エスケイエフ、OEMの課題に対応するベアリングソリューションを展開
ハイブリッドとの組み合わせで内燃エンジンも存続
エスケイエフは2日、自動車のパワートレインが変化している中で、効率性やコスト、信頼性といった課題に対する同社の取り組みについて、ホームページで紹介した。現在、世界中の政府が今後数十年間でガソリンエンジンとディーゼルエンジンを段階的に廃止する計画を発表しているが、効率性などを考慮すると、このような開発戦略を実現するのは長い時間がかかる。
したがって、様々なレベルのハイブリッド化と組み合わせられた内燃エンジンは、今後も少なくとも世界の乗用車市場の90%以上を占めると予想される。
エスケイエフは、現在、テクノロジーや製品開発、この分野でのアプリケーションサポートに関して多大な投資を続けており、OEMとサプライヤが現在の最も差し迫ったエンジニアリングの課題を解決するのに役立っている。
摩擦を低減し、燃料消費量・排出ガスを改善
同社は、従来の内燃エンジンによるパワートレインについて、エンジン効率や燃料消費量、排出ガスを改善するために、摩擦を削減する新しいソリューションを開発し検証している。最近の研究では、カムシャフトとバランシングシャフトの用途における顧客のニーズに適応する新しいソリューションに焦点を当てており、ヨーロッパの大手OEMと協力して、バランシングシャフトの用途で摩擦による損失を大幅に減らす新しいベアリングパッケージの製造をサポートした。
この新しいソリューションにより、メーカーは、従来のジャーナルベアリングを、同社のローリングベアリングに取り替え、パワートレインの摩擦を低減し、CO2排出量を1%以上削減することが可能となった。
エスケイエフはまた、メーカーが、部品の梱包と組み立てプロセスを最適化することもサポートしている。この用途では、浸炭窒化熱処理が使用され、ベアリング表面下の耐疲労性を高めるとともに、ベアリングサイズを大きくせずに、動作寿命がより長くなることが可能となった。
また別のOEMは、パッケージに多くの影響を与えずに、カムシャフトアーキテクチャの効率を向上させる方法を探求していたが、エスケイエフと協力して、既存のプレーンベアリングソリューションを、薄型のボールベアリングに置き換えた。
やはり、ベアリングの浸炭窒化熱処理を使用して、エンジンからの油で汚染された中でベアリングが動作しなくてはならない厳しい環境における表面疲労特性を改善した。
この新しいソリューションによって、OEMは、シャフトの軸方向荷重によって生じる摩擦損失を大幅に低減し、CO2と排出量に関する最新のヨーロッパの基準を満たすことを実現した。
高性能シミュレーションソフトウェアで開発・設計
このような用途におけるエスケイエフの開発業務では、ベアリングの設計を最適化するための高度な独自のシミュレーションソフトウェアを使用することが重要となっている。同社は、パワートレインシステム内のベアリングコンポーネントの動きを予測するために、ベアリング寿命の推定と高度な動的シミュレーションのための計算手法を開発し続けている。
開発プロセス中に、様々な潤滑、汚染条件、摩擦、騒音および振動特性におけるベアリング寿命を決定するための物理的テストを使用してソリューションを検証することもできる。
今後数年間は、自動車パワートレインエンジニアリングにとって、ここ数十年で最もダイナミックで挑戦的な時期になる可能性がある。
エスケイエフは、材料科学、分析、設計、コンポーネントテストにおける業界トップの専門知識により、問題を解決して革新的なソリューションを開発し、性能・効率・信頼性の限界を押し上げるために、多方面の業界の企業と協力を行っている。
(画像はプレスリリースより)
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