イートンのエネルギー貯蔵システム、BusinessGreen Technology Awardを獲得
■多目的スタジアムにエネルギー貯蔵システムを設置
イートンは、同社による、セカンドライフと新しい電気自動車のバッテリーを商業ビルに使用したエネルギー貯蔵システムが、2018年BusinessGreen Technology Awardにおいて、Future City Technology of the Year部門で受賞したことを発表した。このプロジェクトは、アムステルダム気候エネルギー基金(AKEF)とInterregの支援を受けて、イートン、日産、BAM、Mobility House社、ヨハン・クライフ・アレナの提携によって行われているもの。
オランダ最大の多目的スタジアムであるヨハン・クライフ・アレナにある3メガワットの貯蔵システムは、スタジアムと観客、近隣住民、そしてオランダのエネルギーグリッドに、より信頼性が高く効率的なエネルギー供給と利用をもたらす。
このエネルギー貯蔵システムは、イートンの電力変換ユニットと、日産リーフ148個分に相当するバッテリーを組み合わせることで、より持続可能なエネルギーシステムを可能にするだけでなく、電気自動車バッテリーのための循環型経済を生み出す。そして、ヨハン・クライフ・アレナにおけるエネルギーの需要と供給のバランスに重要な役割を果たしている。
貯蔵システムの総容量は3メガワットで、数千の世帯に電力を供給するのに十分であり、アリーナの屋根上にある4,200台の太陽電池パネルによって創成されたエネルギーも最適に貯蔵・使用することができる。
また、エネルギー貯蔵システムは、バックアップ電力を供給してディーゼル発電機の使用を減らし、コンサート中に起こるピークを平準化にすることによってエネルギーグリッドを緩和する。
■排気ガスゼロの将来に向けたビジョンの実現へ
ヨハン・クライフ・アレナのイノベーションディレクターであるHenk van Raan氏は、次のように述べている。「持続可能性は私たちの戦略の中心である。ヨハン・クライフ・アレナは、世界中で最も持続可能なスタジアムの1つであり、この独自のエネルギー貯蔵システムのようなスマートなイノベーションを紹介することを先導している。我々は、この革新的なプロジェクトが正式に評価されたことを非常に光栄に思う。」(プレスリリースより引用)
また、イートンのEMEA電力担当、エネルギー貯蔵ビジネスユニットの責任者であるFabrice Roudet氏は、次のように語った。
「ヨハン・クライフ・アレナで我々が開発したものは、ヨーロッパ中のスタジアムや都市の将来がどのようになるかを明確に示している。これらのアイデア、技術、サービスを他の業界にも適用することは、すべての人に持続可能で再生するエネルギーを提供することにおいて大きな影響を与える可能性がある。」(プレスリリースより引用)
そして、Mobility House社の創立者兼CEoであるThomas Raffeiner氏は、このエネルギー貯蔵システムが再生可能エネルギーを貯蔵するための新たな機会を提供するものであり、プロジェクトは、排気ガスゼロの将来に向けたビジョン実現のために1歩近づくものであるとの見解を示し、次のように説明した。
「我々の技術により、エネルギー市場において、固定貯蔵システムとしての様々なプロジェクトで、2,000台以上の車両バッテリーを商品化することができた。したがって、技術的には、電気自動車をグリッドにインテリジェントに統合してグリッドサービスを提供することはすでに可能である。そして、エネルギーと自動車の世界をさらに近づけ、革新的で持続可能なビジネスモデルへの道を開くことが期待される。」(プレスリリースより引用)
■グリーンビジネスと環境に関する技術を評価
BusinessGreenは、英国のグリーン経済に関する主要な情報ソースであり、グリーンビジネスと環境問題に関する最新のニュースと詳細な分析を提供している。今回で4年目となるThe BusinessGreen Technology Awardsは、持続可能な低炭素経済への移行を加速するために取り組んでいる最先端の技術と革新者を評価するものである。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
Eaton Press Releases
https://www.eaton.com/