ブリヂストン、再生カーボンブラックをタイヤ市場で大規模使用

100%持続可能な材料と排出量削減を目指す
ブリヂストン・アメリカスは、業界で初めて、タイヤ市場において再生カーボンブラック(rCB)を大規模使用することを発表した。

これは、生産終了(EOL)タイヤからの材料回収業務の市場リーダーであるDelta-Energyグループとの長期にわたるパートナーシップの一環として行われるもので、同社はEOLタイヤからの再生rCB製品である「D-E Black」を生産している。

D-E Blackを使用した場合、バージンカーボンブラック(vCB)と比較して、1トンあたりのCO2排出量が81%削減される。ブリヂストンは、毎年数百万本のEOLタイヤを、新しい製品寿命を持つ新しい製品に転換する予定である。

D-E Blackの大規模商業化への移行は、100%持続可能な材料を目標とし、2050年までにCO2排出量を50%以上削減することに貢献するという、ブリヂストングループの長期的な環境ビジョンを達成することにおける重要なマイルストーンである。

また、同社は、この投資について、資源の継続的な使用を通して無駄を排除する循環経済へと向かうための大きな使命と位置づけている。

vCBの需要が供給を上回ることから、同社が戦略的な投資で代替手段を提供することは、タイヤ業界だけでなく地球にも利益をもたらすこととなる。

代替材料でもタイヤの品質と性能を保証
ブリヂストン・アメリカス、最高技術責任者であるNizar Trigui氏は、次のように述べた。
「ブリヂストングループは、真の循環経済を支援することによって、環境的に持続可能な社会の発展に大きく尽力している。Delta-Energyグループとのこのパートナーシップを通して、我々は、この業界の未来を形作り、次の世代のモビリティソリューションを確立することを期待している。」(プレスリリースより引用)

ブリヂストンは、2007年にDelta-Energyの材料の評価を開始し、2014年後半にエクイティパートナーとなった。そして、新しいタイヤでvCBの部分的な代替品としてD-E Blackを使用するにあたり、ブリヂストンタイヤの高い基準と優れた品質および性能を順守することを保証するために広範なテストを実施した。

これまでに、ブリヂストンは、7万本以上のEOLタイヤに相当する約235メートルトンのrCBを購入しており、これにより、vCBを使用した時と比較して、約76万5,000ポンドのCO2排出量を削減した。

2020年末までに、ブリヂストンは、DE Blackの使用を、EOLタイヤ200万本に相当する6,800メートルトンに増やす計画で、およそ2,000世帯の電力と2,300台以上の乗用車に相当する約2,400万ポンドの二酸化炭素排出量を削減する。

工場を新設しD-E Blackの使用を拡大
Delta-EnergyのCEOであるBob Genovese氏は、こうした重要なパートナーシップは、持続可能な開発イニシアチブに関する技術的、経済的、環境的なニーズに対応する革新的なソリューションを加速させるとの見解を示し、次のように説明した。
「ブリヂストンは、当初から非常に重要なパートナーであり、タイヤ業界全体として、D-E Blackによって循環的な経済に向かって努力する中で、彼らをサポートできることを誇りに思っている。Delta-Energyは今後数年間で、北米にいくつかの工場を建設し、新しいタイヤと他のゴム製品産業向けにD-E Blackを処理できるようになる予定である。」(プレスリリースより引用)

ブリヂストンは、デモイン農業用タイヤ工場、エイキン郡乗用車用タイヤ工場、クエルナバカ工場など、同社の複数の工場において、農業と乗用車用途の高性能タイヤのためにD-E Blackを使用している。

また、D-E Blackの使用をその他の工場や製品ラインに拡大する新しい機会を継続的に検討している。

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

Bridgestone Americas Press Releases
https://www.bridgestoneamericas.com/