ヒュンダイ自動車、燃料電池の大型トラック「エクシエント」7台がスイス顧客に納車
第一陣のスイス到着
ヒュンダイ自動車は、スイスに向けて輸出した燃料電池の大型トラック「Hyundai XCIENT(エクシエント)」の第一陣(7台)が10月7日、スイスの顧客のもとに到着したと発表した。「エクシエント」は、世界で初めて大量生産された燃料電池式の大型トラックとなる。ヒュンダイ自動車が独自に開発し、世界の脱炭素化を促進させる。今回、第一陣となる7台がスイスの顧客に引き渡され、これを皮切りに、今年中には「エクシエント」計50台がスイスにて運用される予定である。
アメリカ・中国市場参入の試金石
スイスへの「エクシエント」輸出は、ヒュンダイ自動車がヨーロッパの商用車市場へ参入することを意味する。今後、アメリカおよび中国の商用車市場への参入において、ヨーロッパ市場への参入は試金石となる。また、ヒュンダイ自動車が世界的に燃料電池トラックを拡大するうえで、ヨーロッパ市場への「エクシエント」輸出は重要である。今回、最初の7台がスイスの7顧客に引き渡されたが、スイス全土に渡って消費財を運搬する。
エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼商用車事業部長のイン・チョル・リー(In Cheol Lee)氏は、ヒュンダイ自動車による水素燃料の普及・促進、世界におけるクリーンエネルギーとしての水素活用にとって、「エクシエント」のスイス輸出は新たなチャプターの始まりであり、クリーンモビリティにおける無限の可能性が開けたとコメントする。
水素社会の実現に向けて
「エクシエント」の生産能力は、2021年までに2000ユニットに達する見込みであり、ヨーロッパ、アメリア、中国のクリーンモビリティに対する需要に対応していく。生産能力拡大の背景には、水素社会を創出する水素エコシステムの確立に向けた64億ドルの株式に加え、13億ドルの追加投資がある。また、生産拡大計画の一貫として、2025年までに燃料電池の商用トラック1600台の供給を予定している。今後、ヨーロッパ全土にて、食糧品から車に至るまで、あらゆる物流に「エクシエント」が活用されるという。
現在、スイス最大の食品小売企業Migros(ミグロス)、スイスの物流企業Camion Transport(カミオン・トランスポート)をはじめ、Coop、Traveco、Galliker Logistics、F. Murpf AG、G. Leclerc Transport AGなどから「エクシエント」の注文を受けている。
数年後には、4×2および6×2カーゴトラック、4×2トラクターのラインナップにおいて、フルモデルチェンジを予定する。フルモデルチェンジされた「エクシエント」には水素燃料電池トラックプラットフォームが採用され、開発中のeアクスルと200kW燃料電池システム(2個)が搭載される。
(画像はHYUNDAIより)
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