フェデラル・モーグル、大型車用途の高性能ポリマーベアリングコーティング「IROX 2」を発売

■燃料消費量とCO2排出量を削減
フェデラル・モーグル・パワートレインは、昨年、軽車両のエンジンベアリング用「IROX 2」を発売したのに続いて、2018 IAAで、大型車両用途の新しい「IROX 2」を発表する。

「IROX 2」は、特にスチール製のクランクシャフトで、焼き付けと製品疲労に関する性能を強化している。また、低粘度オイルの使用を可能にしながら、摩擦を低減し効率と耐摩耗性を向上させた、フェデラル・モーグルIROX技術製品の一部である。

「IROX 2」は、軽車両のエンジンではすでに生産中で、テストが成功した後に、最初の大型車向けプロジェクトが適用される。

フェデラル・モーグル・パワートレインの技術責任者(CTO)であるGian Maria Olivetti氏は、次のように述べた。
「IROX 2は、高価なPVDコーティングベアリングを必要としていた100MPaの領域において、疲労負荷レベルの範囲を拡大しています。革新的なIROXベアリングコーティングは、摩擦を減らすことで、顧客が燃料消費量とCO2排出量を削減するのにも役立ちます。特定の自社開発のテストリグを使用した評価では、IROXコーティングベアリング使用時の摩擦低減は、5W30から0W20のオイルへ変更したことにより得られた結果より大きくなっています。」(プレスリリースより引用)

■摩擦を低減し耐摩耗性が向上
IROXは、標準的な表面仕上げのクランクシャフト用に開発されたものであるが、IROX 2は、希釈されたオイルにより非常にスムーズな仕上げのクランクシャフト用の製品である。

その高い適合性のために、ポリマーコーティング材料は、優れたエンジン走行特性を提供する。大型車セクターでも確立し始めているアルミニウムベースの材料と比較して、摩擦を低減し、耐摩耗性が向上している。

IROX 2は、焼き付けと製品疲労の性能がさらに向上しており、これにより、フェデラル・モーグル・パワートレインは、各顧客に特定の用途に最適な処方を提供することができる。

■ハイブリッドとスタート/ストップシステムで効果的
フェデラル・モーグル・パワートレイン、ベアリング部門の技術ディレクターであるStefan Rittmann氏は、IROXとIROX 2のメリットについて、「IROXとIROX 2のコーティングは、軽車両と大型車両エンジン用のアルミニウムとブロンズのベアリング材料に使用可能。また、回数が多い再始動を通してベアリングに追加で必要となる、ハイブリッドとスタート/ストップシステムにおいて、特に効果的である。」と語った。

さらに、次のように説明した。
「オーバーレイは、マトリックス全体に分散した多くの添加剤を含むPAI(ポリアミドイミド)ポリマー樹脂バインダーです。分子レベルでのバインダーシステムの改良を含むIROX 2の開発は、構成の微妙な変化と結びついています。例えば、IROXと比較して、IROX 2は、炭化ケイ素を含まず、固体潤滑剤の相乗的混合物の含有量が高くなっています。」(プレスリリースより引用)

フェデラル・モーグル・パワートレインは、9月19日~27日までハノーバーで開催される2018 IAA商用車ショーにおいて、他の多くの製品とともに、大型車両用途の新しいIROX 2ポリマーコーティング高性能ベアリングを展示する。

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

Federal-Mogul Powertrain Press Releases
http://federalmogul.mediaroom.com/