ジヤトコ

ジヤトコの企業情報

ジヤトコは、日産自動車グループの自動車部品メーカーです。
主にAT(自動変速機)、CVT(無段変速機)を手がけています。CVT(無段変速機)においては、軽自動車向けから大型乗用車向けまでをカバーする世界で唯一のメーカーであり、世界シェアの約49%(2014年3月期)を占めています。

ジヤトコの前身は、1943年に開設された日産自動車の航空機部吉原工場です。1967年、同工場でATの生産を開始。1970年に日産、東洋工業(現、マツダ)、アメリカの自動車メーカー、フォード(Ford)の合弁会社、日本自動変速機が設立。同年、ATの生産を開始しました。

1981年、フォードが撤退。1989年、日本自動変速機からジャトコへ社名を変更しました。1989年、世界で初めて電子制御5速ATを開発。同年量産を開始し、日産「セドリック」に搭載されました。

1999年、マツダが所有する株式を日産に譲渡し、日産の100%子会社となります。同年、日産のAT・CVT部門が分社し設立されたトランステクノロジーとジャトコが合併し、ジヤトコ・トランステクノロジーとなります。

同年1999年、韓国の現代自動車へ納入を開始。続いて2001年にはイギリスのジャガー(Jaguar Cars)、韓国の大宇自動車(現、GM大宇オート・アンド・テクノロジー)、イギリスのタクシー生産メーカー、ロンドンタクシーインターナショナルへの納入を開始するなど、グローバルでの取引を拡大させます。

2001年、日産、ジヤトコ・トランステクノロジー、三菱自動車工業の3社がAT・CVTの事業統合で基本合意。2002年、現在のジヤトコへと社名を変更しました。2003年、ダイヤモンドマチックと合弁。

同年2003年、メキシコに現地生産子会社、ジヤトコ メキシコ社を設立。また同年、フランスにATおよび同部品の輸入販売と開発を手掛ける新会社、ジヤトコフランス社を設立しました。2005年、ジヤトコ メキシコ社で中型FF(前輪駆動)車用CVTの本格生産を開始。

2007年、中国に生産子会社、ジヤトコ(広州)自動変速機有限公司を設立。2009年に同社で中型FF車用CVTの量産を開始しました。2011年、タイに生産子会社、ジヤトコタイランド社設立。

2015年、2020年度に向けた中期経営計画を発表。現在、2018年度に売上高1兆円という目標を掲げ、達成に向けた取り組みを行っていいます。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 722,000百万円

2016年度

  • 774,900百万円

2017年度

  • 755,600百万円

2018年度

経常利益推移

連結
  • 27,669百万円

2011年度

  • 34,291百万円

2012年度

  • 41,412百万円

2013年度

ジヤトコの2015年3月期の決算は以下のとおりです。

  • 売上高 4,878億8,300万円(前年比7.7%減)
  • 営業利益 238億3,400万円(前年比42.2%減)
  • 経常利益 268億1,800万円(前年比35.2%減)
  • 当期純利益 100億4,000万円(前年比44.4%減)

事業戦略

事業方針

ジヤトコは、2015 年、 2020 年を最終年度とする中期経営計画を発表しました。

○全体目標

  • 2020年に2ペダル変速機生産で世界1位を目指す
  • 2018年度に売上高1兆円達成

○販売

  • 現在の主要取引完成車メーカー(日産、三菱自動車、スズキ)を中心としながら、他メーカーへも販売拡大を目指す
    2016年に中国でルノー・東風汽車の合弁完成車工場が稼働することに合わせ、新工場建設を検討中
  • 中国、アメリカ市場での販売強化
    2013年、中国の子会社、ジヤトコ広州が新事務所を開設。また、同工場で中・大型FF((前輪駆動)車用のCVT、「CVT8」の製造を開始。
  • ロシア市場ではロシアの最大手完成車メーカー、アフトワズ(AvtoVAZ)との協業を深める
    2012年にアフトワズ本社のあるロシア・サマラ州に、2013年に首都モスクワに駐在事務所を開設。

○生産

  • 2016年度にタイ工場の生産能力を2015年の年50万基から年70万基に引き上げ
  • 2016年度にメキシコでの生産をフルキャパシティである年170万基にする

○製品

  • グローバルでのCVTの市場占有率を引き上げ
    2013年、中国子会社で生産能力を増強。2014年、メキシコで新工場が稼働。また、2015年、グローバルで需要が高まっている中・大型車クラス用CVTを増産するため、国内の生産ラインを増設。

○技術開発

  • 次世代CVTの開発に注力
    2015年、従来製品より駆動効率を5%高め、加速性能と燃費の向上を図った、中・大型FF車用の新世代CVT「CVT8」を発表。
    また、小型FF車用CVTをベースに変速比幅を拡大した「CVT7 ワイドレンジ」を日産と共同で開発。
  • 電動化への対応を進める
    2020年に車両への搭載を目指し研究開発を進める、現行の中・大型車クラス用CVTに比べサイズや重量、エネルギー損失などにおいて大幅な性能向上を図ったCVT。同製品を、エンジン車だけでなく電動車にも搭載できるユニットとして開発し、電動車用の変速機の需要獲得を目指す。

