プジョーシトロエン

プジョーシトロエンの企業情報

PSA・プジョーシトロエンは、フランスに拠点を置くプジョー(Peugeot S.A.)とオトモビル・シトロエン(Automobiles Citroen)によって誕生したグループ企業であり、現在、ヨーロッパ第2位の売上を誇る自動車メーカーです。2014年、フランス政府と中国・東風汽車(とうふうきしゃ)からの出資を受け入れたことで、200年続いてきたプジョー一族による経営は幕を閉じ、経営体制が刷新されました。

プジョーの前身となったのは、1810年、プジョー一族が創立した製鉄所、プジョー兄弟とジャック・マイヤール・サランの会社(Peugeot Freres Aines et Jacques Maillard-Salins)です。1886年にプジョー自転車の量産を開始し、1889年に最初の自動車となる蒸気三輪車「セルポレ・プジョー」を発表。

1896年には初のプジョー製エンジンを搭載した「タイプ15」を登場させると同時に、乗用車とトラックの生産に特化したオートモビル・プジョー社(Automobiles Peugeot)と、工具、自転車、オートバイを生産するプジョー兄弟の息子達の会社(Les Fils de Peugeot Freres)を創立。1910年にこの2社が統合してオートモビル・サイクル・プジョー社(Societe Anonyme des Automobiles et Cycles Peugeot)が設立されました。

一方、オトモビル・シトロエンの誕生は1919年。第1次世界大戦時に砲弾を製造していたアンドレ・シトロエンが、その後自動車の開発に着手し、同年、ヨーロッパで初めての量産車「Type A」(タイプA)を市場に投入。

競合他社よりも安価で販売することで規模を拡大しましたが、その後、業績が悪化。1934年にタイヤメーカー、ミシュラン(Michelin)の傘下に入りました。1960年代にはイタリアのフィアット(Fiat)やマセラティ(Maserati)と提携するものの、1970年代に再び業績不振となり、1976年、プジョーと合併。グループ会社、PSAが誕生しました。

PSAは、1976年にマセラティを売却、1978年にはクライスラー(Chrysler)のヨーロッパ事業であるクライスラー・ヨーロッパを買収します。1982年にこのクライスラー・ヨーロッパの業績が悪化し、大掛かりなリストラなどで黒字を回復しました。

その後、1996年から2006年の10年間で売上高が1.8倍になる急成長を遂げましたが、2006年には再び業績不振に見舞われ、世界経済危機や欧州債務危機などの影響が深刻化。2014年、東風汽車とフランス政府からの出資を受け入れ、創業以来株主として経営を握ってきたプジョー家の持ち株率は14.1%に低下。経営陣が刷新され、同年、新経営陣によって経営再建に向けた中期計画「Back in the Race」が発表されました。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 7,248,060百万円

2013年度

  • 6,913,328百万円

2014年度

  • 7,326,584百万円

2015年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結

PSAの2015年度上半期の決算は以下のとおりです。

  • グループ売上高 289億ユーロ(前年同期比6.9%増)
  • 世界販売台数 154.1万台(同比5.5%増)

売上高のうち自動車部門においては、194億900万ユーロ(同比4.3%増)となりました。純利益は7億2000万ユーロとなり、前年同期の4200万ユーロの赤字から4年ぶりに黒字転換を果たしました。

増収の背景となったのは、新製品投入による価格強化で、2013年に発売したプジョー「2008」、新型「308」、シトロエンの新型「C4 ピカソ」の販売が好調です。2014年にはトヨタとの共同開発による小型車、シトロエン「C1」プジョー「108」、小型クロスオーバー車、シトロエン「C4 カクタス」も販売を開始しました。

事業戦略

事業方針

2014年、新たな経営陣によって、経営再建に向けた中期計画が発表されました。取り組みは以下のとおりです。


○中期計画「Back in the Race」

  • グループのキャッシュフローを2016年までに黒字化。また、2016~2018年の営業キャッシュフローを計20億ユーロとする
  • 自動車事業の営業利益率を2018年までに2%に引き上げ。2019~2023年には同比率を5%とする
  • 高級車のセグメントを強化するためシトロエンのプレミアムブランド、DSを独立させる
  • 利益効率向上のため現在45モデルあるラインナップを2022年までに26に削減する
  • 中国事業の強化を継続する

