ZF、高コストの修理を防ぐためにトラックの定期的なシャーシ検査を推奨
貨物輸送の厳しい運行で部品の損傷が多発
ZF Friedrichshafen(以下、ZF)は、同社のアフターマーケットが、半年ごとの安全検査と1年に1回の総合検査の前にも、予定外の修理を防ぐための厳正なシャーシ検査を推奨していることについてホームページで説明した。これは、トラックのサスペンションとステアリング関連部品が、現代の貨物輸送の厳しい運行条件によって摩耗や裂け目、損傷を起こし、車体の故障の要因となる可能性が高いからである。
サスペンションとステアリング関連部品が損傷する兆候は数多くあるが、目視するだけでなく、測定機器やテスト機器を使用することが必要である。
こうしたことから、ZFアフターマーケットの専門家は、最初のステップとして、溶剤を使わずに全ての接続部品を乾いた布で拭き、シーリングスリーブが損傷していないことを確認するよう求めている。そして、シャーシの損傷を検知するために、手順に従ってテストすることを推奨している。
部品の隙間やオイル漏れ、摩耗などを詳細に確認
まずステアリング関連部品のトラックロッドについて、チューブのネジ山または調整スリーブに隙間がないか、ねじ頭とナット両方がクランプにしっかりと固定されているか、クランプの腐食残留物が0.5ミリを超えていないかを確認する。これらが満たされていない場合、タイロッドを交換する必要がある。次にボールジョイントについて、シーリングベローズに穴や亀裂はないかを確認する。欠損したベローズに水や汚れが浸入すると摩耗や裂け目が増え、シーリングが弱まり部品が急速に劣化する。
また、ボールジョイントのハウジング・シャフト・エンドキャップに、深さ1.0ミリを超える腐食痕がないこと、軸方向の隙間は2.0ミリ以下が基準であり、これらを満たさない場合はボールジョイントを交換する必要がある。
次に、Vリンクとアクスルストラットの分子ベアリングが損傷しているかと目視で確認し、ツールではなく手動で検査してもよい。
さらに、シャーシサスペンションやキャブサスペンションのオイル漏れをチェックする。オイルが付着している場合減衰力が失われ、走行安定性とタイヤグリップが低下するため、ダンパーを交換する必要がある。
そして、ショックアブソーバーのゴムブッシュについて、組み立て時のエラーや極端な作業条件によって引き起こされる摩耗を確認する。ジョイント部分が摩耗すると、がたがた音やゴロゴロ音がすることがあり、この場合はショックアブソーバーを交換する必要がある。
長期のダウンタイムを防ぐ
修理工場がこうしたチェックを行うことによって、車検に問題なく通ることが予想され、顧客満足度も確保されることとなる。商用輸送車両の管理会社にとっては、検証機関の指摘によって予定外に修理工場へ出向くことほど面倒なことはない。こうしたダウンタイムによって、売上高の損失と契約上の罰則が発生し莫大なコストが必要となる可能性がある。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
ZF Friedrichshafen Press Releases
https://press.zf.com/press/en/releases/release_13507.html