ピレリ
ピレリの企業情報
ピレリ(Pirelli Tyre S.p.A.)は、タイヤを専門的に手がけるイタリアの自動車部品メーカーです。同国における最大のタイヤメーカーで、乗用車、二輪車、トラック、バス、農機用のタイヤを扱っています。
ラリーやレースにタイヤを供給するなど、モータースポーツとの関わりが強いため、特にスポーツ車や高級車向けタイヤに強みを持っています。
1872年、ジョバンニ・バッティスタがミラノで設立したPirelli & C.が、現在のピレリの前身です。1901年に乗用車用タイヤの生産を開始しました。
1960年代にはVeith tire company、80年代にはMetzeler Armstrongなど、他のタイヤメーカーを買収。
1990年代から海外展開を開始し、1995年にインドネシア、1996年には中国に進出しました。
2000年以降も海外展開を推進し、ルーマニア、ロシア、メキシコなどで拠点の設置、合弁会社の設立などを実施。
2014年、スチールコード事業をベルギーのベカルト(Bekaert)に売却しました。
2015年には中国の中国化工集団(ChemChina:China National Chemical Corporation)がピレリの買収を発表しました。
2014年末時点では、世界4ヶ国に19ヶ所の拠点を有しており、約37,600人の従業員を抱えています。
なお、スチールコード事業を売却したため、現在はタイヤ部門のみで事業を展開しています。
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
2014年における売上高は、南米市場で産業用(バス、トラック、農機)タイヤが後退したことが影響し、60億1,810万ユーロで前年比0.7%減となりました。
また、営業利益は8億3,790万ユーロで前年比6.8%増、純利益は3億3,280万ユーロで前年比8.6%増となりました。
タイヤ部門における売上高は60億750万ユーロで、製品別の売上高比率は、
- 自動車用タイヤが70.3%
- 二輪車用タイヤが6.4%
- 産業用タイヤが23.3%
事業戦略
事業方針
ピレリは中期計画「2013‐2017 Industrial Plan」において、以下の数値目標を掲げています。
- 2016年におけるプレミアムカー向けタイヤの売上高の割合を、全体の約60%まで引き上げる
- 2017年の営業利益率を15%以上に増加させる
- 2017年の投資利益率(ROI)を28%に増加させる
- 2014年から2017年末のあいだにおける設備投資額を16億ユーロとする
- 2017年末までに、乗用車用タイヤ14品種、二輪車用タイヤ21品種、トラック用タイヤ11品種を製品改良する
このほか、中型乗用車用タイヤの冬用タイヤやセルフシールタイヤといった機能性タイヤの積極的な展開、南米・中東・アフリカ市場における産業用タイヤのシェアの確保、商用車向け事業の価格競争力を高めることを目的とした、低コスト国におけるヨーロッパ向け製品の生産体制の強化などに取り組む方針を示しています。
なお、他社との提携やM&Aに関する動向は以下のとおりです。
- 2014年2月、スチールワイヤーメーカーの大手であるベルギーのベカルト(Bekaert)に、ピレリのスチールコード事業を2億5,500万ユーロで売却。イタリア、ルーマニア、ブラジルの工場に続き、トルコ、中国の工場も売却。また、ベカルトがピレリにタイヤコードを長期的に供給する契約を締結したほか、製品開発などでも協力することで合意。
- 2015年4月、ロシア最大の国営石油会社であるロスネフチ(Rosneft)と2014年に締結した了解覚書に基づき、合成ゴムの研究・生産・供給に関する技術パートナーとして、ポーランドの化学原料メーカーであるシントス(Synthos)を選出したと発表。3社は、ロスネフチの子会社であるFar East Petrochemical Company(FEPCO)を活用する方針。
- 2015年6月、ロスネフチとのパートナーシップの拡張を発表。ロスネフチが運営するサービスステーションにおいて、ピレリ製品の販売を強化する方針。また、2019年までに販売所を200ヶ所に増加させる計画。
- 2015年3月、中国化工集団(ChemChina:China National Chemical Corporation)が、子会社の中国化工橡膠公司(CNRC:China National Tire & Rubber Co.)を通し、71億ユーロでピレリを買収すると発表。ピレリのトラック用タイヤ・商用車用タイヤ事業は中国化工集団傘下の風神タイヤ(風神輪胎股份有限公司(Aeolus Tyre Co., Ltd.))に統合。
