日信工業

日信工業の企業情報

日信工業は、日本に本社を構えるホンダ系の制動部品メーカーです。
二輪車および四輪車向けの横滑り防止システムやアンチロック・ブレーキシステム(ABS:Antilock Brake System)、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、エンジンマウントブラケットなどを主力製品としています。そのほかにも、アルミ製品などの製造・販売も手がけています。
ホンダだけではなく、2015年からマツダへの納入も開始し、2016年3月時点では、二輪・四輪車用ブレーキシステム分野において世界シェアの25%を有しています。

1953年、東京都中央区で日信工業が設立。長野県に工場を新設し、四輪車用のアルミ製ブレーキピストンの製造を開始しました。

1968年、英国Lucas Industries(現:ゼット・エフTRW(ZF TRW))と技術提携を行い、四輪車用ドラムブレーキの生産を開始。

1973年7月、同社史上初の海外拠点をタイに設立。
1980年代から2000年にかけて、タイ、アメリカ、フィリピン、中国、ベトナム、ブラジルに拠点を増設。そのほかにも、インドネシアやイギリスの企業と資本提携契約を結ぶなど、海外展開を推進。

2000年以降も、タイ、中国、ベトナム、インド、インドネシアなどのアジア地域に加え、アメリカ、スペイン、メキシコに拠点を増やすなど、積極的な海外展開を継続。

2015年9月、四輪車用ブレーキ・コントロールおよび、ブレーキ・アプライ事業に関する契約をオートリブ(Autoliv)グループと締結し、アメリカに合弁会社、Autoliv Nissin Brake Systems America LLCを設立。
同年12月、中国に中山奥託立夫日信制動器系統有限公司(Autoliv Nissin Brake Systems(Zhongshan)Co., Ltd.)を設立。

2016年3月には、Autolivグループとの合弁事業化を完了させ、四輪車用ブレーキ・コントロールおよび、ブレーキ・アプライ事業を日本、アメリカ、中国、タイの4ヶ国に分社しています。


2016年3月末時点では、子会社16社、関連会社6社でグループを構成しており、9,362人の従業員を抱えています。
事業体制は以下の3部門で構成されています。
・四輪車用部品事業
・二輪車用部品事業
・その他

現在は、生産技術の開発に力を入れる一方で、ホンダ以外の完成車メーカーへの拡販に注力しています。

年収情報

平均年収590万円自動車業界内の年収順位 67101

年収推移

  • 574.4万円

2016年度

  • 585.8万円

2017年度

  • 590.4万円

2018年度

自動車業界の平均年収 618万円
推定生涯賃金 1億9538万円

年齢別年収シミュレーション

  • 377万円

25歳

  • 450万円

30歳

  • 523万円

35歳

  • 590万円

40歳

  • 608万円

45歳

  • 596万円

50歳

平均年齢 42.7歳
平均勤続年数 18.5年

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 166,889百万円

2016年度

  • 188,221百万円

2017年度

  • 189,693百万円

2018年度

単独
  • 47,828百万円

2016年度

  • 50,882百万円

2017年度

  • 53,856百万円

2018年度

経常利益推移

連結
  • 21,703百万円

2013年度

  • 20,068百万円

2014年度

  • 18,476百万円

2015年度

単独
  • 13,603百万円

2016年度

  • 5,906百万円

2017年度

  • 6,024百万円

2018年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結
単独

2015年度における売上高は、1,677億900万円で前年度比3%増となりました。
営業利益は74億9,000万円で前年度比38.0%減、税引前利益は74億600万円で前年度比46.6%減、当期純利益は336億5,400万円で前年度比208.3%増となりました。

部門別の売上高は、

  • 四輪車用部品事業が847億9,500万円で前年度比12.6%増
  • 二輪車用部品事業が683億6,500万円で前年度比5.2%減
  • その他が145億4,900万円で前年度比5%減

