エフ・シー・シー
エフ・シー・シーの企業情報
エフ・シー・シーは、クラッチの構成部品の開発からクラッチ本体の組み立てまで一貫生産体制を整備する自動車部品メーカーです。
二輪車用、四輪車用のどちらも手掛け、二輪車用クラッチでは世界トップのシェアを占めています。20.66%を出資するホンダを筆頭に、ヤマハ発動機、スズキ、川崎重工業、Ford(フォード)、FCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)など国内外の大手完成車メーカー向けに供給を行っています。
エフ・シー・シーの前身となる不二ライト工業所の設立は1939年。ベークライト樹脂を主原料として、圧縮成形によるクラッチ板、歯車などの製造を開始しました。1943年、社名を富士化学工業と改称します。
1948年、本田技研研究所(現、本田技研工業)と取引を開始。1954年に鈴木自動車工業(現、スズキ)、1956年にヤマハ発動機、1971年に川崎重工業と、それぞれ取引を開始します。1982年、熊本県に九州不二化学(現、九州エフ・シー・シー)を設立。同年、社名を現在のエフ・シー・シーに改称します。
1988年、初の海外拠点となる子会社、JAYTEC(現、FCC[INDIANA])をアメリカ・インディアナ州に設立します。続いて翌1989年、タイ・バンコク市に子会社、FCC(THAILAND)(FCCタイランド)を設立。1992年、台湾・台南市の光華興工業股份有限公司に資本参加(後に子会社化。現、台湾富士離合器股分有限公司[FCC Taiwan])。翌1993年、フィリピン・ラグナ州に子会社、FCC(PHILIPPINES)(FCCフィリピン)を設立するなど、グローバルでの展開を積極的に進めます。
2014年、第9次中期経営計画を発表。2016年を最終年度として現在取り組みを行っています。
○四輪車用クラッチ事業
オートマチックトランスミッション(AT)用クラッチ、マニュアルトランスミッション(MT)用クラッチ、トルクコンバーター用ロックアップクラッチ、無段変速機(CVT)用クラッチ、4WD用デフクラッチほか。
○二輪車用クラッチ事業
オートバイに使用されるクラッチを複数枚重ねた多板クラッチと、スクーターに使用されるエンジンの回転数が上がることで生じる遠心力でクラッチ板をつなぐ遠心クラッチなど。
年収情報
平均年収658万円 / 自動車業界内の年収順位 27/101位
年収推移
自動車業界の平均年収 | 618万円 |
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推定生涯賃金 | 2億1795万円 |
年齢別年収シミュレーション
平均年齢 | 40.5歳 |
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平均勤続年数 | 16.3年 |
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
エフ・シー・シーは2016年3月期の連結業績を発表しました。
- 売上高 1,674億2,900万円(前年比8.4%増)
- 営業利益 97億3,600万円(前年比11.3%増)
- 当期純利益 61億6,200万円(前年比14.8%減)
事業別では、四輪車用クラッチにおいては国内自動車販売は減速したものの、アメリカでのフォード(Ford)、ドイツの自動車部品メーカー、ゼット・エフ(ZF)、FCA向けの販売および中国での販売が増加したことによって、売上高は868億2,100万円(前年比21.5%増)となりました。営業利益は、減価償却費の増加や減損損失の影響などがあったものの、増収や内作費削減などの効果もあり、14億2,100万円(前年は4億1,100万円の営業損失)となりました。
二輪車用クラッチ事業においては、インドやベトナムで販売が増加した一方で、インドネシアやブラジルの二輪車市場が減速したことにより、売上高は806億700万円(前年比2.8%減)となりました。営業利益は、内作費削減などの効果はあったもののブラジルの減収や減損損失の影響などもあり、83億1,400万円(前期比9.2%減)となりました。
