパウロに新工場を開設。

○アフリカ

2011年、政府系ファンド「中国アフリカ開発基金」と提携し、合弁会社、奇瑞海外実業投資有限公司(Chery Overseas Industrial Investment Co., Ltd)を設立。奇瑞汽車のアフリカへの代理輸出業務を請け負う。

○オーストラリア

2011年、オーストラリアで「A1」「瑞虎」「A3」の販売を開始。2年以内にディーラー数を45店舗から90店舗に拡大する計画。

部門構成・部門ごとの方針

奇瑞汽車は2014年、マーケティングと販売網の調整に注力する方針を発表。販売部門を合併するとともにディーラー数を削減し、販売区域を区分けするなどの調整を行いました。

会社概要

社名 奇瑞汽車股份有限公司
設立年 1997年1月1日
本社所在地 安徽省蕪湖市
代表取締役 Tongyue Yin
資本金 78,773百万円

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