○フランス国内での生産を再編

PSAは、2013年の労使契約に基づいて、2014年から2016年までのフランス国内の生産再編計画を公表しました。

  • 15億ユーロ以上を投資し、各工場で新モデル1車種以上を生産する
  • 2016年にはフランス国内での生産台数を100万台規模に回復させる
  • 2016年までに研究開発費の75%をフランス国内に投資する
  • 2016年までに人件費を売上高の12.5%に抑える(2013年の実績は15.1%)
  • フランス国内で生産する車種を絞る
  • フランス国内の工場稼働率を2022年までに115%とする

これらの目標達成に向け、フランス国内の工場では人員削減や生産ラインの削減などによる効率化をはじめ、新たな生産体制の構築を進めています。

○提携関係

2012年、PSAとアメリカのゼネラル・モーターズ(General Motors、GM)は、資本提携を含むヨーロッパでの事業提携に合意。GMはPSAの株式7%を取得しました。GMは2013年、保持していたPSA株を売却しましたが、事業提携は継続しています。
そのほかにも、パワートレインや車両の開発・生産など幅広い分野で他メーカーとの協業を行っています。

●GM

・製品の共同開発・生産

PSAのプラットフォームをベースにしたMPV車((Multiple-purpose Vehicle、多目的車)とCUV車(Crossover Utility Vehicle、乗用車ベースのSUV車)の2車種を共同で開発。MPV車はスペインにあるGMの工場で、CUV車はフランスにあるPSAの工場で生産され、2016年以降に市場投入される。
また、PSAのプラットフォーム、エンジンを使用した小型商用車の共同開発を予定。

・共同購買会社を運営

2013年に、共同購買会社、GM PSA Purchasing Europe(GPPE)を設立。2013年には6000万ユーロ分のコスト削減に成功した。

・物流ネットワークを共有

GMのヨーロッパにおける物流を、PSAの元子会社で、現在はロシア鉄道が親会社の物流会社GEFCO(ジェフコ)に2013年移管。PSAとネットワークを共有する。

●フィアット

・製品の共同開発・生産、相互供給

イタリアにある合弁工場でミニバンを共同生産。また、2008年から、フィアットが出資するトルコの工場に小型ユーティリティ車を委託。
1.4Lガソリンエンジン、マニュアルトランスミッション(MT)をPSAからフィアットに供給。また、フィアットからPSAに5速MTを供給している。

●フォード(Ford)

・製品の共同開発・生産

1.4/1.6Lディーゼルエンジンの共同開発・生産について提携。

●トヨタ自動車

・製品の共同開発・生産、相互供給

2002年、チェコにトヨタとの合弁会社、トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル・チェコ(Toyota Peugeot Citroen Automobile、TPCA)を設立。この工場で生産するプジョー「107」、シトロエン「C1」に、トヨタが供給する1.0Lガゾリンエンジンを搭載している。また、小型車などを共同開発・生産。
2013年から、プジョー「Expert」(エキスパート)、シトロエン「Jumpy」(ジャンピー)をベースにした商用バンを、PSAがトヨタにOEM供給。開発費と設備投資費も両社で負担。この提携は2020年まで継続する見込み。

●三菱自動車

・製品の共同開発・生産、OEM受給

三菱自動車からPSAへ、「アウトランダー」をベースにしたSUV車、「RVR」をベースにしたコンパクトSUV、電気自動車(EV車)「i-MiEV(アイミーブ)」をベースにしたEV車をそれぞれOEM供給している。
2010年からは、プジョー「Partner」(パートナー)、シトロエン「Beringo」(ベルランゴ)向けのEVパワートレインシステム(EV車用のパワートレインシステム)の共同開発を行い、2013年に販売を開始。

・ロシアで合弁工場設立

2010年に、PSA70%、三菱30%の出資でロシアに生産工場を設立。現地で組み立てから完成までを行うCKD(Complete Knock Down)生産を行っている。

