マーレ、欧州の生産・研究開発拠点を再編
ディーゼルエンジンの需要減も一因
自動車部品の大手サプライヤーであるマーレは10月23日、昨今の市場および政治経済の状況を鑑み、また、今後必要となる莫大な技術開発への投資、規制への対応、ディーゼル車両の減少などの環境変化に伴い、イタリア、フランス、ルクセンブルクにある事業所の再編を行うことを明らかにした。今回の事業所再編は、市場競争が激しく、且つディーゼル車両の需要急減により大きく影響がある欧州の生産拠点および研究開発拠点に限定される予定となっている。ルクセンブルクのフォエッツに位置する研究開発センターの全活動を2021年半ばまでに終了し、マーレが保有する他の拠点に統合する計画である。

電気自動車の需要に対応
フォエッツの研究開発センターではエアコン用コンプレッサーの開発を行っているが、今後の自動車電動化のトレンドに対応するため、200年1月1日にメカトロニクスおよび電子機器向けの新事業ユニットを創設し、メカニクス、電気モーター、エレクトロニクスの分野を統合させる予定である。一方で、ディーゼルエンジン用のピストンを生産しているイタリアのラ・ロッジャおよびサルッツォにある施設は閉鎖されることになる。この施設は、減少するディーゼルエンジンの需要減に対応する自動車メーカー各社の戦略変更に伴い、これまでも収益的に厳しい状況にあったが、今後の望ましい展望が見込まれないため、地元政府および従業員代表と施設閉鎖に向けた調整に入った模様である。
また、フランスのロウファッハに保有していた生産施設および研究開発施設は、同社の戦略変更に伴い、将来的にはPTCヒーティングシステム事業をセンターとしていく計画である。
そのため現在生産しているエアコン生産事業を停止し、約240名の従業員はレイオフされる見通しである。
(画像はマーレ ホームページより)
▼外部リンク
マーレ プレスリリース
https://www.mahle.com/