ハネウェル、カーエアコン冷媒の生産拡大に向け中国Juhua社と契約

世界的な需要増に対応
ハネウェルは、地球温暖化を抑制するカーエアコン冷媒である「Solstice YF」のグローバル供給拠点を拡張するために、中国メーカーと供給契約を締結したことを発表した。

複数年契約に基づき、中国におけるフッ素材のリーディングカンパニーであるJuhua社は、中国で「Solstice YF」を生産し、ハネウェルはアメリカとヨーロッパの顧客に製品を販売する。世界的な需要を満たすために加えて、中国での生産は、今後の地域における「Solstice YF」の販売に役立つことが期待される。

ハネウェルとそのサプライヤーは、既存のルイジアナ州ガイスマーの冷媒製造工場における新しいプロセス技術を使用して、新しい世界規模の製造工場の建設を含め、「Solstice YF」のグローバルな生産能力を高めるために、約3億ドル投資している。

この追加生産によって、現在アメリカのハネウェルにおいて構築されている生産能力が補完されることとなる。生産は2016年末までに開始される予定。

中国での温室効果ガス排出抑制にもつながる
「HFO-1234YF」としても知られる「Solstice YF」は、地球温暖化係数(GWP)が二酸化炭素よりも低い1未満である、次世代のハイドロフルオロオレフィン(HFO)で、近年、GWP1300のハイドロフルオロカーボン(HFC)である「R-134A」の代替品となる。

Honeywell Fluorine Productsの副社長兼ゼネラルマネージャーであるケン・ゲイヤー氏は、次のように述べている。
「この提携によって、全世界で800万台以上の車で安全に使用されている、この画期的で環境に配慮した技術を、顧客に安定供給できることが確実になります。Juhua社との契約は、世界的な需要の成長満たすためだけでなく、世界的な温室効果ガス排出量増加に関する懸念に対応して、中国において、将来的に地球温暖化を抑制する製品が採用される手助けとなるでしょう。」(プレスリリースより引用)

世界各国の規制に準拠した製品
「Solstice YF」は、増加する据え付け型エアコンや業務用冷凍の用途でも使用されている。カーエアコンで使用するための「Solstice YF」の需要は、HFC類の地球温暖化への影響を低減させることを目的とした地球環境規制や政策のために、急速に増加している。

そうした規制として、アメリカ環境保護庁は、2021年から販売される新しい乗用車と小型トラックのカーエアコンシステムにおいて、「R-134A」を使用することを禁止しているが、「R-134A」に対する地球温暖化抑制のための代替品として、「Solstice YF」を使用することを承認した。

また、アメリカ国内の自動車メーカーは、乗用車や軽トラックに関連した温室効果ガスの排出量を削減し、平均燃費を向上させることを目指した、企業平均燃費(CAFE)基準と車の温室効果ガス基準に準拠するために、「Solstice YF」を採用。

その他の規制として、ヨーロッパ連合(EU)では、乗用車と小型商用車の空調システムにおける温室効果ガス排出量の削減を目指したMAC指令を発表しており、この指令では、2017年1月1日以降にヨーロッパで販売されるすべての車は、GWP150未満という冷媒の要件を満たすことが求められている。


▼外部リンク

Honeywell Press Releases
http://www.honeywell.com