ケーヒン
ケーヒンの企業情報
ケーヒンは、東京都に拠点を置く、エンジンをはじめ、パワートレイン系部品、電子制御部品などを生産する自動車部品メーカーです。四輪車部品と、二輪車部品・汎用製品の2分野を設けています。ホンダ系列であり、ホンダへの納入は連結売上高の85%強を占めています(2015年3月現在)。
ケーヒンの創業は1956年。翌1957年、自動車部品の加工および修理を開始します。同年開発した自動二輪車用の気化器(キャブレーター)がホンダの自動二輪車「ドリーム号」、富士重工工業「ラビット号」に採用。
1963年、四輪車用気化器を開発し、ホンダに納入を開始します。1969年、宮城県に気化器主力工場(現、宮城第一製作所)を開設。1971年に、同じく宮城県に金津製作所(現、ケーヒンサクラ)、1973年、こちらも宮城県に京浜気化器(現、宮城第二製作所)を設立するなど、国内で生産拠点の設立を進めます。
1981年、台湾に初の海外拠点となる京濱精機股份有限公司(現、台灣京濱化油器股份有限公司、TAIWAN KEIHIN CARBURETOR)を設立。1988年、アメリカ・インディアナ州にインディアナプレシジョンテクノロジー(現、Keihin North America、ケーヒンノースアメリカ)を、翌1989年、タイ・ランプーン県にケイヒンセイキ タイランド(現、ケーヒン タイランド)を設立。その後も、2010年代にかけてグローバルでの展開を進めます。
1997年、同じホンダグループのハドシス、電子技研と合併し、現在のケーヒンに社名を変更しました。
2012年、株式取得により、昭和電工から自動車空調用熱交換器事業子会社である、サーマル・テクノロジーを譲受。ケーヒン・サーマル・テクノロジー、ケーヒン・サーマル・テクノロジー・オブ・アメリカ、ケーヒン・サーマル・テクノロジー タイランド、大洋昭和汽車空調大連有限公司(現、京濱大洋冷暖工業(大連)有限公司、Keihin-Grand Ocean Thermal Technology Dalian)、ケーヒン・サーマル・テクノロジー・チェコ・エスアールオーを子会社化しました。
2015年、ケーヒンは早期希望退職者の募集を発表。国内生産量の減少に伴ない国内事業は赤字基調が継続していたため、国内事業の体質強化施策の一つとして実施しました。同時に、ハイブリッド車(HEV)用新型パワーコントロールユニット(PCU)の中核部品であるインテリジェントパワーモジュール(IPM)など新領域の生産拡大と品質向上に向けた配置転換、業務の見直しなどを行いました。
○事業内容
・四輪事業
パワートレイン系の製品をはじめ、カーエアコン用の、空気を暖めるヒーターと冷媒の気化によって空気を冷やす蒸発器を持つHVAC(エッチバック)ユニットなど空調系の製品ほか。
・二輪・汎用事業
低燃費、低排ガス排出などに貢献する気化器、空気と燃料の比率の制御を高精度にするFI(電子燃料噴射)システムなど小型・大型二輪車向け製品。また、船舶用製品など。
- 01.年収情報
- 02.売上等の推移(直近3年間)
- 03.事業戦略
- 04.部門構成・部門ごとの方針
- 05.ケーヒンの報道ニュース一覧
- 06.会社概要
- 07.拠点一覧
- 08.関係会社一覧
年収情報
平均年収624万円 / 自動車業界内の年収順位 45/101位
年収推移
自動車業界の平均年収 | 618万円 |
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推定生涯賃金 | 2億0660万円 |
年齢別年収シミュレーション
平均年齢 | 42.1歳 |
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平均勤続年数 | 17.9年 |
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
ケーヒンの2015年度中間期(2015年4月~9月)の連結業績は以下のとおりです。
- 売上高 1,712億4,600万円(前年比8.6%増)
- 営業利益 112億900万円(前年比0.5%増)
- 純利益 45億4,700万円(前年比21%減)
売上高の内訳は、四輪車製品では、1,272億3,900万円、二輪・汎用製品では、440億800万円。
利益においては、事業合理化の効果や円安による為替などの影響によって、営業利益は前年比5,700万円の増益となりました。純利益は、法人所得税費用の増加などによって、前年比12億800万円減益という結果でした。
地域別では、日本国内の四輪車製品の販売減少や、アジアで二輪車製品が販売減少となりました。
一方、北米や中国で四輪車製品が好調に推移し、さらに円安による為替換算上の影響によって増収となりました。
上記を踏まえた2015年度(2015年4月~2016年3月)の通期業績予想は以下のとおりです。
