マーレベーアジャパン
マーレベーアジャパンの企業情報
マーレ(Mahle GmbH)は、ドイツに本社を置く独立系自動車部品サプライヤーです。ピストンシステム、シリンダー部品、バルブトレインシステム、エアマネジメントシステム、リキッドマネジメントシステムなどを手がけています。
1920年、マーレ兄弟が軽合金ピストンの開発を始めたことが、マーレの歴史の始まりです。1950年代後半から新規設立やM&Aによってグループ企業を増加させ、1971年にそれらの事業を統合する形で現在のマーレが設立。
1970年代には主にヨーロッパ諸国で、90年代に入ってからはアジアや南米などでも海外展開を強化しました。1999年には、株式を過半数保有するグループ企業に「マーレ」の名称を付与。
2000年以降も引き続き国内外の企業の買収や新拠点の設立などを行い、事業規模を拡大しています。
2013年、ベーア(Behr)を連結子会社化し、サーマルマネジメント部門としてマーレベーア(MAHLE Behr GmbH & Co. KG)を設立。2014年にはLetrikaを子会社化。2015年にはデルファイ・オートモーティブ(Delphi Automotive PLC)のサーマルマネジメント部門と、エンジニアリング会社であるAmovisを買収しています。
2014年末の時点では、世界32ヶ国に150ヶ所を超える製造拠点を有し、約66,000人の従業員を抱えています。
事業体制は、以下の4部門により構成されています。
・エンジンシステム・部品
・フィルター・エンジン周辺機器
・サーマルマネジメント
・アフターマーケット
このほか、9つのプロフィットセンターを保有しています。
マーレはエンジン部品の世界最大のサプライヤーですが、現在はサーマルマネジメント部門を新たなコア事業として設定しており、同部門の強化に注力しています。
- 01.売上等の推移(直近3年間)
- 02.事業戦略
- 03.部門構成・部門ごとの方針
- 04.マーレベーアジャパンの報道ニュース一覧
- 05.会社概要
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
2014年における売上高は、ベーア(Behr)グループとLetrikaグループの連結子会社化などが影響し、99億4,240万ユーロで前年比43.2%増となりました。
また、EBITDAが10億2,200万ユーロで前年比32.6%増、EBITが5億1,400万ユーロで前年比21.8%増、経常利益が4億1百万ユーロで前年比30.6%増、純利益が2億7,900万ユーロで前年比18.2%増となりました。
部門別の売上高は、
- エンジンシステム・部品が25億2,980万ユーロで前年比1.4%増
- フィルター・エンジン周辺機器が19億8,140万ユーロで前年比1.8%増
- サーマルマネジメントが29億9,550万ユーロで前年から約3倍
- アフターマーケットが25億2,980万ユーロで前年比1.4%増
となりました。
事業戦略
事業方針
マーレのM&Aに関する動向は以下のとおりです。
- 2015年7月、自社のサーマルマネジメント部門の強化を目的に、デルファイ・オートモーティブ(Delphi Automotive PLC)のサーマルマネジメント部門を7億2,700万ドルで買収。また、中国の合弁会社である上海徳爾福汽車空調系統(Shanghai Delphi Automotive Air-Conditioning System)のデルファイの持分をマーレが取得することでも合意。
- 2015年6月、マーレの日本法人であるマーレジャパンが、電装品やモーターを手がける日本の国産電機を完全子会社化。国産電機はマーレのプロフィットセンター「電子ドライブ&アプリケーション2」として統合。
- 2015年5月、テクノロジー分野の強化を目的に、ドイツのエンジニアリング会社であるAmovisを買収。Amovisが保有している有機ランキンサイクル(ORC:Organic Rankine Cycle)を用いた排熱回収システムは、内燃エンジンの排熱を電気や機械エネルギーの生成に使用でき、商用車の燃費を最大4%向上させ、CO2の削減にも寄与する技術。
- 2014年6月、スロベニアの国営企業であるLetrikaを子会社化することで合意。Letrikaはスロベニアのほかにボスニア・ヘルツェゴビナ、ベラルーシ、中国、ブラジルに生産拠点と研究開発拠点を有し、乗用車・商用車・オフロード車の電気モーターやジェネレーターなどを生産していた電子部品メーカー。
