コンチネンタル、車載インテリジェントアンテナのKathrein Automotiveを買収

■車載接続において重要な技術であるアンテナ
コンチネンタルは10月29日、自動車用アンテナの主要なスペシャリストおよびメーカーであるKathrein Automotive GmbHを買収する契約を締結したことを発表した。

Kathrein Automotiveは1,000人以上の従業員を擁し、ブラジル・中国・ドイツ・メキシコ・ポルトガル・アメリカの各地に拠点を持つ企業。関係当局の承認後、買収完了は2019年の第1四半期となる予定である。

コンチネンタル、執行委員会メンバーでインテリア部門の責任者であるHelmut Matschi氏は、次のようにコメントした。
「アンテナなしでは接続は不可能であり、高性能インテリジェントアンテナは、車載接続全体の重要な技術である。したがって、我々は、Kathrein Automotiveからの新しい仲間との協力関係を強化し、一緒にインテリジェントなモビリティソリューションを継続的に開発していくことを期待する。」(プレスリリースより引用)

■インテリジェントアンテナソリューションの需要増
リモートアクセスキーからナビゲーション、テレマティクスに至るまで、車内やその他のワイヤレス通信には、膨大な数のインターフェイスがあることから、今日の車両には20のアンテナと計数装置が装備されている。

高度な車載接続性と5Gなどの新しい通信技術の進化により、高性能インテリジェントアンテナソリューションの需要がさらに高まっており、Radiant Insightsのアナリストは、2022年までの車載用アンテナの年間平均市場成長率を約6.5%と推定している。

コンチネンタルは、Kathrein Automotiveの買収により、基礎的な開発の専門知識を得て、独自の製品ポートフォリオを拡大するだけでなく、Kathrein社との長年にわたり成功しているパートナーシップを新しいレベルにしていく。

■2つの接続ソリューションを既に市場展開
コンチネンタルとKathreinの協力によって、既に、インテリジェントアンテナモジュールと多機能スマートデバイスターミナルが、成功した接続ソリューションを市場に提供している。

インテリジェントアンテナモジュールは、アンテナとそれに付随する電子機器を1つのハードウェアモジュールに組み込み、車両の周囲に散在していた単一アンテナの代わりとした。これにより、配線が簡素化され、設置スペースが削減されるだけでなく、同時に信号品質が向上している。

多機能スマートデバイス端末を使用して、Kathrein社とコンチネンタルのスペシャリストは、モバイルデバイスと簡単で包括的に接続することにより、運転者が、デジタルライフスタイルを車両にシームレスに統合することができるソリューションを開発した。

運転者はスマートフォンを車両のコックピットのトレイに置いて、近距離通信とBluetoothを使用して車両のインフォテインメントシステムと接続し、ワイヤレスで充電し、アンテナを車両の外部アンテナとリンクさせて、 より良い信号品質を達成することができる。

これらの共同開発と並行して、Kathrein Automotiveのポートフォリオは、世界中の車両通信システム用のアンテナシステム、最適化されたデータ受信用のMIMO(Multiple Input Multiple Output)アンテナシステム、新しい5G周波数帯のアンテナシステムで構成されている。

さらに、モバイルデータ用の補償器やV2X技術などの高周波電子製品も保有している。

(画像はプレスリリースより)


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