- 売上高 3,410億円
- 営業利益 230億円
- 純利益 118億円
事業戦略
事業方針
ケーヒンは2014年、第12次中期グローバル方針(2014年~2016年度)を発表しました。
○生産台数
- 2016年度目標は5,300万台(2013年度実績4,319万台)。このうち、四輪車部品は2013年度比約20%増、二輪車・汎用部品は2013年度比約25%増
- 2020年度目標6,500万台以上
○売上高
- 2016年度目標は2013年度比10%増
- 主要取引メーカー以外の売上比率を2016年度は20%、2018年度は30%を目指す
○製品別生産拡大
・四輪車分野
直噴エンジン対応の、電子式の燃料噴射装置の部品の一つで電子制御によって動作するインジェクターの生産規模を2016年度640万本に引き上げ(2013年度実績21万本)。この目標を達成するため、これまで国内のみに設置していた直噴エンジン対応インジェクターの生産ラインを2015年、北米とメキシコに設置。
ハイブリッド車(HEV)用の、モーターを駆動させるためにバッテリーの出力を制御するユニットであるパワーコントロールユニット(PCU)の生産規模を2016年度13万台以上に引き上げ(2013年度実績2万台)
・二輪車分野
気化器、燃料噴射システム2部品の世界シェアを2016年度50%以上に引き上げ(2013年度実績47%)
注力分野
○新エネルギー車向け部品の開発推進
・天然ガス車向け燃料供給システムを新開発
2014年、天然ガス車向けの新型燃料供給システム(NGV)を開発したと発表。
このシステムは、小型・軽量化によって、ガス燃料自動車の低燃費化に貢献。さらに、同社独自の制御システムにより、小型車から大型車、液化石油ガス(LPG)車、過給器付きエンジンなど、幅広い車種などへの搭載を可能にするとしている。
天然ガスなどを燃料とするガス燃料自動車は、ガソリン車に比べてCO2など温室効果ガスや有害物質の排出が少なく、燃料が比較的安価なため、東南アジアを中心に増加している。
このNGVシステムは、同年、ホンダがタイで発売した新型「シティCNG」向けに納入を開始した。
今後、同システムのグローバルシェアを2020年に30%を目指すとしている。
・ハイブリッド車用新型パワーコントロールユニットの中核部品を開発
ハイブリッド車(HEV)の発電や走行用のモータをコントロールする新型のパワーコントロールユニット(PCU)の中核部品であるインテリジェントパワーモジュール(IPM)。
ケーヒンは、2015年に自社開発したインテリジェントパワーモジュールの量産を、同年開始したと発表。
同製品は、パワー半導体の低損失と高耐熱、小型化を実現。同製品を搭載したパワーコントロールユニット(PCU)は、業界でもトップクラスの出力の高さを誇るとしている。
今回のパワーコントロールユニットとインテリジェントパワーモジュールは、先進環境製品として、ハイブリッド車(HEV)だけでなく電気自動車(EV)をはじめ燃料電池電気自動車にも応用が可能。
今後、生産増強する計画。
○ホンダ以外の完成車メーカーとの取引拡大
- 2014年、アメリカの完成車メーカー、フォード(Ford)傘下のリンカーンブランドの「MKC」向けにカーエアコン用の、電気エネルギーを蓄えたり放出したりする電子部品であるコンデンサの納入を開始。
また、同年発売されたフォードの「マスタング」向けにも別タイプのカーエアコン用コンデンサを納入している。
中国では、2014年、長安フォードの「Kuga」向けにカーエアコン用コンデンサの量産を開始。
チェコでは、同じく2014年にフォード「Focus」(フォーカス)、「Escape」(エスケープ)向けにカーエアコン用コンデンサの生産を開始。 - 2014年、中国子会社の京濱大洋冷暖工業(大連)佛山分公司は、一汽-大衆(フォルクスワーゲン、Wolkswagen)向けにカーエアコン用コンデンサの納入を開始。
同2014年、メキシコ子会社のケーヒン・デ・メキシコはフォルクスワーゲン・メキシコ向けにカーエアコンの納入を開始した。
技術動向
○製品開発
・ダウンサイジング直噴ターボエンジン用システム製品を開発
2015年、ダウンサイジング(小排気量)直噴ターボエンジンに適したインジェクター(燃料噴射ノズル)、電子制御ユニット、電子制御スロットルボディ、インテークマニホールドから構成されるシステム製品を新開発。同年、量産を開始した。
これらのシステムは、ホンダが同年発売した新型「ステップワゴン」に採用された。
今後、幅広い車種への展開を目指す。
○設備開発
・生産性を向上させる設備を新開発
2015年、自動車部品の切削(せっさく)加工機を開発したと発表。超小型ビルトインモーターと、小型・高精度・高速のビルトイン型スピンドルを一体化したもので、従来の加工機の4倍の回転数を実現したという。
