矢崎総業

矢崎総業の企業情報

矢崎総業は、ワイヤーハーネス世界最大手の、日本の自動車部品サプライヤーです。コネクターやヒューズといった部品だけでなく、コンビネーションメーターやデジタルタコグラフなどの計器類も手がけています。国内外の子会社および関連会社により矢崎グループを構成しており、自動車部品のほか、電線やガス機器、空調機器を扱っています。

1929年、創業社長である矢崎貞美氏が個人経営で自動車用電線の販売を開始したことが、矢崎総業の歴史の始まりです。1938年に合資会社矢崎電線営業部を、1941年に矢崎電線工業株式会社を設立しました(同年、合資会社矢崎電線営業部を吸収)。
1949年、日本で初めて自動車用ビニール電線を開発し、生産を開始。1950年代前半から60年代前半にかけて、国内のワイヤーハーネスや自動車用計器の生産工場を増設しました。
1963年、矢崎総業株式会社に改称し、製造部門を矢崎電線株式会社に分離。
この頃から、世界各地域に生産機能や研究開発機能を持った拠点を設立し始めました。こうしたグローバル展開の拡大は継続的に行われ、現在は他国のワイヤーハーネスメーカーの買収なども推進。
2010年代に入ってから、アメリカやヨーロッパ、中国などにおける独占禁止法・競争法違反が発覚し、莫大な制裁金・和解金が課されています。

2015年6月の時点では、世界45ヶ国に170の法人、476の拠点を有し、約279,800人の従業員を抱えています。
矢崎グループの自動車関連事業体制は以下の機能に分類されており、「矢崎総業」「矢崎計器」「矢崎部品」がそれぞれを担う代表的な会社に位置付けられています。
・矢崎総業:完成車メーカー向け営業、管理、研究開発
・矢崎計器:自動車用計器、自動車用メーターケーブルの開発・設計・製造
・矢崎部品:ワイヤーハーネス、コネクターなどの自動車用部品の開発・設計・製造

現在は主力であるワイヤーハーネスのほか、「コネクティビティ」「安全分野」「環境分野」製品の開発にも注力しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 1,555,700百万円

2013年度

  • 1,625,900百万円

2014年度

  • 1,740,400百万円

2015年度

従業員数推移

連結

事業戦略

事業方針

矢崎総業が世界トップのシェアを持つワイヤーハーネスの生産は労働集約型であるため、労働者の賃金が低い海外拠点の整備を行うことで、完成車メーカーからの需要に対応する方針です。
特に新興国における拠点の整備・拡充を推進していますが、政治的・経済的な不安定さが懸念されるため、グローバルで流動的な生産体制を整えることによって、リスクの分散を図る考えを示しています。
また、生産だけでなく研究開発体制についてもグローバルレベルで強化する方針です。

なお、M&Aに関する動向は以下のとおりです。

  • 2012年、インドの部品サプライヤーであるタタオートコンプシステム(Tata AutoComp Systems Ltd.)との合弁会社、タタ矢崎オートコンプ(TYA:Tata-Yazaki Autocomp)の完全子会社化を発表。ワイヤーハーネスの生産体制を強化する方針。
  • 2012年、ロシアのワイヤーハーネスメーカー、インダストリアル・ヴォルガ・カンパニー(IVC:Industrial Volga Company)を買収。同社はロシア最大の完成車メーカーであるアフトヴァース(AvtoVAZ)に向けてワイヤーハーネスを生産していたサプライヤー。

注力分野

矢崎総業はワイヤーハーネスの世界シェア首位のサプライヤーですが、現在はそれに加え、「コネクティビティ」「環境分野」「安全分野」製品の開発にも注力しています。


○環境分野

矢崎グループには環境配慮設計に関する独自の認定基準が設けられています。これに基づき、これまで小型・軽量化したロングスライドシート用ワイヤーハーネスや、消費電力が少なく小型の室内照明ドライバ、スギの間伐材を利用したワイヤーハーネスプロネクターなどの製品が開発・販売されています。

○コネクティビティ

国内におけるコネクター需要の増加を見込み、2013年に急速充電器用DCコネクターの生産量を倍増すると発表しました。同製品はEV(Electric Vehicle,電気自動車)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle,プラグインハイブリッド車)を充電するためのコネクターです。


○安全分野

2013年、コンバイナー方式ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)製品への参入を発表しました。当時、ウインドシールドタイプのヘッドアップディスプレイをトヨタ自動車に納入していましたが、ダッシュボード上に設置できる(小型車にも搭載できる)コンバイナー方式製品についても新車組み付け用として完成車メーカーへ提案し、受注を増加させたい考えです。

