テネコ、フェデラル・モーグルを買収し関連上場会社2社を設立へ
運転資本と利益の増幅が期待
テネコは10日、OEM製品とアフターマーケット製品の大手グローバルサプライヤーであるフェデラル・モーグルを買収したことを発表した。フェデラル・モーグルは、投資会社Icahn Enterprises社により総額54ドル億で買収されており、現金、テネコの株式資本、債務引き受けを通した資金調達が行われた。
テネコはまた、株主に対し非課税でスピンオフすることで、合弁事業を独立した上場会社へ分離し、2社を設立することも発表した。補完的な業務を協働して、テネコ・ライドパフォーマンスとフェデラル・モーグル・モーターパーツを アフターマーケットとライドパフォーマンス関連会社に統合し、テネコクリーンエアーとフェデラル・モーグル・パワートレインをパワートレインテクノロジー会社に統合する。
変革に向けた買収は、それぞれの市場に置いて、より大規模で戦略的、かつ財務的な柔軟性を備えた、専心的な目的を持った業界のリーダー2社を設立したことによって、長期的な価値創成を加速させることとなる。また、買収により価値が増幅し、シナジーの機会が創成され、少なくとも、年間利益2億ドル以上、運転資本2億5,00万ドル以上となることが期待されている。
買収は、2018年の第2四半期に完了し、2019年第2四半期に分社化が実施される予定。
両社の技術や幅広い製品範囲が統合
分社化した後、アフターマーケットとライドパフォーマンスのOEM製品関連会社は、世界をリードする、マルチラインアフターマーケットとOEサプライヤーの1つとなることが期待される。同社は、高級アフターマーケットブランド、幅広い製品範囲と強力な流通を特徴とし、OEのブレーキと、高度サスペンション技術と能力の強力なポートフォリオを取り扱う。そして、アメリカとEMEA地域における市場投入能力の向上、アジア太平洋のアフターマーケット成長を捉えること、モビリティと電化・自律的な運転における新しいOEトレンドの活用に向けた優れた戦略的地位となる予定である。
一方、パワートレインテクノロジー会社は、世界的に最大のパワートレインに特化したサプライヤーうちの1つとなり、エンジンから排気管までの製品とシステムソリューションのポートフォリオを持つ。
そして、向上したエンジン性能の需要、燃費向上と基準汚染物規制の強化、軽自動車ハイブリッド化というトレンド、商用トラックとオフハイウェイ車両拡張の機会に向けた、コンテンツの成長を捕捉するための優れた地位となる予定である。
市場価値を高めさらなる成長へ
テネコのCEOであるBrian Kesseler氏は、次のように述べた。「この買収により我が社が変革され、それぞれの市場において特有の機会を捉えるための素晴らしい地位で、強力な大手グローバル企業2社が創成されることとなります。フェデラル・モーグルは、我が社のポートフォリオを補完し、成功した成長戦略に沿った、強力なブランドや製品、機能を提供してくれます。さらに強力なポートフォリオを持つ、製品重視の2社を設立することで、特定の成長を優先した実践を、より迅速に進めることができます。」(プレスリリースより引用)
また、Icahn Enterprisesの会長であるCarl C. Icahn氏は、次のように説明した。
「Icahn Enterprisesは、フェデラル・モーグルは市場機会での人気を失っていた2008年に同社の大部分の支配権を取得し、これまでに、自動車製品の世界的な有力サプライヤーの1つを作り上げました。私は、フェデラル・モーグルで構築した事業を誇りに思っており、企業結合と2社への分社化という莫大な価値について、テネコの考え方に同調します。我々は、将来のテネコの重要な株主となり、付加価値創造の見通しに期待しています。」(プレスリリースより引用)
(画像はプレスリリースより)
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