NSK、ステップATのプラネタリ機構向け「世界最小ころ スラストニードル軸受」を発表

変速機の効率向上には摩擦損失の軽減が重要
日本精工(NSK)は15日、自動車の自動変速機として用いられる多段変速機(ステップAT)内の遊星歯車(プラネタリ)機構向けに、「世界最小ころ スラストニードル軸受」を開発したと発表した。

多段化により変速機の効率を高めることができるステップATは、自動車の燃費向上を目的とした変速機の効率向上がグローバル規模での課題となる中、普及が拡大傾向をみせている。

ただしこの多段化に伴いプラネタリ機構が増加し、同機構の構成部品であるワッシャの個数が増加するため、それらの間で生じる摩擦損失をいかに低減させるかがポイントだ。

摩擦損失の低減と耐焼付き性を向上、互換性も高い
今回NSKが開発した「世界最小ころ スラストニードル軸受」は、この摩擦損失を、ワッシャを用いた場合と比べ70~80%程度に低減。また潤滑穴を樹脂保持器内周側に設置することで高速回転の際にも潤滑性が保たれ、結果として耐焼付き性を向上させることに成功している。

また同製品は世界最小となる直径1mm(長さ1.8mm)のころと、板厚0.2mmのレースを組み合わせることでできており、ワッシャと同じサイズでの置き換えが可能だ。したがって、周辺部品における寸法の変更も最低限にとどめることができるという。

2020年に年間18億円の売上を
NSKではこれら特長を有した「世界最小ころ スラストニードル軸受」について、ステップATの効率を高め、搭載される自動車の燃費向上に寄与するものであると説明。2020年に年間18億円の売上とすることを目指し、展開を進める方針だ。

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

日本精工(NSK) プレスリリース
https://www.jp.nsk.com/company/presslounge/news/