ボルグワーナー、革新的な電気自動車用トルクベクタリングシステムを開発

スペースとシステム重量の節約で車両全体の効率を向上
ボルグワーナーは、従来の電気自動車では2つであったモーターについて、1つの電気モーターだけを使用できる革新的な電気自動車用トルクベクタリングシステムを開発した。

このソリューションは、費用対効果が高く、コンパクトな設計が特徴で、必要な車両スペースとシステム重量を大幅に削減する。

ボルグワーナーは、全輪駆動(AWD)とカップリングの専門知識と製品ポートフォリオを活用して、トルクベクタリング・デュアルクラッチユニットを開発した。これは、電動ドライブラインにおける従来のディファレンシャルに代わる、内側と外側に2つのクラッチを備えている。

これまでのトルクベクタリングシステムでは後部に2台のeマシンが必要であり、これは高価で重量があるものであった。しかし、今回開発された新しいトルクベクタリングシステムは、ドライブラインの重量とスペースを節約し、車両全体の効率を高めている。

ボルグワーナー、パワートレインシステムズ担当の社長兼ゼネラルマネージャーであるStefan Demmerle氏は、次のように説明した。
「新しいトルクベクタリング・デュアルクラッチシステムは、無駄なトルクを最小限に抑えてエネルギーを節約するとともに、必要なコンポーネントが少ない特徴を持ち、既存の内燃エンジンとドライブラインの専門知識が、我々の仕事を補完している方法について実証している。ボルグワーナーは、業界が電化された将来に向かって進化するにつれて、顧客が必要とする広範な知識と専門性を持っている。」(プレスリリースより引用)

独立したトルク管理で快適なドライブ体験
新しいトルクベクタリング・デュアルクラッチシステムは、電気自動車のハンドリングと操作性を改善するために設計されており、独立してトルクを管理し、リアアクスルの位置から左右の車輪にトルクを分配する。

また、1つの電気モーターに接続され、2つの可逆GenVIアクチュエーター(クラッチごとに1つ)を備えており、トルクを動的に伝達してステアリングレスポンスと制御性を改善し、顧客に安定した楽しいドライブ体験を提供する。

このシステムは、クラッチあたり最大2,600Nmの容量を持ち、全輪駆動が不要な場合にはリアアクスルを切断して前輪駆動で動作するため、電気自動車における損失が減少し、航続距離が長くなる。

新製品の生産は、大手グローバルOEMの電気自動車に向けて、2022年前半に開始される予定である。

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

BorgWarner Press Releases
https://www.borgwarner.com/