地域別では、日本では、国内自動車販売の低迷によって売上高は244億7,800万円(前年比5.3%減)となりました。営業利益は、減収の影響や減損損失の影響などによって12億2,100万円(前期比49.9%減)となりました。
アメリカでは、フォードやZF、FCA向けの四輪車用クラッチの販売が増加したことによって、売上高は623億8,700万円(前年比22.1%増)となりました。営業利益は、減価償却費の増加などがありましたが、増収に伴う利益の増加や内作費削減などの効果もあり、24億1,000万円(前年比920.1%増)となりました。
アジアでは、インドネシアの二輪車市場は減速したものの、インドやベトナムで二輪車用クラッチの販売が増加したことに加え、中国で四輪車用クラッチの販売が増加したこともあり、売上高は779億7,100万円(前期比4.9%増)となりました。営業利益は、増収に伴う利益の増加や内作費削減などの効果はあったものの、減損損失の影響などによって50億2,800万円(前期比11.8%減)となりました。
その他の地域では、ブラジルの二輪車用クラッチの販売が減少したことにより、売上高は25億9,100万円(前期比18%減)となりました。営業損益は、ブラジルの減収の影響やメキシコの立ち上げ費用の増加によって、4億4,000万円の営業損失(前年は7,100万円の営業損失)となりました。
上記を踏まえた次期、2017年3月期の連結業績予想は以下のとおりです。
- 売上高 1,600億円(前年比4.4%減)
- 営業利益 100億円(前年比2.7%増)
- 当期純利益 74億円(前年比20.1%増)
事業戦略
事業方針
2014年、エフ・シー・シーは第9次中期経営計画(2014~2016年度)を策定しました。
<2016年度数値目標>
- 売上高 1,750億円
- 営業利益 125億円
<主要施策>
○二輪車用クラッチ事業
- 生産体制改善による収益性の向上
- インドの生産能力拡充
合弁会社、FCC RICO(現、FCC INDIA MANUFACTURING[FCCインディア・マニュファクチャリング])を2014年に完全子会社化。2016年を目処に、同社のインドの二輪車用クラッチ市場でのシェアを2014年度の55%から64~65%へ引き上げる計画。
また、2015年にインド子会社の一部門としてテクニカルセンターを設立した。
○四輪車用クラッチ事業
- アメリカの新機種立ち上げと安定した量産体制の強化
2013年、主要取引メーカーのホンダが中型車クラスまでの変速機をCVT(無段変速機)に変更していくことに対応するため、北米、中国、インドネシアの生産拠点でそれぞれクラッチ生産ラインのCVT化を進めている。2014年度中に日本を含めた合計6ラインを整備し、年間300万台の供給体制を整える。 - アメリカ・中国の収益性の向上
2015年、アメリカ・インディアナ州の子会社、FCC(Adams)(FCCアダムス)と中国・四川省の子会社、成都永華富士離合器有限公司(成都FCC)で、新機種への対応および生産能力拡充に向け設備投資を行ったと発表。
注力分野
○国内生産拠点の再編
エフ・シー・シーは、リスク回避と生産性の向上に向けて国内生産拠点の再編を進め、2015年中に一連の事業移管を完了しました。
- 津波災害の危険がある静岡県・磐田市の竜洋工場の主要工程の移管を進めると発表。
四輪車用クラッチ生産ラインを静岡県・浜北工場と静岡県・天竜工場に移管。クラッチの主要部品であるペーパーベースの摩擦材は三重県・鈴鹿工場およびアメリカ・インディアナ州にあるFCC(North Carolina)(FCCノースカロライナ)にそれぞれ移管。
○インドの生産能力拡充
2014年から2020年にかけて世界の二輪車市場が1,000万台増加し、その大半をインド市場が担うと見込み、インドにおける二輪車用クラッチ事業の生産拡大を進めています。
- 2014年、インドの部品メーカー、Rico Auto Industries(リコ・オート・インダストリーズ)との合弁で設立した、二輪車用・四輪車用のクラッチを製造・販売するFCCリコの全株式を取得し、完全子会社化すると発表。
2016年を目処に、同社の、インドの二輪車用クラッチ市場でのシェアを2014年度の55%から64~65%へ引き上げる計画。
