GKNの新しいCVジョイント「VL3」、BMWの7シリーズに採用
軽量でトルク容量が増加
GKNドライブラインは、後輪駆動プラットフォームの重量を4キログラム以上削減することを可能にした、新しい軽量等速ジョイント(CVジョイント)システム「VL3」を発売、BMWの新型7シリーズに採用されたことを発表した。このCVジョイント「VL3」は、パッケージサイズを増やさずに最大27%トルク容量を増加できるもので、4つのサイズで利用可能。自動車メーカーは、トルク容量を維持するか、パッケージサイズを約10%小さくするかの選択ができる。
GKNドライブライン、等速ジョイント製品技術部門のシニアディレクターであるカール・ベルガー氏は、次のように述べた。
「GKNは、すでに従来技術によるリアのCVジョイントでベンチマークを確立していますが、より軽量で頑丈、効率的であり、より小さなパッケージで多くのトルクを実現するCVジョイントを開発しました。VL3ジョイントは、自動車メーカーが贅沢で洗練されたドライビング体験を実現するのに役立つものであり、我々は、BMW 7シリーズに採用されたことを嬉しく思っています。」(プレスリリースより引用)
騒音・振動・ハーシュネスを低減
押し込み距離が18ミリメートルのVL3は、クラス最小のバックラッシュを持っており、低い軸力における中間動作角のためのリア等速サイドシャフトとして最良の製品といえる。また、VL3は、重要なパッケージングと重量の利点だけでなく、騒音・振動・ハーシュネス(NVH)に関する動作上の利点を達成するために、ホイールハブに接続した一体型中空シャフトとフェイススプラインを使用している。その結果、より洗練されたドライビング経験が実現した。
GKNは、2009年から固定ジョイントにおける高効率カウンタートラック原理を開発し、VL3ジョイントは、リアサイドシャフトに技術を導入することにより、成功を収めている。
長年にわたる開発実績
また、VL3ジョイントは、3組に代わって4組のボールトラックと新しい革新的なトラック形状を使用しており、同じ実装スペース内の車輪に多くのトルクを伝達することができる。ジョイントは、軸方向のパッケージングやグリース体積、重量の削減に役立つ、スタンダードのブートとキャップの代わりに、ダイヤフラムブートシーリングシステムを使用することによって、さらに強化されている。
前述のベルガー氏は次のように付け加えた。
「GKNは、60年以上にわたってCVジョイントの開発を進めてきました。こうした最新の技術革新は、強度・耐久性・効率性・重量など、自動車に向けた重要性のあらゆる面における改善を提供、ダイナミックなドライビング性能を生成するために役立ち、エンジンから車輪への電力供給を最適化します。」(プレスリリースより引用)
▼外部リンク
GKN Driveline Media Centre
http://media-centre.gkndriveline.com