ZF Friedrichshafen、商用トラック用デュアルカム2レンズカメラを開発
2つのレンズでより正確に周辺状況を検知
ZF Friedrichshafen(以下、ZF)は13日、商用トラック市場向けに設計され、同社の先進運転支援システム(ADAS)技術で使用されるデュアルカム2レンズカメラを開発したことを発表した。自動車用カメラのS-Cam4シリーズの1つであるデュアルカムは、世界の様々な規制の要件を満たすように設計されており、交通標識認知、車線維持アシスト、車線内中央維持、自動緊急ブレーキを可能にする物体・歩行者検知などの高度な機能を提供する。
ZF商用トラック部門、ADASと自律性担当の責任者であるDan Williams氏は、次のように述べた。
「商用トラックでこれらの技術が効果的に作動することを保証するために、2番目のレンズは高度な機能にとって不可欠である。例えば、歩行者用衝突被害軽減ブレーキ(AEB)用の52度の視野を持つ標準的なモノラルカメラは、場合によって、ブレーキを作動させ、複雑な状況で大型トラックの事故を回避、または軽減するための時間を十分にとり、歩行者や交通弱者を守る可能性に限りがある。」(プレスリリースより引用)
長距離トラック輸送を安全で効率的に
2番目のレンズを使用することによって、1番目のレンズが認識しない場合や機能しない場合に、レベル2機能のための冗長性が可能になり、2番目のレンズによって、複数の光学経路でカメラが作動することが可能となる。ZFのカメラ技術は、クラス最高の光学性能と、強化されたフュージョンエンベロープを特長としている。前方見通しやコーナーレーダーなどのADAS技術の製品一式と組み合わせると、車線変更アシストや渋滞時アシストなどの自動機能が有効になる。
これらの機能は、長距離トラック輸送をより安全でより効率的にするための、トラック車列編成などの技術の基礎を形成することを可能にする。
2020年に日本車向けのADASシステムを発売
ZFはヨーロッパの大手トラックメーカー向けに商用トラック用ADASを供給してきた長い歴史があり、2020年には日本の大手メーカー向けに高度なADASシステムの発売を開始する予定である。この時には、カメラハウジングとは別のユニットでカメラの画像が処理を行う、イメージプロセッシングモジュール向けの初めてのアプリケーションも発売される。
ZFは、「SEE-THINK-ACT」アプローチを実践している。
これは、周囲を『見る』ことができる環境センサー技術、システムが『考える』ことができる、ZFのスーパーコンピュータProAIシリーズのような人工知能を備えた強力なプロセッシングユニット、高いレベルの車両制御を提供するために、『動かす』ことができるインテリジェントな機械システムなどを採用することによって、商用トラック市場における高度な安全性と自律走行を形成するものである。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
ZF Friedrichshafen Press Releases
https://press.zf.com/releases/release_8579.html