- 2015年、インド・ハリヤナ州にあるインド子会社の一部門としてFCC INDIA Technical Center(FCCインディア・テクニカルセンター)を設立した。
営業・開発・購買部門における機能強化が目的。
技術動向
○製品開発
・デュアルクラッチトランスミッション用の湿式クラッチの開発推進
2015年、四輪車用デュアルクラッチトランスミッション(DCT)用のクラッチを開発すると発表。
今後の採用が見込まれる、エンジン内部を巡るオイルがクラッチにも行き届く湿式クラッチの開発を進め、2016~2017年の製品化を目指す。
これまで二輪車用のDCTを開発していたが、主要取引先のホンダがハイブリッド車(HEV)にDCTを採用していることなどから製品化への取り組みを開始。本製品で四輪車事業にも参入する。
グローバル展開
エフ・シー・シーは現在、二輪車用クラッチ事業におけるインドでの生産能力増強と、四輪車用クラッチ事業においては、北米での生産拠点増強および競争力の強化を進めています
○韓国
- 2013年、クラッチおよびクラッチディスクなどを製造する韓国の自動車部品メーカー、SEOJIN AUTOMOTIVE(ソジンオートモーティブ)との合弁で、韓国・京畿道(けいきどう)にFCC SEOJIN(FCCソジン)を設立したと発表。
四輪用クラッチの製造・販売を行う。
○メキシコ
- 2013年、メキシコ・サンルイスポトシ州に子会社、FCC AUTOMOTIVE PARTS DE MEXICO(FCCオートモーティブパーツ・ド・メキシコ)を設立。
2015年から稼働。北米で稼働中の他の拠点との相互補完体制を活用し、ホンダが2015年中にメキシコで生産を始める無段変速機(CVT)のクラッチを生産する。2017年度に売上高約60億円を目指す。
○中国
- 2014年、中国子会社の成都FCCが、長安フォードより前輪駆動車(FF車)用の6速オートマチックトランスミッション(AT)のクラッチASSY(アッセンブリー、部品単体ではなく複数が組み合わされたユニットのこと)と摩擦板を受注したと発表。
同年量産を開始。
○インド
- 2014年、二輪車・四輪車用クラッチを扱う連結子会社、FCC Clutch India(FCCクラッチ・インディア)を設立したと発表
- 2014年、インドのリコ・オート・インダストリーズとの合弁子会社、FCC RICO(現、FCCインディア・マニュファクチャリング)を完全子会社化。
- 2015年、インド子会社の一部門としてFCCインディア・テクニカルセンターを設立すると発表。
現地メーカーの開発情報やニーズへの対応を迅速に行い、営業・開発・購買など各部門における機能強化を図るとしている。
会社概要
拠点一覧
エフ・シー・シーの拠点(研究開発・テストセンター含む)
国内拠点一覧 |
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海外拠点一覧 |
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関係会社一覧
エフ・シー・シーの関係会社一覧
- FCC(North America),Inc.
- FCC(INDIANA),LLC.
- FCC(North Carolina),LLC.
- FCC(Adams),LLC
- FCC AUTOMOTIVE PARTS DE MEXICO,S.A.DE C.V.
- FCC(PHILIPPINES)CORP.
- 愛富士士(中国)投資有限公司
- 成都永華富士離合器有限公司
- 上海中瑞・富士離合器有限公司
- 佛山富士離合器有限公司
- 台灣富士離合器股份有限公司
- FCC CLUTCH INDIA PRIVATE LTD.
- PT. FCC INDONESIA
- FCC(VIETNAM)CO.,Ltd.
- FCC DO BRASIL LTDA.
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
- イリノイ・ツール・ワークス
- インフィニオンテクノロジーズ
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