ボッシュ、電力会社とBMWとの共同で自動車使用済みバッテリーを蓄電施設で再生

電気自動車の使用済み電池モジュールを活用
ボッシュは22日、BMWと大手電力会社であるバッテンフォール社と共同で実施しているバッテリー再生開発プロジェクトの一環として、ハンブルク港地区の蓄電施設が試運転を開始したことを発表した。

蓄電施設は、100台以上の電気自動車からの電池モジュール2600個から構成され、2メガワットの電力定格と、2800キロワットアワーの蓄電容量を有している。これは2人の世帯に対し7ヶ月間電気を供給可能な電力量である。

蓄積されたエネルギーは、フレキシブルに制御可能な他の施設からの電力とともに、バッテンフォール社によってprimary control reserve市場で販売される。primary control reserve電力は数秒以内に使用可能であることが求められるものだ。

共同プロジェクトは、BMW電気自動車に取り付けられていた、製品寿命を終えたバッテリーを有用に再生し、使用済みのバッテリーがテストされた後に配線され、新エネルギーランドスケープの重要なリソースを構成する蓄電設備に吸収される。

新エネルギーランドスケープに貢献
ボッシュ、エネルギーストレージソリューションのゼネラルマネージャーであるCordelia Thielitz氏は、次のようにコメントしている。
「ボッシュは、エネルギー供給や企業のためのターンキー・ストレージソリューションを開発しています。スマート電子制御装置のおかげで、これらの蓄電システムは、過剰な電力を吸収し、必要なときに非常に迅速に再び解放することが可能となり、送電網を安定化させることに役立っています。我々は、バッテリーの再生開発プロジェクトから貴重な知識を得ることを期待しており、我々は、より効率的な分散型エネルギーシステムへの道の重要なステップとして考えています。」(プレスリリースより引用)

バッテンフォール社の担当者は、同社の目標として、バッテリーの貯蔵施設をエネルギーシステムに統合し、多くの小規模な地元の施設に対して、電力取り引きによる市場へのアクセスを与えること、としている。

また、BMWグループ、モビリティサービスとエネルギーサービス担当の副社長であるBernhard Blattel氏は、BMWグループがBMW iモデルとe-モビリティにコミットしており、充電インフラやエネルギー管理のためのイニシエータプロジェクトが重要な役割を果たしていることに言及し、次のように説明した。
「将来的には、BMWのストレージで、顧客のニーズに合わせた効率的なバッテリーのストレージ・ソリューションを提供できるようになります。新エネルギーランドスケープにおいて、BMWグループは、エネルギー管理の主要コンポーネントとして、エネルギー貯蔵を考えています。今後、バッテリー貯蔵システムも、e-モビリティの持続可能性を高めることに大きく貢献します。」(プレスリリースより引用)

共同プロジェクトによる施策
このバッテリー再生開発プロジェクトは、2013年に5年計画で開始され、プロジェクトパートナーは、リチウムイオン電池モジュールの劣化特性や蓄電容量の詳細について知識を得ることも目指している。

プロジェクトは、今回オープンした蓄電設備に加えて、2つの施策を実践している。

まず、2014年9月から、使用済みバッテリーは、ハーフェンシティ地区の急速充電ステーションのための中間貯蔵および電力バッファリングに供給されている。また、バッテンフォール社ハーフェンシティ地区暖房ステーションの太陽光発電施設からのエネルギー消費は、電力需要が低い日中におけるバッテリーの中間貯蔵によって最大化されている。

(画像はプレスリリースより)


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