エスケイエフ、電気自動車向けの厳しい条件に対応するベアリングを開発

高速動作や高温で疲労や浸食などの課題
エスケイエフは1月23日、効率性と信頼性を求める電気自動車のドライブトレインのために、ベアリングなどのコンポーネントに新たに生じている課題に対応する方法について、ホームページで説明している。

ドライブトレイン全体の効率化の推進により、OEMはギアボックスやディファレンシャルに見られる従来の円すいころ軸受ではなく、新しい低摩擦のアプローチを模索している。

そして、電気モーターは、多くの産業用アプリケーション向けよりもはるかに高い最大30,000rpmという回転数を必要としており、これにより生じる加速度合いと温度は、ベアリングケージや転動体などのコンポーネントに大きな負担をかける。

このような高速で動作するベアリングには、効果的な潤滑と冷却も必要となり、これを怠るとベアリングコンポーネントが急速に劣化するリスクが高くなるとともに、レースとローラーの早期故障と早期交換の必要性を引き起こす可能性がある。

さらに、電気モーターのモーターインバーターにおける高周波電圧スイッチングは、電流漏れを引き起こす可能性もあり、漏れた電流はベアリングを伝導して転がり接触にアーク放電を発生させ、表面の疲労と浸食を引き起こすこととなる。

セラミックベアリングや浸炭窒化の活用など
こうした課題に対して、エスケイエフなどのメーカーは、従来のベアリングに対して、ポリマーケージや転がり部品などの要素を再設計し、特殊な潤滑グリースを使用するなどして、電気自動車の信頼性を高めるハイブリッドベアリングを開発した。

放電に関しては、電気絶縁材料であるセラミックを使用することで課題を解決しており、また同時にセラミックベアリングは、スチールよりも軽量で硬質であるため、最大で10倍程度長持ちし潤滑剤も少量で済む。

現在は、電気自動車用ベアリングにおいて、セラミックを使用したハイブリッドベアリングは5%程度であるが、その信頼性と長寿命が認識されることにより、変化しつつある。

別の解決策は、ベアリングが汚れや潤滑剤不足にさらされるアプリケーション向けのベアリング軌道を浸炭窒化することである。浸炭窒化は表面の硬度を高め、その結果、セラミックと同様に製品寿命を延ばす。

世界的な電動自動車市場の拡大に伴い、電気自動車に必要なすべての特定条件に対処するためのより高度な方法も開発している。これらは、より速い速度と高い温度で安定した粘度を維持する特殊なグリースが含まれる。

拡大する電気自動車市場に適合
2019年に公開された国際エネルギー機関の調査によると、現在、世界の電気自動車は500万台をはるかに超えている。

市場調査会社であるフロスト&サリバンの調査によると、世界の販売台数は、2017年から2018年までの1年間でほぼ2倍に増え、中国は引き続き世界最大の電気自動車市場である。また、このセグメントは今後も市場を支配すると予想されている。

電気自動車の開発に関して、システム全体におけるベアリングの役割を過小評価することはできない。エスケイエフなどのメーカーは、ベアリングの性能や効率、信頼性を向上させ、将来にも適合することを保証することを目指している。

(画像はプレスリリースより)


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