ジョンソンコントロールズ
ジョンソンコントロールズの企業情報
ジョンソンコントロールズは、アメリカ最大手の自動車用内装・シートメーカーです。シート製品業界においては、世界最大手に位置しています。
1883年に特許を取得した「電気式室内サーモスタット」をもとに、1885年、発明者のウォーレン・ジョンソン氏がジョンソン・エレクトリック・サービス・カンパニーを創業。1901年には自動馬車用の蒸気発生器の開発に成功し、蒸気自動の自動車やトラックの製造を開始。1967年から自動車バッテリー事業および自動車シート事業に本格参入しました。1974年に現社名であるジョンソンコントロールズに社名を変更。現在は世界150ヶ国に1,300ヶ所以上の拠点を持つ企業となりました。
事業体制は自動車部品部門(シート製品、内装製品)を中核に、バッテリー部門(バッテリー製品)、ビルディングシステム部門(施設のシステム管理)に分けられており、総売上の7割を自動車部品部門、2割をバッテリー部門、1割をビルディングシステム部門が占めています。
近年は、電気自動車・アイドリングストップに対応するためバッテリー生産の増強および開発に注力しています。2013年にはドイツのバッテリー工場に1億円を投じ、生産能力や従業員数を増加させる組織強化を行いました。
また、2014年には「General Motors Supplier of the Year Award」および「Overdrive Award」、2015年には「TNGA推進優秀賞」を受賞しています。
- 01.売上等の推移(直近3年間)
- 02.事業戦略
- 03.部門構成・部門ごとの方針
- 04.ジョンソンコントロールズの報道ニュース一覧
- 05.会社概要
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
2014年におけるジョンソンコントロールズの売上高は428億2,800万ドルで、前年の414億1千万ドルを上回っています。
部門別の売上高は、
- 自動車部品部門が220億3,200万ドル(前年は204億6,100万ドル)
- バッテリー部門が66億3,200万ドル(前年は63億5,800万ドル)
- ビルディングシステム部門が141億6,400万ドル(前年は145億9,100万ドル)
となりました。
事業戦略
事業方針
ジョンソンコントロールズは、中南米における自動車用バッテリー事業の拡大に向けてコロンビアのバッテリーメーカーであるMACの株式を90%取得しました。この取引によって、両社の拠点を広げ新技術の導入が見込まれるほか、コロンビアからアンデス諸国へ向けた輸出を増加させる計画です。
また、2013年にはホームリンク事業を7億ドルでジェンテックスに売却、2014年にはエレクトロニクス事業を2億6,500万ドルでビステオンに売却しています。エレクトロニクス事業の2013年の売上高は13億ユーロで、インストメーター、インフォテインメント、ディスプレイ、ボディエレクトロニクス関連製品を供給していました。
注力分野
ジョンソンコントロールズは、「バッテリー事業部門」「自動車部品部門」に注力しています。
○バッテリー事業部門
電動車およびアイドリングストップに対応するため、バッテリー事業を強化しています。
2013年に発表した、12Vの鉛蓄電池と併用することを想定して作られた48V向けのマイルドHEVバッテリーは、電圧が60V以下でコスト削減効果が高いことが特徴。欧州の自動車メーカーは搭載を開始する計画を発表しており、アメリカでも2020年までに搭載が拡大していく見込みです。
同年にはコロンビアのバッテリーメーカーの買収を行ったほか、ドイツのバッテリー工場へ1億ドルを投資し、生産能力を150万個、従業員数を200人増強。
また、上海汽車(SAIC)が生産する車両に対し、ガラスマット電解液吸収型(AGM:Absorbent Glass Mat)バッテリーを供給する長期契約も締結しました。
○自動車部品部門
メルセデスベンツと共同でシートの開発を行い、高級リアシートを始めとする主要部品をメルセデスベンツのシート生産工場に納入。また、GM(ゼネラルモーターズ)のキャデラックCTSの2014年モデルにも自動車部品部門の製品が採用されました。
なお、ジョンソンコントロールズは2015年に延鋒汽車飾件系統有限公司(Yanfeng Automotive Trim Systems)との合弁会社設立を発表しました。内装事業を合弁会社に移行し、今後はシート事業を中心に展開する方針です。
技術動向
下記は、ジョンソンコントロールズの研究開発活動の一例です。
○バッテリー事業部門
- アメリカのウィスコンシン大学マディソン校のウィスコンシンエネルギーインステュートに研究室を新設。自動車および定置向けのエネルギー貯蔵システムの研究を実施予定。
- Fraunhofer(フラウンホーファー)研究機構と合同で、低コストでエネルギー効率を向上させた自動車バッテリー用の冷却システムを開発予定。第一弾として、燃料消費や排出ガスを大幅に低減し、HV・EVに比べて低コストで不可管理が可能となる48 Vマイクロハイブリッドバッテリーの開発を実施する計画。
