ボルグワーナー、2020ルイ・シュヴァイツァー賞を8名のエンジニアに贈呈
インディカー用エアロスクリーンを開発したエンジニア
ボルグワーナーは、自動車技術者協会(SAE)インターナショナルのインディアナ支部と共同で主催した2020ルイ・シュヴァイツァー賞を発表した。第54回となる今年は、空中の破片からドライバーを保護する革新的なインディカー用エアロスクリーンの開発において卓越したエンジニアリングを行った8人のエンジニアが表彰された。
受賞したのは、Red Bull Advanced TechnologiesのEd Collings氏、ダラーラ社のAntonio Montanari氏、Pankl Racing SystemsのStefan Seidel氏、Aerodine CompositesのCraig McCarthy氏、PPGのBrent Wright氏、IsoclimaのMarco Bertolini氏、INDYCARのBill Pappas氏とTino Belli氏で、受賞者には10,000ドルの賞金が授与された。
賞金はSeriousFun Children’s Networkに寄付する意向であると発表された。
ルイ・シュヴァイツァー賞は、NTT INDYCAR SERIES仕様に準拠し、エンジン、パワートレイン、プロファイル、シャーシ、安全性などのアプリケーションを備えた新しいテクノロジーに焦点を当て、競争力の可能性を向上させるための革新的な新しいコンセプトを持つエンジニアを表彰する。
ボルグワーナーの社長兼CEOであるFrédéric Lissalde氏は、次のように述べた。
「誰もが望むボルグワーナートロフィーを争うインディ500には多くの情熱が注がれているが、我々は、NTT INDYCAR SERIESのために印象的なテクノロジーを革新し続ける、舞台裏のエンジニアの多大な努力を強調することが重要であると考えている。ボルグワーナーでは、あらゆることに先んじて安全性を重視していることから、受賞者グループが、レース業界に創造的で機能的な安全ソリューションをもたらしたことを光栄に思っている。」(プレスリリースより引用)
耐荷重性を強化しドライバーを空中の破片から保護
ドライバーを空中の破片から保護するために、インディカーの2020年シーズン用に実装されたエアロスクリーンは、最大28,100ポンドの垂直および横方向の静的荷重に耐え、時速354kmで1kgの衝撃に耐えられるように設計されている。このテクノロジーの主な利点は、光学的な歪みがなく、ドライバーの視線を妨げないことである。さらに、背中側にケガを負った場合に、ドライバーを「まっすぐに」引き出すことができ、ダラーラのDW12シャーシシステムと互換性がある。
付加製造されたチタン製トップフレームおよびチタン強化カーボンファイバー製の下部フレーム、透明なラミネートポリカーボネートスクリーンで構成されたトップフレームは、コックピットに大きな物体が侵入するのを防ぐ。
同様に、下部フレームはコクピットの開口部を強化して、トップフレームとスクリーンの取り付けポイントを提供し、スクリーンは小さな破片をコックピットからそらす。
エアロスクリーンは、INDYCARとRed Bull Advanced Technologiesが構造設計に関してエンジニアリングで協力した成果である。
また、空力設計ではダラーラ社、トップフレームの製造に関してはPankl Racing Systems、下部フレームではAerodine Composites、スクリーンではPPGとIsoclimaと協働している。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
BorgWarner Press Releases
https://www.borgwarner.com/