技術動向

矢崎総業は低賃金な先進国での生産拠点の増設を推進している一方、研究開発活動については先進国で行う体制を採っています。

下記は、矢崎総業の研究開発活動の一例です。


・自動車用コネクターの評価装置を共同開発

走査型顕微鏡で金属同士の接触を確認しつつ、コネクターの接触荷重、電気抵抗を計測することができる評価装置を、産業技術総合研究所と共同で開発。小型・軽量化コネクターの開発時に活用するのが目的。

・ワイヤーハーネスのリサイクル技術を共同開発

使用済みワイヤーハーネスから、新品銅とほとんど同品質な銅純度99.96%の素材を生産できる技術を、トヨタ自動車、豊田通商と共同で開発。

・AC普通充電器を開発

EV(Electric Vehicle,電気自動車)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle,プラグインハイブリッド車用のAC普通充電器。壁掛け式で樹脂回路が樹脂ケースに収納されているため設置時間が短縮。2017年までに約5千台の販売を予測。

・小型・軽量化コネクターを開発

コネクターの結合に摩擦抵抗の少ない端子を用いてレバーを廃止することで、従来品と比較して約50%の小型化、約30%の軽量化を実現。これに加え、製造過程で排出される二酸化炭素量を約40%低減させることに成功。

・ロック構造を2つ持つ高電圧サービスプラグを開発

ロック構造を2つにすることで、電源回路を接続・切断する際にタイムラグが生まれ、作業者が感電しない仕組み。また、従来品と比較して約50%軽量化。

・「チャデモ(CHAdeMO)1.0」対応の急速充電コネクターを開発

「チャデモ1.0」仕様に対応した、新型急速充電コネクターを開発。「チャデモ」とは、EV・PHEV用急速充電方式の共通規格。

・室内照明ドライバ「Eコネクタ」を開発

電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)から独立させ、小型化した室内照明ドライバ。バルブ照明と比較して87%の省電力化を実現。

・「タブウッド(TABWD)」を使用したワイヤーハーネスプロテクターを開発

「タブウッド(TABWD)」はスギの間伐材を利用した、矢崎グループの難燃性樹脂材料。これをワイヤーハーネスプロテクターに用いることで、従来品と比較して10%軽量化。また、低音で成型が可能なため、製造時の省電力化にも寄与。

・ドライブレコーダー一体型デジタルタコグラフ「DTG7」を販売開始

車載カメラを追加することによってドライブレコーダー機能を備えたデジタルタコグラフ。高解像度カメラによる画像認識機能が追加されたことで、車線逸脱警報や前方車両との接近警報といった先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)としても機能。

グローバル展開

2015年6月時点で、矢崎総業は世界45ヶ国に170法人を有しており、このうち106の法人が海外グループとして生産・研究開発活動などを行っています。また、全従業員279,800人のうち258,300人が国外で勤務しています。
なお、全476拠点の地域別の内訳は以下のとおりです。

  • 日本(232拠点)
  • ヨーロッパ・アフリカ(22ヶ国56拠点)
  • 豪亜(12ヶ国87拠点)
  • 米州(10ヶ国101拠点)

現在は新興国における生産体制の整備を進めており、特にカンボジアやラオス、パラグアイ、北アフリカ諸国などで展開を強化しています。


○新興国をはじめとした海外における取り組み

■アジアでの取り組み
  • 2014年から2015年3月にかけて、ベトナム、インド、インドネシアに合計4ヶ所のワイヤーハーネス工場を新設。投資額は約137億円。ベトナム工場は日本とアメリカ向けの輸出拠点とされているが、将来的にASEAN向け拠点として活用される可能性も示唆。
■パラグアイでの取り組み
  • 2013年6月、ワイヤーハーネスの生産拠点となる矢崎パラグアイ(Yazaki Paraguay S.R.L.)を設立。同年9月から稼働し、ブラジルのルノー(Renault)向けに生産を開始。
■アメリカでの取り組み
  • 2013年、ミシガン州による奨励プログラム「ミシガン・ストラテジック・ファンド(Michigan Strategic Fund)」の支援を受け、子会社のサーキット・コントロールズ・コーポレーション(Circuit Controls Corporation)が自動車用端子の工場を拡張すると発表。

矢崎総業の報道ニュース一覧

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矢崎EFDSサモアでの閉所式を無事開催矢崎総業は8月25日のプレスリリースにて、矢崎EDSサモアの閉所式を開催したことを発表した。サモアでの生産はすでに2016...[もっと見る

2017.07.17 矢崎総業、自動車用ワイヤーハーネスの製造をセルビア共和国で開始
2017.05.11 矢崎総業、行政処分について発表
2017.01.14 矢崎、Top100グローバル・イノベーター2016を受賞
2016.10.14 矢崎総業、サモアでの生産終了を決定

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会社概要

社名 矢崎総業株式会社
設立年 1941年10月8日
本社所在地 〒108-8333 東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル17F
代表取締役 矢崎 信二
資本金 3,191百万円

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