NTN、次世代電気自動車向け駆動システムを発表

他製品と組み合わせて一括提案へ
NTNは21日、駆動システムの「2モータオンボード駆動システム」を開発したことを明らかにした。

同システムは次世代電気自動車(EV)での利用が想定されており、同社では今後、世界トップレベルのシェアを誇る同社のハブベアリングならびにドライブシャフトと同システムを組み合わせ、モジュール商品として提案。性能とコストの両方に優れた次世代EVの駆動システムとして、一括での提案をはかる方針だ。

左右の車輪に専用モータ、駆動力の配分を改善
「2モータオンボード駆動システム」は、2組のモータおよび減速機からなるモータ駆動装置、そしてインバータで構成されており、「左右の車輪がそれぞれ専用のモータによって駆動する」という点に特徴がある。これは現在普及が進むワンモータ式電気自動車の欠点といえる、スリップのしやすさを改善することにつながるものだ。

ワンモータ式電気自動車では通常、1台のモータの動力を左右の車輪に配分するため、左右の駆動力が常に等しくなる。これが氷結した路上などでスリップをまねく要因となっていたが、同システムでは左右の車輪に対する駆動力の配分を、車両の走行状態に応じて適切にコントロールする「トルクベクタリング」を実現。スリップしやすい路面における走破性や、旋回性能を大幅に向上させることに成功した。

耐久性も十分で、コストを抑えた採用が可能
また「2モータオンボード駆動システム」の減速機やモータ回転部には、NTNの誇る高精度・長寿命な転がり軸受技術を適用し、十分な耐久性を持たせている。

さらに同システムは従来のサスペンション構造を変更することなく車両に搭載でき、既存ボディの流用が可能。従って、同システムを採用する自動車メーカー各社は車両開発にかかるコストを抑えることができるのも特徴となっている。

(画像は新商品ニュースより)


▼外部リンク

NTN 新商品ニュース
http://www.ntn.co.jp/japan/news201500065.html