デーナ、CTI Berlinで高効率シリコンカーバイドインバーターを展示

高電圧のレース車両向け技術を乗用車に適用
デーナは、ベルリンで行われた自動車ドライブトレインの開発製品を紹介するCTI Berlinにおいて、電気自動車のレース車両用に開発された高効率のシリコンカーバイド(SiC)インバーターを展示した。

デーナのTM4 SiCインバーターは、従来のインバーターよりも高い電圧レベルである900ボルトに対応することができ、バッテリー効率を最大限に向上させている。

デーナの最高技術責任者であるChristophe Dominiak氏は、次のように述べた。
「我が社は、パワーエレクトロニクス設計における30年以上のノウハウを活用して、強化された新しいインバーターソリューションの開発をリードし続けてきた。我が社のシリコンカーバイドベースの技術によるインバーターは、次世代インバーターにおけるリーダーシップと能力を実証している。これらの新しい技術は、今後数年間で、顧客がパワー、走行距離、効率性の目標を達成するのを支援することにおける中心的技術となる。」(プレスリリースより引用)

小型軽量で高効率を達成
TM4 SiCインバーターは、もともとレース車両の高性能要件のために開発され、これまでの5年間、同社の技術のテストベッドとして機能してきたものであり、レース車両向けで900ボルト、乗用車向けで800ボルト以上をサポートする能力を持っている。

従来のインバーター技術と比較して、スイッチング周波数を高める機能により、出力電流の質が改善され、より高い電気周波数の出力電流を制御し、モーター設計に本質的な柔軟性を追加することができる。

高スイッチング周波数インバーターのもう1つの主要な利点は、小さなパッケージで同等またはより強力な電力を提供するとともに、電力変換中の損失を削減し、車両の効率性を改善できることである。

展示されるSiCを組み込んだインバーターは、1リットルあたり195キロワットを達成し、これは、2025年までに1リットルあたり100キロワットを達成するというアメリカ政府エネルギー省の目標と比べて2倍近くである。

また、SiCパワーモジュールの高性能な特性により、バッテリーと、モーターなど必須の車両システム要素は、サイズを小さくすることができ、OEMがよりコンパクトで軽量化された車両を開発するために役立つ。

Dana TM4は、高性能インバーターの増加する需要を満たすため、大規模な生産に向けた技術を開発している。

デーナは、さまざまなインバーターを設計するだけでなく、業界が電化へ移行することをサポートする幅広い製品とシステム統合の能力を備えている。製品ポートフォリオには、モーター、インバーター、制御、ソフトウェア、バッテリーとパワーエレクトロニクス用の熱管理製品などがある。

(画像はプレスリリースより)


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