ボッシュ、接続された道路交通研究「5G NetMobilプロジェクト」の成果を説明

最先端通信技術で、安全・効率的・経済的な道路交通に
ボッシュは、車両対車両および車両対インフラの直接通信における最先端技術を進歩させる「5G NetMobilプロジェクト」に、プロジェクトコーディネーターとして参加していることをホームページで説明した。

リアルタイムで道路側のインフラと通信できる接続された車両は、排出量と事故のリスクを低減させる。この通信には、高性能5G、セルラーネットワーク用の新しい第5世代ワイヤレステクノロジー、またはWi-Fiベースの代替(ITS-G5)によって提供される、信頼性の高い安定したデータリンクが必要である。

5G NetMobil研究プロジェクトでは、過去3年間、自動車のリアルタイム通信における主要な課題に対するソリューションを見つけることを目的として取り組んできた。

参加団体は、プロジェクトコーディネーターがボッシュとドレスデン工科大学、その他に、Acticom社、BMW、クラース社、ドイツテレコム、dresden elektronik ingenieurtechnik社、Ericsson社、フラウンホーファー・ハインリッヒ・ヘルツ通信技術研究所、Heusch/Boesefeldt社、htw saar、Logic Way社、ノキア、カイザースラウテルン工科大学、ボーダフォン、フォルクスワーゲンである。

ドイツ連邦教育研究省は、この研究プロジェクトに950万ユーロの資金を提供した。

死角の交差点や隊列走行で相互通信を活用
多くの交通状況では、ドライバーが、複雑な交差点を横断する歩行者や、袋小路から急に飛び出る車両など、必要なすべての事象を見ることは事実上不可能である。

レーダー、超音波、ビデオセンサーは車両周りの交通状況を監視しているが、コーナー付近や障害物の後ろ側は見ることができない。車両対車両(V2V)、車両対インフラ(V2I)、車両対ネットワーク(V2N)の直接通信によって、車両は、相互あるいは周囲とリアルタイムにデータを共有でき、見えない事象のデータでさえ共有できる。

5G NetMobilプロジェクトのパートナーは、この通信能力を使用して、死角の交差点の道路側インフラに設置されたカメラが歩行者や自転車利用者を検知し、わずか数ミリ以内に車両を警告することで危機的な状況を防ぐというツールを開発した。

プロジェクトのもう1つの研究課題は隊列走行である。将来的に、商用車は、V2V通信のおかげでトラックが非常に近いランクで動作し、加速とブレーキング、ステアリングの同期が可能な隊列走行に加わることができる。

この自動ドラフティング、つまり、他の車両を後ろに従えてスリップストリームに乗せることで、燃料消費を削減し、高速道路での安全性を高めることを実現する。プロジェクトでは、10メートル未満離れた車両による隊列編成と、農業での平行隊列編成の基盤を作った。

通信インフラのグローバル標準化への道
製造業の研究プロジェクトのコーディネーターを担当するロバート・ボッシュのFrank Hofmann博士は、次のように述べた。
「研究プロジェクトの仕事は、幅広いアプリケーションに関係している。これは、産業や研究のプロジェクトパートナーだけでなく、特に道路を利用する人にとってもメリットがある。このプロジェクトから得られた見識は、通信インフラのグローバル標準化へ流れ込んでいる。これらは、パートナー企業のさらなる開発努力の土台である。」(プレスリリースより引用)

研究プロジェクトでは、この他に、ネットワーク品質の低下を検知した場合に、隊列走行における車両間の距離を自動的に長くする機能も開発した。

さらに、メインのセルラーネットワークを個別の仮想ネットワークに分割し(スライシング)、サブネットを安全機能用のデータ通信のために予約することも行っている。

(画像はプレスリリースより)


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Bosch Press Releases
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