- アメリカのローレンス工科大学と共同で、新たなエネルギー貯蔵技術の開発と検証を計画。燃費・排出ガス基準の達成、ガソリン費用の削減、車両性能・機能の向上など、ジョンソンコントロールズの事業を促進させる内容を実施する予定。
○自動車部品部門
- 自動車シートを清潔かつ衛生的に保つための布用コーティング「FreshPer4mance」を開発。汚れや水分をはじき、乗員を細菌や静電気から保護することが可能。さまざまなタイプの生地に対応しており、汚れが付いた際の拭き取りも容易。
- ドライバーの体型にマッチした姿勢をつくり出す自動シートプレ調整システムを開発。システムは、ドライバーの体型の情報をインプットできるスマートフォンアプリの使用もしくは車両のデジタル制御コンソールに直接データを入力する方法で運用可能。また、車載カメラによってドライバーが車に乗り込む前に自動的に体格を測定し、シートを調整することも可能となる予定。ファミリーカー、社用車、レンタカー、カーシェアリングなど、複数人で同じ車両を使用する場合に有用。
- アメリカのミシガン州に自動車用シートの衝突試験施設を開設。施設面積は6千平方フィートで、シアトルセーフティ社のスレッドシステムであるServoSledを常備。中国やドイツ、日本にある試験施設と連携を取りながら、精密かつ標準化したシートの安全性試験を行っていく予定。
- 自動車関連の研究プロジェクトである「自動車の軽量構造に向けたハイドロフォーミング技術:スチールとアルミニウムを使ったレーザーろう付けテーラードハイブリッドチューブ用途(IHU-THT)」への出資を発表。プロジェクトは次の段階として、部品の生産および、シートバックにテーラードハイブリッドチューブを取り入れたコンセプトシートを発表する予定。
- 自動車用部品の研究開発能力を増強する計画。欧州投資銀行より2億2千万ユーロの融資を受け、軽量材料を使用したシート重量の削減を実施する予定。
- レーザー技術に関するプロジェクト「LASHARE」への参画を発表。スペインの技術センターAimenおよびレーザー技術メーカーMonocromと共同で、レーザーを利用したロール成形プロセスの開発を実施予定。目標はスチール製リアシートストラクチャーの材料費削減と軽量化、スチールの成形性向上。
グローバル展開
ジョンソンコントロールズは現在、中国、メキシコを中心に新工場を設立し、生産拠点を広げています。
○新興国をはじめとした海外における近年の取り組み
- 中国の重慶に年産能力600万個の自動車用バッテリー工場を開設
- 中国の四川省成都市にボルボの成都工場向け提供工場を開設
- メキシコのQueretaroに自動車シート用の成形ポリウレタンフォーム工場を開設
部門構成・部門ごとの方針
○バッテリー部門
アイドリング防止機能搭載車やハイブリッド車、電気自動車用の鉛酸バッテリーと先進バッテリーの開発および生産を行っている部門です。鉛酸バッテリーに関しては、大手自動車メーカーや中古車ディーラーなどに対する流通量の3分の1以上を供給しています。また、量産ハイブリッド車用のリチウムバッテリーを世界で初めて生産した部門でもあります。
バッテリー部門は、下記2つの製品で構成されています。
- 鉛酸バッテリー
- 先進バッテリー
○自動車部品部門
自動車シート、オーバーヘッドシステム、ドアシステム、インストルメントパネル、内装部品用電子システムの開発、生産、供給を行っている部門です。世界各地に200ヶ所以上の工場があり、これまでに2億台を超える車両に部品を提供しています。また、アメリカ、ドイツ、スロバキア、日本、中国、韓国、インドに計12ヶ所の技術開発センターを設置しています。
自動車部品部門は、下記4つの事業単位で構成されています。
- シート製品
- 計器パネルおよびコックピット
- ドア製品
- 統合インテリア
○ビルディングシステム部門
エネルギー効率の最適化を目指したシステムやサービス、製品の提供を行っている部門です。太陽光、風力、地熱技術を用いた再生可能エネルギーの生産を実現するプロジェクトにも参与しています。
ジョンソンコントロールズの報道ニュース一覧
- 2020.06.18 ジョンソンコントロールズ、「企業市民ベスト100社」で18位に選出
-
企業のサスティナビリティ・ランキングで18位6月16日、ジョンソンコントロールズは、米CRマガジン誌(CorporateResponsibilityMagazi...[もっと見る]
- 2019.10.05 ジョンソンコントロールズ、「Dow Jones Sustainability index」に選定
- 2019.06.01 ジョンソンコントロールズ、「企業市民ベスト100社」にランクイン
- 2019.01.22 ジョンソンコントロールズのVARTA AGMバッテリー、KAMAZトラックに搭載
- 2018.12.20 ジョンソンコントロールズ、バッテリーの定期点検を推奨
会社概要
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