となりました。

事業戦略

事業方針

日信工業は中長期的な経営目標を達成するため、以下6つを主な課題として設定しています。

  • 「環境」「安心」をテーマとした小型化・軽量化商品、先進・高付加価値商品の開発と提供
  • 市場変化に即応した競争力強化と成長基盤の構築
  • 成長市場でのビジネス拡大
  • 「製品仕様」「物造り」革新と生産・調達のグローバル化によるコスト競争力の強化
  • 環境マネジメントへの積極的な取り組み
  • 将来の成長を担い、グローバル競争を勝ち抜く人材の育成

日信工業のM&Aに関する動向は以下のとおりです。

  • 2015年11月、インドネシアの子会社P.T.Chemco Harapan NusantaraがP.T.Alcar Chemco Indonesiaの株式51%を取得し、同社を子会社化。
    二輪・四輪車用のキャストホイールの製造・販売を行っていたP.T.Alcar Chemco Indonesiaを買収することで、アルミ事業の強化を図った。

注力分野

日信工業は、四輪車向けブレーキ部品の市場シェア拡大に注力し、下記のような取り組みを行っています。

○各メーカーへの拡販と新規顧客の開拓

2015年時点では、ホンダ以外の完成車メーカーへの拡販を目的に、2015年から2016年ごろまでにインドネシアやタイ、ベトナムなどの新興国を中心に拠点を置き、回生強調ブレーキの生産を強化する方針を示していました。
また、ドイツのNissin R&D Europe, S.L.U., Niederlassung Deutschlandを拠点にヨーロッパメーカーへのPRを進め、各完成車メーカーへの拡販と新規顧客の開拓を推進する考えです。

技術動向

日信工業は、製品の軽量化、燃費の向上、CO2の排出量低減、安全・快適性の向上に貢献する研究開発をグローバルな目線で推進しています。また、商品開発だけではなく、材料開発や製造工法の開発なども行っています。

下記は、日信工業の研究開発活動の一例です。

  • 基本ブレーキングシステム開発
    ブレーキパッドとディスクの摩擦抵抗を大幅に軽減したブレーキキャリパーや、アルミを用いた軽量化製品を開発し、完成車の低燃費化を実現。
    同時に各製品のコスト削減と現地生産化を推進。
  • 軽量化技術の開発
    鉄製の部品をアルミ材で製造し、約40%の軽量化に成功。
    アルミの特性を生かした薄く、強度の高い部品の開発も行っている。
  • 電動パーキングブレーキの開発
    ドラム式とディスク式の2種類の新型電動パーキングブレーキを開発。
    2015年時点でドラム式の電動パーキングブレーキの開発は日信工業では初めてで、生産開始はともに2017年を予定している。

グローバル展開

2016年3月末時点で、日信工業はスペイン、インド、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、中国、アメリカ、ブラジル、メキシコに海外拠点を有しています。

○海外における取り組み

■中国での取り組み
  • 2014年7月、中国現地法人の中山日信工業(Zhongshan Nissin Industry)が新支店として重慶に中山日信工業有限公司 重慶分公司(Nissin R&D China-Chongqing)を設立すると発表。
    同支店では、提案力の強化と新規顧客の開拓に向けた調査および営業活動を行う。
■ドイツでの取り組み
  • 2013年10月、スペインの子会社Nissin R&D Europe, S.L.U.の支店として、Nissin R&D Europe, S.L.U., Niederlassung Deutschlandをドイツに開設すると発表。
    開発・営業活動を担い、ヨーロッパ市場での売上拡大を目指す。
■アメリカでの取り組み
  • 2013年1月、アメリカ工場での生産体制の見直しを行うと一部で報道。
    同工場で生産しているブレーキ部品の一部をメキシコ新工場に移管し、自由貿易協定(FTA)を活用した物流コスト低減で価格競争力を高める。
■メキシコでの取り組み
  • 2012年9月、メキシコのグアナファト州に新子会社、ニッシン・ブレーキ・デ・メキシコ(Nissin Brake de Mexico, S.A. de C.V.)を設立すると発表。資本金は430万メキシコペソ(約25億円)で、日信工業が全額出資。
    四輪車用部品を生産・供給を行い、同地域での競争力強化を図る。
■インドネシアでの取り組み
  • 2012年2月、日信工業の子会社P.T.Chemco Harapan Nusantaraとアルカ―(Alcar)グループの合弁会社、P.T.Alcar Chemco Indonesiaを設立すると発表。
    出資比率はAlcarグループが51%、日信グループが49%で資本金は2,000万米ドル(約16億円)。