- 2013年12月、マーレが60%出資していたインドの合弁会社、MAHLE India Pistons Limited(MAHLE IPL)を完全子会社化。同社はチェンナイでピストンの生産を担当。
注力分野
マーレは世界最大のエンジン部品メーカーですが、自動車部品の電動化の流れに対応すべく、現在はサーマルマネジメント部門の強化に注力しています。次世代パワートレイン搭載車などに適用可能な製品の比率を高めるのが狙いです。
2013年5月、マーレはドイツ最大の自動車空調、エンジン冷却システムメーカーだったベーア(Behr)を連結子会社化。サーマルマネジメント部門として、マーレベーア(MAHLE Behr GmbH & Co. KG)を設立しました。
現在は同部門の売上高がマーレグループ全体の約30%を占めており、エンジンシステム・部品部門を超える、マーレ最大の部門に拡大しています。
また、2015年7月には、アメリカの自動車部品サプライヤーであるデルファイ・オートモーティブ(Delphi Automotive PLC)のサーマルマネジメント部門を買収しました。
デルファイの同部門が手がけていたHVACモジュールやエアーコンプレッサーなどをラインナップに加えることで、サーマルマネジメント部門を強化するのが目的です。
なお、デルファイが保有していたポーランド、スロバキア、ハンガリー、アメリカ、メキシコ、ブラジル、中国、インドの工場(13ヶ所)と、アメリカとルクセンブルクの研究開発拠点(3ヶ所)、約7,500人の従業員についても、マーレが引き継いでいます。
技術動向
マーレは2014年末時点で、世界各地域に10ヶ所の研究開発拠点を有しており、5,000人以上の従業員が研究開発活動に携わっています。
世界各地域で排出ガス規制が強化されていることを受け、マーレは現在、低燃費や低排出ガスに寄与する製品の開発に重点を置いています。
・ディーゼル乗用車向けスチールピンヘッドの量産を開始
2015年1月、世界で初めて同製品の量産を開始。アルミの約半分の熱膨張率である鉄を素材として使用しているため、低温時のエンジン出力が改善。
・「低フリクションパワートレイン」プロジェクトに参加
パワートレインの低燃費・高効率化を目指した、フリクションロスを30%削減するプロジェクト。マーレのほか、完成車メーカーのダイムラー(Daimler AG)、自動車部品サプライヤーのシェフラー(Schaeffler)やゼット・エフ(ZF Friedrichshafen AG)が参加。
・2015年「Automotive News PACE Award」を受賞
アメリカのデトロイトで行われた授賞式で、マーレのガソリンエンジン向け軽量ピストン「Evotec 2」が同賞を受賞。
・「Ward's 10 Best Engines」に選出された9基のエンジンにマーレ製品が採用
ピストンシステム、シリンダー部品、バルブトレインシステム、エアマネジメントシステム、リキッドマネジメントシステム、サーマルマネジメントシステムなどが採用。
エンジンが搭載されたのは、
ゼネラル・モーターズ(GM:General Motors Company)の「Chevrolet Corvette Stingray」、
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA:Fiat Chrysler Automobiles N.V.)の「Dodge Challenger SRT Hellcat」と「Ram 1500 EcoDiesel」、
フォード・モーター(Ford Motor Company)の「Fiesta」、
現代自動車の「Tucson」、
BMWの「Mini Cooper」、
スバルの「WRX」、
フォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)の「Golf」、
ボルボ(Volvo)の「S60」
の9つのモデル
・中国の研究開発拠点を拡張
上海に設置している研究開発拠点に1万5千平方メートルの生産エリアと3,200平方メートルのオフィスエリアを追加。同拠点には、フィルターやエンジン補助部品向け工具を生産する、博世馬勒渦輪増圧系統 (上海) 有限公司(Bosch Mahle Turbo Systems (Shanghai) Co.,Ltd.)の工場も同居。
・ペンデュラムスライダー型ポンプに関する研究結果を発表