同年、宮城工場の小型二輪用スロットルボディの生産ラインに導入。2016年以降、アジアの工場にも導入予定。
グローバル展開
現在、中国、アジア、アメリカを中心に事業を拡大させているケーヒン。中でも近年は、北米での四輪車の需要拡大に対応するため、直噴エンジン対応のインジェクターの量産を現地で進めています。
○中国
- 2014年、中国子会社の京濱大洋冷暖工業(大連)佛山分公司は、一汽-大衆(フォルクスワーゲン、Wolkswagen)向けにカーエアコン用コンデンサの納入を開始。
- 2014年、中国・湖北省に自動車用空調製品を生産する現地子会社、京濱(武漢)汽車零部件有限公司(Keihin Wuhan Automotive Components)を設立。
2016年に稼働し、中国国内向けの新型空調ユニット、HVACの量産を開始した。
○インドネシア
- 2014年、インドネシアの生産子会社、PT Keihin Indonesia(ピーティーケーヒンインドネシア)のベカシ県にある第1工場で四輪車用電子制御部品(ECU)の生産を開始したと発表。
同工場の二輪車用ECUラインの一部を共用するとともに、小型でシンプルなラインを新設。設備投資費を抑えながらも、四輪車用部品の生産品目を広げる計画。
○インド
- 2014年、インド・バンガロールでインド子会社のケーヒンエフ・アイ・イー・プライベート・リミテッド(KFI)の第3工場が稼働。二輪車用気化器の量産を開始した。
生産能力は、2014年度末の年120万台から2016年度に年340万台まで拡大する計画。
○メキシコ
- 2014年、メキシコ・サン・ルイス・ポトシ州にある子会社のケーヒン・デ・メキシコで、フォルクスワーゲン向けにカーエアコン用コンデンサの生産を開始。
世界の完成車メーカーが生産を拡大するメキシコで生産品目を広げることで、現地調達化を実現する計画。
生産能力は年75万台。
○アメリカ
- 2015年、直噴エンジン対応のインジェクターの生産を、メキシコ子会社、ケーヒン・デ・メキシコと、アメリカ子会社、ケーヒンアイピーティーマニュファクチュアリングで開始。
労働力による業務の割合が多い部品加工ラインはメキシコで、部品精度が要求されるラインはアメリカでそれぞれ生産。
同年、北米で発売されるホンダ「Pilot」(パイロット)向けに納入する計画。
部門構成・部門ごとの方針
ケーヒンは、これまで中国や東南アジアなど新興国で行っていた生産を、日本へ移管する計画を進めています。2017年度には国内生産量を2~3割引き上げる見通しです。
- 従来、EGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブの部品の一部を中国から輸入していた宮城工場では、今後、すべての部品を日本で調達する方針。
- 2015年度内にエンジン用ECU、スロットルボディの生産を国内で開始する。
ケーヒンの報道ニュース一覧
- 2020.07.07 ケーヒン、傘下の南京京濱化油器有限公司が中国企業から「最優秀取引先賞」を獲得
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開発・品質・コストなどでの高い貢献が評価株式会社ケーヒンは、同社中国拠点の南京京濱化油器有限公司が、江門市大長江集団有限公司から「最優秀取引先賞」にとして表彰さ...[もっと見る]
- 2019.08.07 ケーヒン、英国の子会社を解散
- 2018.08.17 ケーヒン、中国の上海に新たな営業拠点を開設
- 2017.10.10 ケーヒン、フォルクスワーゲン向け熱交換器事業を拡大
- 2017.04.18 ケーヒン、中国のグループ会社が「CMMI」レベル4を取得
会社概要
拠点一覧
ケーヒンの拠点(研究開発・テストセンター含む)
国内拠点一覧 |
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海外拠点一覧 |
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関係会社一覧
ケーヒンの関係会社一覧
- ケーヒンアイピーティーマニュファクチュアリング・エルエルシー
- ケーヒン・デ・メキシコ・エスエーデシーブイ
- ケーヒン(タイランド)カンパニー・リミテッド
- ケーヒンオートパーツ(タイランド)カンパニー・リミテッド
- ケーヒン・サーマル・テクノロジー(タイランド)カンパニー・リミテッド
- ピーティーケーヒンインドネシア
- ケーヒンエフ・アイ・イー・プライベートリミテッド
- ケーヒンベトナムカンパニー・リミテッド
- 南京京濱化油器有限公司
- 東莞京濱汽車電噴装置有限公司
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