●東風汽車

・合弁会社設立

中国・東風汽車との折半出資による合弁会社、神龍汽車(シェンロンきしゃ)で、2004年からPSA車を生産している。

●長安汽車

・合弁会社設立

2011年に中国・長安汽車との折半出資合弁会社、長安プジョー・シトロエン汽車(CAPSA)を設立。2013年からシトロエン「DS5」を生産。

注力分野

○カーシェアリングサービス開始

  • ヨーロッパでEV車のカーシェアリングを手がける大手、ボロレグループと提携。EVおよびエンジン車を使用して共同でカーシェアリング事業を展開する。
  • カーシェアリングサービスを行う新興企業Wedriveの株式20%を取得。Wedriveのサービスは、利用者同士が乗り合いできるような予約システムをアプリとして提供するもので、今後、ヨーロッパで5000万人の利用を想定している。
  • プジョーは2010年からモビリティ・サービス「Mu by Peugeot」(Muバイプジョー)をスタート。オンラインで購入したポイントで、EV車を含む自動車や二輪車、自転車などをレンタルできるサービスで、現在ヨーロッパ9カ国で展開されている。
  • シトロエンは、専用サイトからレンタカーの申し込みを行い、3時間以内にユーザーに届けるシステム「Multicity」(マルチシティ)を2013 年からドイツ・ベルリンで開始。車はすべてEV車(シトロエン「C-Zero」)。フランス国内では、パリ、マルセイユ、リヨンなど全国 16 都市で展開している。

技術動向

・新モジュラー・プラットフォーム発表

それまで車種ごとに違うものを組み合わせていた車台や各部品などのモジュールを、違う車種間で共通化することでコスト削減へつなげるモジュラー化。PSAは、2013年に新たなモジュラー・プラットフォーム「EMP2(Efficient Modular Platform 2)」を発表。このプラットフォームを採用することで、70kgの軽量化と、CO2排出量を22%削減しながらより高い走行性と安全性を実現できるとしている。長期的にこのプラットフォームで生産台数の50%をカバーする予定。2014年発売のプジョーの新型「308」などで採用されている。

グローバル展開

PSAは、2014年に発表した中期計画「Back in the Race」において、フランス国内を抜いて最大の市場となった中国での事業強化を継続していくことを発表しました。中国をはじめとした海外拠点における主な取り組みは以下のとおりです。


○中国

  • 東風汽車との合弁で、2016年には4番目となる生産工場を開設予定。プジョー、シトロエン、東風汽車のブランドである風神の3ブランド向けにSUV、MPVを生産する。また、この3ブランドで年に2~3モデルを中国市場に投入していく計画。また、両社の合弁で研究・開発センターの設立や、マレーシア、ベトナムなどASEAN向けの合弁会社の設立も予定している。
  • 長安汽車との提携で、2013年、中国・広東省に工場を開設。シトロエンの「DS 5」「DS 5LS」を生産している。2014年にはシトロエンの新型高級SUV「DS 6WR」を発表した。

○アメリカ

  • アメリカ市場から撤退していたPSAが、DSブランド車を世界200都市で展開するという戦略に基づいて、2014年、アメリカ市場への復帰を示唆した。2017年までに方針を決定し、200都市のうち、アメリカでは20都市で販売される見通し。

○カザフスタン

  • 2013年、Allurグループ傘下のアグロマッシュホールディング社との間で、カザフスタンにおけるプジョー車の組み立てと販売に関する契約を締結。PSAとAllur グループは、カザフスタンにおける現地生産を強化する計画。

○イラン

  • 2011年の経済制裁以来事業が展開できなかったイランで、制裁緩和にともない、PSAも事業の再開を検討。元提携先のイラン・ホドロ(Iran Khodro)とのライセンス供与や輸出などを計画している。

○ナイジェリア

  • 2014年、PSAはPAナイジェリア社との間で、現地での生産と販売について合意。さらに、現地にディーラーネットワークを構築し、販売&サービスが行える体制を整えるとも発表している。

会社概要

社名 プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社
本社所在地 〒150-0011 東京都渋谷区東3丁目16番3号 エフ・ニッセイ恵比寿ビル
代表取締役 クリストフ・プレヴォ
資本金 400百万円

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