部門構成・部門ごとの方針

日信工業は、以下の3部門で構成されています。

  • 四輪車用部品事業
    (主要製品:ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、エレクトロニックパーキングブレーキ、アルミナックルなど)
  • 二輪車用部品事業
    (主要製品:アンチロック・ブレーキシステム(ABS:Antilock Brake System)、前後輪連動ブレーキ、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、ブレーキマスターシリンダー、クラッチマスターシリンダー、アルミナックル)
  • その他

なお、2014年度から2016年度を期間とした第12次中期計画では、自動車関連製品の各事業の方針を下記のとおりに設定していました。

○四輪車用部品事業における方針

四輪車用部品事業では、総合システムメーカーとして提案力・販売力の強化を行う方針で、以下の取り組みを行っています。

  • ESC(横滑り防止装置,Electronic Stability Control)制御技術を核として、先進安全領域での高い技術力と開発力を構築
  • システム機能保証の信頼性強化
  • 新規拡販のためのリサーチ強化
  • 競争優位を確保するための体質強化

○二輪車用部品事業における方針

二輪車用部品事業では、「トップメーカーとして盤石基盤を確立する」をテーマに、以下の取り組みを行っています。

  • 新興国市場での事業展開
  • ブランド力の向上を目的としたレース活動
  • 競争優位を確保する低コスト生産の強化

会社概要

社名 日信工業株式会社
設立年 1953年10月27日
本社所在地 長野県東御市加沢801番地
市場名 東証一部
代表取締役 川口 泰
社債格付け A-
資本金 3,694百万円

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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拠点一覧

日信工業の拠点(研究開発・テストセンター含む)

国内拠点一覧
  • 本社・開発センター(長野県東御市)
  • 東部工場(長野県東御市)
  • 直江津工場(新潟県上越市)
  • ㈱NISSIN APS
  • ㈱イシイコーポレーション
海外拠点一覧
  • NISSIN BRAKEOHIO,Inc.
  • NISSIN BRAKE GEORGIA,Inc.
  • NISSIN BRAKE DE MEXICO,S.A. DE C.V.
  • NISSIN BRAKE(THAILAND) CO.,Ltd.
  • PT.CHEMCO HARAPAN NUSANTARA
  • 山東日信工業有限公司
  • 中山日信工業有限公司
  • NISSIN BRAKE VIETNAM CO.,Ltd.
  • NISSIN BRAKE PHILIPPINES CORP.
  • NISSIN BRAKE INDIA PRIVATE LTD.
  • NISSIN BRAKE DO BRASIL LTDA.

関係会社一覧

日信工業の関係会社一覧

  • NISSIN BRAKE OHIO,Inc.
  • NISSIN BRAKE GEORGIA,Inc.
  • NISSIN BRAKE DE MEXICO,S.A. DE C.V.
  • NISSIN BRAKE(THAILAND) CO.,Ltd.
  • PT.CHEMCO HARAPAN NUSANTARA
  • 山東日信工業有限公司
  • 中山日信工業有限公司
  • NISSIN BRAKE VIETNAM CO.,Ltd.
  • NISSIN BRAKE INDIA PRIVATE LTD.
  • NISSIN BRAKE DO BRASIL LTDA.

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