テネコ、コバルト含有量17%の耐摩耗焼結材料の開発に成功!

自動車部品に欠かせない焼結材料
テネコオートモーティブは、自動車用耐熱および耐摩耗焼結材料の新開発に成功したと3月4日に発表。ターボチャージャーなどに欠かせない素材・コバルトを大幅に削減しながら、同等の低摩耗率を保持しているという。

新素材で市場の安定を図る
EGRバルブ、ターボチャージャーウェイストゲートシステム、排気ガスバルブのブッシングなどの適用温度は最大1,000度で、その強度を保つために使われているのがコバルトだ。

現在、世界中で採掘されているコバルトの50%が、パワートレインのバッテリーに使用されている。しかし需要の高さに反し、価格高騰や入手の可能性など市場が安定していないことから、同社ではコバルトだけに頼らない耐摩耗焼結材料の開発に着手。

実験では、トライボロジー技術による鉄ベースの焼結材料FM-8100と、コバルト含有量54%のFM-T95Aの温度変化による摩耗性能を評価した。

コバルトの特性を発見
すると、コバルトを含む材料は、温度が低い状態から摩耗を低減するための「摩耗層」を形成することが分かった。

そこから、摩耗層が形成されるために必要なコバルト含有量を割り出し、コバルト17%を含んだ焼結鋼FM-T88Aの開発に成功した。

大手自動車メーカーの協力による実験結果でも、200度の温度で、コバルト材を使用している焼結材と同等の耐摩耗性を示したと報告している。

(画像はテネコの公式ホームページより)


▼外部リンク

テネコオートモーティブのプレスリリース
https://www.tenneco.com/