グループ会社のMAHLE Filter Systems North America, Inc., Troyがドイツと中国で生産しているポンプについて、CO2排出量を3~4%低減させ、燃費向上に寄与するとの研究結果を発表。
グローバル展開
2014年末時点で、マーレは世界32ヶ国に150ヶ所以上の製造拠点を有しています。製造拠点の地域別の内訳は、ドイツを除くヨーロッパが47ヶ所、アジア・オセアニアが41ヶ所、北米が24ヶ所、南米が14ヶ所です。
また、ドイツ、アメリカ、日本に2ヶ所ずつ、イギリス、ブラジル、中国、インドにそれぞれ1ヶ所ずつ、研究開発拠点を設置しています。
マーレの地域別の売上高比率はヨーロッパが50%以上を占めていますが、現在はヨーロッパにおける拠点の整理縮小・生産効率化を行っています。マーレグループ全体で人件費の削減を推進しており、2019年までにドイツのロットヴァイルで最大300人、フランスのガイルドルフで最大100人を削減する方針を示しています。
一方、アジア地域(特に中国)においては、拠点の増強を積極的に行っています。
○新興国をはじめとした海外における取り組み
■中国での取り組み
- 2014年8月、武漢(ぶかん)に新設した馬勒濾清系統(湖北)有限公司(Mahle Filter Systems(Hubei)Co.,Ltd.が稼働を開始。自動車フィルターシステムとエンジン周辺部品を生産。投資総額は7,500万ユーロで、年間生産能力は200万個以上。
- 2014年8月、マーレベーア(MAHLE Behr GmbH & Co. KG)と上海三電貝?汽車空調有限公司(Shanghai Sanden Behr Automotive Air Conditioning Co.,Ltd.)の合弁会社、上海貝?熱系統有限公司(Shanghai Behr Thermal Systems Co.,Ltd.(SBTS))がエアコンとエンジン冷却システムを生産する工場を瀋陽(しんよう)に新設。
- 2014年11月、ロバート・ボッシュ(Robert Bosch)との合弁会社であるBosch Mahle Turbo Systems(BMTS)が、中国で初となる工場、博世馬勒渦輪増圧系統 (上海) 有限公司(Bosch Mahle Turbo Systems (Shanghai) Co.,Ltd.)の稼働を開始。同工場では主に中国市場向けのターボチャージャーを生産。年間生産能力は200万台。
■インドネシアでの取り組み
- 2014年10月、日系メーカー向けにエアインテークモジュールやエアダクト、シリンダーヘッドカバーなどを生産するグループ会社、PT.MAHLE Filter Systems Indonesiaの工場をジャカルタ近郊のチカランに新設。
■メキシコでの取り組み
- 2014年7月、エアコンとエンジン冷却部品・システムを生産する工場をラモスアリスペに新設。主にアメリカ市場向けに供給。
部門構成・部門ごとの方針
マーレは、以下の4部門と9つのプロフィットセンターで事業体制を構成しています。なお、プロフィットセンターは従来産業部門として機能していましたが、2015年1月に現在の形に再編されています。
- エンジンシステム・部品(主要製品:自動車用ピストン、周辺部品、バルブトレイン用部品など)
- フィルター・エンジン周辺機器(主要製品:エアフィルタ、エアインテークモジュール、オイルミストセパレータなど)
- サーマルマネジメント(主要製品:クーリング、HVACモジュール、エアーコンプレッサーなど)
- アフターマーケット(主要製品:車両整備・エンジン修理のための各種製品、エンジン整備工場で使用する製品など)
マーレベーアジャパンの報道ニュース一覧
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日本と東南アジア市場へのアクセスを改善マーレは、日本とタイ、アメリカにおいて、日本のケーヒン株式会社の空調事業を買収し引き継ぐことを発表した。マーレは、このステ...[もっと見る]
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- 2020.10.14 マーレアフターマーケット、マーケティングキャンペーン「GREAT WORK!」を開始
- 2020.10.09 マーレ、コルンヴェストハイムにグローバル開発センターを発足
- 2020.10.08 マーレ、点火システムのパッシブMJIを既存エンジンに簡単に統合できる技術を開発
会社概要
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