注力分野

ジヤトコは2015年度以降、円安を背景に国内での生産拡大を進めています。

  • 2015年、日産のSUV「X-trail」(エクストレイル)にハイブリッド車モデルがラインナップされたことに合わせ、京都府・八木地区の生産拠点で、CVT(無段変速機)「CVT8 ハイブリッド」の生産を開始した。
  • 2015年、海外での需要増に対応するため、静岡県・富士地区の生産拠点で、CVT(無段変速機)「CVT8」を生産する新ラインを設置。2015年度中に生産能力を年7.2万基に、2016年度後半に年24万基に引き上げる計画。

技術動向

○製品開発

・「CVT7 ワイドレンジ」を共同開発

2015年、小型FF(前輪駆動)車用のCVT(無段変速機)「CVT7」をベースに、変速比幅を拡大した新たな「CVT7 ワイドレンジ」を日産と共同開発したと発表。

同製品は、発進時のスリップ制御などの技術を搭載することで運転性が向上。さらに、新開発のベルトや改良されたプーリー(滑車)を採用することで、CVTとしては世界最大の変速比幅を誇るとしている。加えて、小型オイルポンプを採用することで摩擦を低減、燃費性能も向上した。
同製品はジヤトコの中国工場で生産し、日産が同国で発売する新型車「LANNIA」(ラニア)に搭載する。

・ハイブリッド車用変速機の生産を開始

2015年、CVTをベースにしたハイブリッド車用変速機「CVT8 ハイブリッド」の生産を国内で開始したと発表。
日産が国内向けに生産するハイブリッド車仕様の「エクストレイル」に搭載する。

グローバル展開

ジヤトコは近年、新興国を中心に生産能力の増強を進めています。各拠点における取り組みは以下のとおりです。

○ロシア

  • 2012年、ロシアの完成車メーカー、アフトワズへの供給開始に伴い、アフトワズ本社のあるロシア・サマラ州に、翌2013年には首都モスクワに、それぞれ駐在事務所を開設したと発表。ロシアでのさらなるビジネス拡大を目指す計画。

○中国

  • 2013年、現地生産子会社のジヤトコ広州が上海に新事務所を開設したと発表。来場者が自由に見学できるショールームを備える。
  • 2013年、中国生産子会社のジヤトコ広州で、従来製品より燃費を約10%以上向上させたCVT(無段変速機)、「CVT8」の生産を開始。現地自動車メーカー、東風日産の「Teana」(ティアナ)に搭載する。

○タイ

  • 2013年、タイの生産子会社、ジヤトコ タイランドが稼働を開始。日産がタイで生産する「Micra」(マイクラ)、「Sylphy」(シルフィ)に搭載されるCVT、「CVT7」を生産する計画。生産能力は年50万基。

○スペイン

  • 2014年、スペイン・バルセロナにジヤトコフランス スペイン事務所を開設したと発表。ヨーロッパにおける日産のCVTプロジェクトの実験や品質管理などを行う計画。

○メキシコ

  • 2014年、メキシコ生産子会社、ジヤトコ メキシコの第2工場が稼働。これにより、メキシコでの生産能力は年170万基となる。
    新工場では中・大型車用のCVT「CVT8」とハイブリッド車用トランスミッション「CVT8 トランスミッション」を生産する。

「CVT8」は日産が北米で販売するセダン「Altima」(アルティマ)、クロスオーバーSUV「Rogue」(ローグ)に、「CVT8 ハイブリッド」はハイブリッド車「Pathfinder Hybrid」(パスファインダー ハイブリッド)にそれぞれ搭載されている。

部門構成・部門ごとの方針

ジヤトコは、2020年度に向けた中期経営計画の実現に向け、2016年に組織改正を発表しました。

・マーケティング&セールス部門設立

中期経営計画で定めた成長戦略を進めるため、その要となる、営業機能をはじめ業界・商品動向の分析機能、アフターセールス機能の強化を図るとして、マーケティング&セールス部を一つの部門として独立させる。

・素形材部品に携わる部署を一括にまとめ部署を新設

これまで、FR-AT(後輪駆動車用自動変速機)工場に所属していた鋳造課、鍛造課、型製作課と、部品技術部の素形材グループに所属していた鋳造技術課、鍛造技術課をまとめ、新たな部署、素形材工場とする。鋳造や鍛造部品の品質とコスト競争力の向上が目的。

ジヤトコの報道ニュース一覧

2020.10.29 ジヤトコ、自動車部品のグローバル開発業務に「IBM Engineering」を活用 

グローバル開発拠点における既存製品の開発にも適用ジヤトコ株式会社(以下、ジヤトコ)は、グローバル拠点も含めた要件管理や成果物管理に、日本アイ・ビー・エム株式会社...[もっと見る

2019.04.07 ジヤトコ、上海モーターショーに出品
2018.06.22 ジヤトコ、中国に新工場を設立
2018.04.26 ジヤトコ、北京モーターショーに出展
2018.04.24 ジヤトコ、CVTグローバル累計生産台数4,000万台を達成

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会社概要

社名 ジヤトコ株式会社
設立年 1999年6月28日
本社所在地 〒417-0001 静岡県富士市今泉700番地の1
代表取締役 中塚 晃章
資本金 29,935百万円

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