イートン、より良い車両性能と燃費を促進するためにチェコ政府や学術機関と協力

■温室効果ガス排出規制に対応
イートンは、同社のヨーロッパイノベーションセンターが、より良い車両性能と燃費を促進するために、チェコ共和国の政府機関や学術機関と協力していることについてホームページで報告した。

現在、ヨーロッパにおいて、CO2排出量の20%は自動車から生成されたものであり、さらに大型車両はその6%を占めている。2015年のパリ協定により、地球温暖化を2度以下に維持することを約束している195の国々とともに、EUはこれらの温室効果ガス排出を抑制する厳しい目標を設定した。

ますます厳しい経済的および規制上の圧力に直面している車両メーカーは、エンジン効率の向上、燃費の向上、排出ガスの削減などの新しい方法を緊急に模索している。

これらの課題を解決し、環境を守るために、イートン・ヨーロッパイノベーションセンター(EEIC)は、プラハのチェコ工科大学との共同研究開発プログラムを立ち上げた。

■研究開発資金の助成金を獲得
EEICは、意欲的な新しいプログラムのためのチェコ政府の資金を受けることを目指して、約300件の研究開発提案による厳しい競争に打ち勝った。

4年に及ぶこのプロジェクトでは、エンジンの効率向上のための高度なバルブトレインアクチュエーションシステムの構築に焦点を当て、イートンの電気機械に関する知識と将来の自動車分野における革新をサポートする能力を拡大している。

政府からの資金調達に向けて選択された8つのプロジェクトの1つとして、EEICの新しいプログラムは、チェコ共和国の技術庁(TACR)から150万ドルの助成金を受領した。イートンの研究開発予算は総額120万ドルで、政府資金のうち56万ドルは自己投資額58万ドルに匹敵している。チェコ工科大学は36万ドル以上を受け取る予定である。

EEICのLuboš Tomiška氏は次のようにコメントしている。
「電力管理ソリューションの革新者として、我々はこの意欲的なプロジェクトを追求するために資金を調達し、自社からも投資することに非常に誇りを持っている。エンジン性能、効率、エミッションにおける業界のノウハウと、最高の学術的思考と組み合わせることで、このプログラムは、低炭素の未来への世界的な移行を加速することにおいて、小さいながらも重要な役割を果たすだろう。」(プレスリリースより引用)


■先進のシリンダー休止システムを開発へ
世界にある5つのイートンイノベーションセンターのうちの1つであるEEICは、様々な興味深い業界の専門家チームを結集し、明日の最も緊急なエネルギー課題への先駆的な新しいソリューションを提供している。

新しいプロジェクトは、2018年11月から2022年12月まで計画されており、EEICの可変バルブアクチュエーション技術に関する貴重な専門知識を活用する。75年以上にわたってバルブとバルブアクチュエーション製品の大手メーカーの1つとして、イートンは毎日100万を超えるエンジンバルブを製造し、世界のほぼすべての自動車メーカーとエンジンメーカーに供給している。

このプロジェクトは、独立したシリンダー制御を可能にする先進のシリンダー休止システムを開発することによって、エンジンのエネルギー効率を向上させることを目指している。さらに、必要なハードウェア、エレクトロニクス、およびコントロールをすべて含む、システム用の電気機械式アクチュエータが開発される。

この作業により、電気機械式アクチュエータの設計と制御に関するイートンの知識が大幅に拡大され、エンジンマネージメントシステム部門がこの分野で「フルシステム」サプライヤになることが可能になる。

EEICディレクターのEngelbert Hetzmannseder氏は、次のように付け加えた。
「燃料を節約し、排出ガスを削減しながら、卓越した馬力を生むために、人種を越えた能力が発揮されていることを嬉しく思っている。チェコ工科大学と協力することで、我々は、環境にやさしい未来を構築するために非常に重要な次世代のエンジニアを育成することができる。我々は、協働により、人々の生活や環境に本当の差をつけることが可能となる。」(プレスリリースより引用)


(画像はEatonより)


▼外部リンク

Eaton News Releases
http://www.eaton.com/