ボルグワーナー、長安汽車にP2ハイブリッドソリューションを供給へ

排出規制に対応する様々なハイブリッドに利用可能
ボルグワーナーは、中国の大手OEMサプライヤーである長安汽車と、トリプルクラッチP2ドライブモジュール、および新型ハイブリッドトランスミッション用電動油圧制御ユニットを供給する契約の合意に達したことを発表した。

ボルグワーナーは、2020年に、長安汽車の新型モデルでP2モジュールの量産を開始する予定である。

国家VI排出基準は2020年に正式に発効されるが、多くの地方自治体は、大気汚染の増加に対処するために2019年7月に新しい基準の運用を開始している。このことは、より厳格な燃料消費規制とデュアルクレジットスキーム(ガソリン車の燃料消費を制限する)とともに、OEMに課題をもたらしている。

従来の燃焼技術は、より厳しい排出要件を満たすことができないため、革新的はハイブリッド技術の開発が自動車業界の焦点になっている。

高度に統合されたP2ドライブモジュールと電動油圧制御ユニットにより、燃費と排出ガスが改善され、システムの効率とパフォーマンスが向上する。そのスケーラブルなモジュール設計は、様々なトルクに対応するとともに、オプションの電動モーターで利用可能で、高電圧プラグインハイブリッドカー、高電圧ハイブリッドカー、48システムと互換性があることから、費用対効果の高いハイブリッド化を実現している。

ボルグワーナー・トランスミッションシステムの社長兼ゼネラルマネージャーであるVolker Weng博士は、長安汽車とのパートナーシップを拡大することを嬉しく思っていると言及し、次のように説明した。
「これらの契約が締結されると、世界的なハイブリッドカー市場におけるボルグワーナーの地位が強化される。それは、また、モジュールのシステム統合機能も検証される。ボルグワーナーは、顧客に高品質の製品とサービスを提供し、より持続可能なモビリティに向けた次世代のトランスミッション技術の開発に取り組んでいる。」(プレスリリースより引用)

革新的なP2ソリューションは、切断クラッチを含む最大3つのクラッチを統合する可能性を提供している。それにより、システムをエンジンから切り離して完全電気駆動とし、顧客は、それぞれの燃費と性能の目標を達成することができる。

軸上・軸外両方で配置できる柔軟性
さらに、ボルグワーナーは、湿式クラッチを作動させるために電気油圧式制御を提供し、個々のコンポーネントや完全なシステムを選択するオプションを顧客に提供している。

P2ドライブモジュールは、軸外構成でも利用可能である。この設計では、主軸に電動モーターを並行に配置し、同社の耐久性のあるチェーン技術の1つを介してシステムを接続し、最大のトルク伝達を保証している。

P2ドライブモジュールにより、OEMは、電動モーターを既存のアーキテクチャにあるスペースに、軸上または軸外両方で配置する柔軟性を得ることができる。

革新的な製造プロセスで大量生産が可能
受賞歴のあるSウィンドワイヤフォーミングプロセスを使用してモーターを作成することによって、P2ドライブモジュールは、非常にコンパクトなパッケージで高い出力とトルク密度を実現している。

革新的な製造プロセスによって、ボルグワーナーは、より小型で強力な高電圧電動モーターを大量生産することができ、ハイブリッドと電気自動車市場での成長を促進する。

さらに、ベルトを使用してシステムを取り付ける多の軸上P2ソリューションと異なり、ボルグワーナーの軸外ドライブモジュールは、最高の強度と耐久性、静かなチェーンドライブ技術を介して、P2接続から最高のパフォーマンスを提供する。

そして、このソリューションは、停止/始動、回生ブレーキ、補助電気推進を提供し、48ボルトと高電圧ハイブリッドシステムで利用可能である。

P2ドライブモジュールに加えて、ボルグワーナーの広範な製品ラインナップには、あらゆる可能性のハイブリッドドライブアーキテクチャに向けたソリューションや、燃焼エンジン車両と電気自動車向けの、統合されたクリーンで効率的な推進システムが含まれる。

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

BorgWarner Press Releases
https://www.borgwarner.com/