マーレのシフトローラーシステム、商用車用の燃焼エンジンを最適化

■電気作動によりクリーンで安全に
マーレは、同社のシフトローラーシステムについて、様々なエンジン運転条件に適合した可変バルブタイミングを達成したことにより、機能性を統合して排気ガス温度を管理、燃料を節約し、エンジンブレーキ機能を持つことなどをホームページで説明している。

MAHLEシフトローラーシステムの有望な戦略として、廃熱回収、バルブトレインにおける機能統合、最適化された熱プロセスが挙げられる。

調節可能なカムフォロアのおかげで、システムは、異なるプロファイルを有する2つのカムローブのうちの1つと接することができる。電気で作動する機能は、シンプルで堅牢な設計となっており、2つ目のカムローブのリフト曲線に応じて、エンジンは排気ガス管理のため、またはミラーサイクルで使用するために、永久ブレーキとして動作する。

カムシャフトの調整可能なカムセグメントと比較して、シフトローラーシステムの移動質量は、非常に小さくなる。この結果、作動力が低下し、設置スペースが削減される。

シフトローラーシステムの利点の多くは、電気作動によるものである。電気的に作動するシステムは、温度に依存せず、選択的なシリンダ作動を可能にし、作動状態を迅速かつクリーンに切り替えるため、確実に作動する。

■高い制動効果のエンジンブレーキ
また、MAHLEシフトローラーシステムは、エンジンブレーキとして使用する場合、2ストロークモードのおかげで、低速でもブレーキに近い制動効果を実現しており、油圧作動式システムに比べて性能面で優れている。

MAHLEシステムの制動効果は、エンジン出力とほぼ同じレベルであり、また、エンジンブレーキのために追加のコンポーネントやシステムが必要とされない。

シリンダを個別に作動させることができるので、エンジンブレーキを徐々に作動させ、現在のブレーキ動力要件に適合させることができる。

■燃料消費量を低減しクリーンな排気に
さらに、排気ガス温度管理に関しては、排気バルブを早く開けることで、排気ガス温度を上昇させ、燃料消費量を低く抑えることを実現した。

より高いエンタルピーを有する排気ガスにより、部分負荷運転において、SCR触媒が、微粒子フィルタの着火または再生をより早期に行うことが可能になった。

ミラーサイクルとアトキンソンサイクルに関しては、吸気弁を早くまたは遅く閉めることにより、有効圧縮比が減少し、それによって燃焼温度および圧力を低下させた。このように、圧縮動作の一部がターボチャージャに移されている。

(画像はMahleより)


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Mahle Press releases
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