マーレ、強力な乗用車用エンジンにおいてスチールピストンの使用を実現
特別なレーザー溶接プロセスにより製造可能に
マーレは4日、ピストンギャラリーに最大限の設計自由度を備えた新しい製造プロセスにより、強力な乗用車用ディーゼルエンジンにおいて、スチールピストンを使用することが可能となったと発表した。
マーレは、このように、冷却されたピストン自体の発明以来存在していた問題を解決した。
厚い壁は放熱が悪く、ボウルの縁で高温になるが、一方で薄い壁では、ピストンギャラリーの内壁が高温になり、オイルカーボンの層を形成させる可能性があった。
これは断熱材として作用し、過度の作動温度によって、望ましくない摩耗や、ピストンとシリンダーライナーのダメージが進むこととなる。
これに対するソリューションとして、腎臓形の断面を持つピストンギャラリーが挙げられる。これにより、最適な油圧経路で冷却油の流れを導き、過熱を不可能にする均一な放熱が保証される。
しかし、一般的にピストン製造に使用される摩擦溶接では、冷却チャネル内の材料の蓄積は冷却油の流れの制御されたガイドを妨げてしまう。
そこで、今回マーレが開発したレーザー溶接プロセスを使用することで、腎臓形の断面を持つピストンギャラリーが実現したものである。
燃料節約でCO2排出量が大幅に削減
乗用車用ディーゼルエンジンにスチールピストンを使用すると、燃料が節約されるため、CO2排出量が大幅に削減される。これは、アルミニウム製のピストンに比べて鋼の膨張が小さいことから、摩擦損失に良い影響を与えるからである。
スチールピストンはまた、より短い歯先面を有することができ、その低い全高を有するより長いコネクティングロッドを可能にする。長いコネクティングロッドのより小さな旋回角度は、より小さな横力およびピストンスカートの領域における低い摩擦をもたらす。
(画像はMahleホームページより)
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