三菱電機、車載機器などに搭載可能な「コンパクトな人工知能」を開発
アルゴリズムを開発し省メモリー化
三菱電機株式会社は、推論処理の演算量を減らして省メモリー化することにより、車載機器や産業用ロボットなどへの搭載を容易にした「コンパクトな人工知能」を開発したことを発表した。今回の開発では、まず、高度な推論に必要な機械学習アルゴリズムについて、ネットワーク構造と計算方法を効率化して新たなアルゴリズムを開発したことによって、従来の推論の精度は保持しながら、人工知能をコンパクト化することに成功した。
画像認識を例に取ると、従来製品に比べて、演算量と使用メモリー量を90%(同社比較)削減している。
その他の特徴として、サーバーやネットワーク設備の小規模化によって、人工知能の低価格での導入が可能であり、組み込み機器への搭載が可能となることで利用範囲が拡大されることがあげられる。
また、機密情報をサーバーにアップロードする必要がないため、ネットワーク状況に依存せずに高速処理が可能であり、高いセキュリティ環境での作業が可能となった。
高いセキュリティで安全快適な社会へ貢献
昨今、人工知能市場が拡大しており、センサーデバイス技術やネットワーク技術の発達により、リアルタイムに大量のデータを取得することも可能となった。しかし、大量のデータをサーバーに集約して人工知能による推論処理を実行しようとすると、設備が大規模化しコストも上昇するが、その反面、機密情報をサーバーへアップロードするためのセキュリティ対策やネットワーク障害などへの対策が必要となる。
今回三菱電機が開発した「コンパクトな人工知能」は様々な組み込み機器に搭載が可能であり、サーバーに依存することなく機器内で処理ができるという、安全・安心・快適な社会の実現に向けた商品といえる。
この技術については、2017年度以降に、車載機器、産業用ロボットや工作機械などで順次製品化を予定している。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
三菱電機株式会社 ニュースリリース
http://www.mitsubishielectric.co.jp