技術動向
2013年末時点で、ピレリは世界各地域に10ヶ所の研究開発拠点を有しており、約1,400人が研究開発活動に携わっています。
下記は、ピレリの研究開発活動の一例です。
・BMWのBest Innovation in Quality賞を受賞
2014年BMWサプライヤー・イノベーション・アワード(2014 BMW Supplier Innovation Award)において、Real Dynamic Curing技術が評価され、同賞を受賞。Real Dynamic Curing技術は感熱センサーを用い、各タイヤに最適な加硫条件を適用させることを可能にするもの。
・「サイバータイヤ(Cyber tyre)」がフェラーリ(Ferrari)に採用
同製品は、タイヤに埋め込まれたマイクロチップが車・タイヤの状態、路面状況をドライバーや電装部品に伝達することで、安全性・効率性の向上に寄与するインテリジェントタイヤ。フェラーリ「FXX Hybrid」に採用。
・「サイバーフリート(Cyber Fleet)」を開発
同製品は、テレマティックボックスとセンサーが搭載された、タイヤの圧力や温度などをリアルタイムで管理者に報告するトラック用のモニタリングシステム。パンクなどのタイヤに関する異常を通知する装置としても機能。
・F1用新型18インチタイヤを開発
2014年に新型18インチコンセプトタイヤのトラックテストを実施。2016年まで、F1世界選手権(FIA Formula One World Championship)にタイヤを供給する唯一のサプライヤーに選出。
・ゴム分野の共同開発を推進
ロシアの国営石油会社であるロスネフチ(Rosneft)およびポーランドの化学原料メーカーであるシントス(Synthos)と、ロシアのナホトカにおいて、スチレンブタジエンゴム(SBR)などの共同開発を進める考え。
グローバル展開
2014年末時点で、ピレリは世界4ヶ国に19ヶ所の拠点を有しています。
合弁拠点を含めた国別の生産拠点の内訳は、本国イタリアに2ヶ所、ドイツに1ヶ所、イギリスに2ヶ所、ロシアに2ヶ所、トルコに1ヶ所、ルーマニアに1ヶ所、アメリカに1ヶ所、メキシコに1ヶ所、ベネズエラに1ヶ所、ブラジルに4ヶ所、アルゼンチンに1ヶ所、エジプトに1ヶ所、中国に1ヶ所、インドネシアに1ヶ所です。
ピレリは2013年までにメキシコ、中国、ルーマニアなどの新興国における工場建設を完了させており、低コストで製品を生産できる体制を整えています。
また、2014年11月には、合弁会社であるAlexandria Tire(Atco)の工場拡張に関して、エジプトの投資省と了解覚書を締結したと発表しました。エジプトのアレクサンドリアでトラック用ラジアルタイヤを生産している同工場の拡張と技術的なアップグレードを行い、年間生産能力を30万個に増強する方針で、3年にわたり1億7百万ドルを投資する考えを示しています。
会社概要
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
- イリノイ・ツール・ワークス
- インフィニオンテクノロジーズ
- ヴァレオ
- 濰柴動力股份
- エバースペッシャー
- MRF
- マザーソン・スミ・システムズ
- オートリブ
- クーパー・スタンダード・ホールディングス
- クーパー・タイヤ・アンド・ラバー
- クノールブレムゼ
- クムホタイヤ
- グルーポアントリン
- ラインメタル・オートモーティブ
- コンチネンタル・オートモーティブ
- CIEオートモーティブ
- GKN
- シェフラー
- ジョンソンコントロールズ
- ジョンソン・マッセイ
- ZF/ZF TRW
- ソルベイ
- 星字(ソンウ)ハイテック
- デーナ
- TIオートモーティブ
- TEコネクティビティ(タイコエレクトロニクスジャパン)
- テネコ
- ドラクスルマイヤー
- イートン
- SKF
- ハネウェル
- IAC
- ネクスティア・オートモーティブ
- ネマク
- ハリタ・シーティング・システムズ
- ビステオン
- 現代WIA(ヒュンダイダブリュアイエー)
- 現代モービス(ヒュンダイモービス)
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- マン・ウント・フンメル
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- レオニ
日系自動車部品メーカー情報
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